やっとこさ地獄だべさ
校長先生の御使い一つ目、その後半へ。
無駄に時間がかかっている気がする御使いの一つ目も、もうそろそろ終わりが見えてきたかな?
《ただし御使いは三つある》
しかもより長時間費やすような御使い。
まだまだ話は続くのだが、ひとまずちょこっと満足はしていいのかもね。
そんなゆるい前置きとは違ってけっこう引き締まる?本編です。
知る資格・・・?
『そう!!キミにはまだ《知る》に至らないことがあるんだ』
それは?
という俺の問いに、奴は急に声色を変えて、
『それを言ったら研究価値がなくなる』
と言い放った。
『まぁ、それのうちの一つは、ニヴルヘイムまで行ったら解るよ』
じゃ、と言って奴は自分勝手に去っていった。
何だったんだ?アイツ。
「・・・タイル張りの王の間の場所?!」
という桜海の叫びに近い喜びの声に、俺は思考の水底から一旦引き揚げられ、そっちを見た。
「間違いない。ここだ。ここがそうなんだ」
と、和沙までもが興奮を隠せないでいる。
「どうしたんだ?」
という俺の質問に、答えたのは璃瑠だった。
「私さ、言い忘れていたんだが確かに私はヘルの子孫なんよ。それ思い出したら次々と思い出して。この家さ、私の生家なのね。そしてこの本だらけの部屋こそが《タイル張りの王の間》なんだよ」
その事実早く思い出してくれたら一週間も道草、いや家草食わなくてよかったんじゃ。
「ドワーフはもの作りは早いけど頭回すのは遅いの!」
と謎の怒られ方をされたが、まあいいか。
これで地獄へ、ニヴルヘイムへと行ける。
「ヘルの末裔、《仁田部 璃瑠》」
言下、家がギシギシ揺れ、何か凄い魔法か何かでテレポートとか起こるのかな、とワクワクして待っていた。
「・・・アレ?」
しかし俺たちの身にテレポートはおろか、何かが起こることすらなかった。
「何だよ!せっかくのワクワク感が台無しじゃんかよ!!」
「何かを期待するだけ損だぞ、ハルト」
璃瑠からの指摘に、何も言えない俺。
「あ、もうお昼ですね。ご飯にしましょうか。」
と桜海の提案に皆乗っかり、外食でランチを済まし、夜から今後のプランを練ることにした。
「よし。それじゃあ行くか!」
とドアを開く。
目の前が真っ赤であることに驚き、思わずドアを閉めた。
「なぁ、まだ夕方じゃあ・・・ないよな?」
「えぇ、全然。この時間だとおやつも食べませんよ?」
ですよね。
「ドア、開けてみてくれ」
本当ならこうしたくはないのだが。
「え、何かありました?」
ここはそれ系のものにつよい桜海さんに。
「どれどれ・・・」
見てもらうのが一番判断しやすい。
ガチャリ。
ごめんなさい!!
「ッ!!」
バタン!とドアを勢いよく閉め、桜海は皆に言った。
「《地獄》に・・・、ニヴルヘイムに到着していたみたいです」
え、本当ですかそれは。
「昼はサンドイッチにしましょう。奮発してカツサンドにしますよ!英気を養って、万全の準備をして望まないと、地獄ではほとんどの生が死にますから!!」
なんでそんなみるからに危ないことを嬉しそうに話すかね、アナタ。
コワクテチビッチャイソーダナー・・・。
「さぁ、食べましょう!レッツダーイ!!」
また物騒な発言を・・・。
・・・サンドイッチ美味っ!!!!
何だこれ、ジューシーで歯応えもバッチリ。
お口の中でロース肉がとろける・・・だとッ?!
もうこれアレだ、二度と他の奴食べられないとか、他のトコの味には戻れないとかいうヤツだ。
食べている間に何か謎のヤル気が出てきたし、色々ヤバい気がするが、何はともあれ今なら何でも出来そうな気がする。
「よし、丹生さん探しに行くぞ!!」
地獄です。
やっとここまで来ました。
不器用な作者が大好きで多用する《得意だとか知識があるだとかは言ってない》、無意味なスプラッt・・・は使わないで!!
同じ《地獄》でも、霊魂たちに心があるのとないのとでは大分話が変わってきますから、その辺りはわきまえていきたいです。
考えてみたらこの話、ファンタジー系の恋愛モノと言ってるクセに恋愛要素無くね?
技量不足が甚だしい!これはまずい。由々しき事態。
もっと恋させてあげたいのですがね。
難しい。使えそうなシチュエーションを逃していたりするんですかね?
それが分からないのですから、末期ですよね。
課題も見えて来ましたし、次回に、少しでも進化できた私がいたらいいのですが。
次回もどうぞお楽しみに!!