委託
ーー悪魔村ーー
一つだけ扉を岩で塞がれた家が在った。急に成って仕方無く、頑張って岩を動かし、身を捻らせ隙間に入ると中には少し俺に似た誰かが居た。
「勇者の倅か? 」
掠れた声でそう言った。
「嗚呼、黒午か」
暗い所に居たら目は慣れるのに人違いされた。
「良くアエシの許から脱出出来たな。流石は俺の弟だ」
「勝手に話を進めるな! 俺は黒月だ! 」
今大声を出したがもしかすると外に居る人に聞こえて仕舞ったかも知れない。
「・・・済まない、彼奴に酷似してたもので。考えたら黒午は死んでたな」
死んでた? 殺されたって事?
「どうしました? 」
隙間から声が聞こえた。
「ヒイイ!」
驚きの余り奇声を上げた。
「黒月さん? でしたか。御免なさい。アヌスさん、ご飯です」
ジュキだった。
「倅だったか」
「あの、此の人って誰?」
「アヌスさん。いわゆる人質です」
今物騒な事言わなかったかい?
「解放しなきゃ駄目じゃん」
「アヌスさんは快く引き受けてくれましたよね。『情報源でも何でもやってやる』って」
「人質だったら黄楊とシルクが彼方に行ってたら膠着状態に成って泥沼戦と化して居た? 」
「其の時は其の時だ」
飲み物を飲んで声は少し元通りに。
「貴方の言う『其の時』はもう直ぐですよ。父が計画を立ててますもん。黒月さんも計画を実行する人に成って貰いたいなって溢してました」
絶対に嫌だ。
そんなレックスが体を張る24時間前。




