白の過去話
僕は暴力を浴びながら育った。しかし、余り苦痛を感じなかった気がした。親友が居たからだ。恩人で有る彼の名前は黒午と言った。僕が其の彼を殺してはいない様な、しかし殺したも同然の事をした気がする。記憶は何故か曖昧だ。
事件の後は伯父さんに引き取られてゆっくり生活はしてる。事情聴取の時に先生が「精神状態が安定してない様子なのでそっとして置いて下さい。」と庇ってくれた。僕を後回しにしたからか、僕を嫌いな奴等が犯人だと言う事が解った。伯父さんから聞いても何とも思わなかった。
只、伯父さんの顔が細く成ったのではと思った。ダイエットが成功した訳では無い。伯父さんは漫才師でコンビを結成してバラエティー番組に出てると言ってた。其のコンビの相方さんの親戚が死んでから休んで居るのだが問題は此処から。相方さんの親戚と言うのが、黒午君だった。引っ越す途中にぼそりと言ったのを覚えてる。伯父さんも訃報を聞いた時、多分僕をどうしようと思ったのでは無いか。伯父さんはコンビでは呆け役だったが背中はそんな気が微塵もしなかった。
此の家に居ずらく成ってしまって、龍斗先輩ーと言う名前の唯一救ってくれそうな人ーに出会ったら「んじゃあ来い。」と言われた。伯父さんから離れて、龍斗先輩と兄妹とお母様と暮らして居る途中。
今はこんな事をして居る余裕なんて無い。何時か絶対に黒午君の伯父さんに会って謝らなければならない。でも許してくれそうにも無い。写真で見ただけだったがとても気難しそうな人で、僕の伯父さんと性格と種族が反対らしい。
だけど安心した。黒午君に似てるのならば黒午君が拗ねた時の様に話をするだけ。
だけど、その話は何時にするの?
元と成った本は存在します。映画化もされました。
おしろい花・・・控えめ