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トネリコの繋ぐ宙―奈落篇―  作者: あーもんどツリー
1 青い眼鏡の魔女
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2

四月上旬の少し肌寒い空気に、俺は少し息をついてみる。

白く凍った息が、視界を霧のようにぼかして、数秒の後に消えていった。

「・・・っくしょいっっ!」

くしゃみを一発かまして、やや疲れ気味の体を奮い立たせ、バス停までの十数メートルを歩く。

だるい。何はともあれだるい。

黒いボサついた髪を掻き、また溜息をついた。



バスの車内で吊り革に掴まり、少しドジ系の普遍的少年は携帯電話を眺めていた。

《鱈水沢高等学校》の文字が画面に出ている。

ハルトの通う高校の名前だ。

やはり、彼みたいなヤツでも、未知の領域に足を突っ込むともなると緊張するのだろうか。

さっきから脚がガクガク震えている。

正直言って、ダサい。

武者震いなんて言葉を使っても、このダサさをカバー出来ないだろう。

少しクスリとして、「私」は携帯を見る。

フフフ、路木ハルト君。せいぜい頑張れよ。

と思いながら、「私」は《止まります》のボタンを押した。



「?」

今、誰かに笑われた・・・?

気のせいか。まぁいいや、いよいよ高校が見えてきた。

よし、高校生活謳歌しようじゃないか!

跳ねる心を抑えつける様に、自然と口元が綻んでくる。

俺はバスを降りた。

何組になるんだろう。

クラスに友達になれそうなヤツいるかな?

・・・なんていうガキの如き発想が渦巻く。

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