岩の過去話
カイゲンが大人しく成って、二度と海辺に行かなく成って早数ヶ月。当時のリーダーが失踪した。此の地から消えたと言った方が合っているかも知れない。同時に何者かが攻めて来た。其奴等はライトヒーローと名乗ったらしい。
「ヒバネは山の麓、カイゲンは港町、ヨハは農村、イズカは大通りに行って敵を片付けろ! 」
リーダーの代わりとして今のメンバーの中で最年長の俺が指揮を執る。今は俺しか居ないから。
「男忍! 」
「応」
「了解! 」
「ラジャー! 」
四者の其々の反応が返って来る。
「俺は万が一の為此処に残る。皆の健闘を祈ろう」
各々の武器を持って此処を出た。
「・・・、万が一と言ったが格好付け過ぎたかな。暫く経ったら彼奴の許へ行こう」
自分も武器を持って外へ出た。
ーー試練の山ーー
切り立った山に洞窟が在る。近くでヒバネが活動をして居るので出会って激怒される心配はしたが未だ街に居る様だ。
「おーい、テオンー居るかー」
テオンは此の山の主で有り、精霊で有り、リーダーの仲間。他の仲間は森林と鉱山に居る。
大きな足音が響く。
「此処だ」
暗闇の中から巨大な体が現れる。何かを担いで居る。
「ん? 御前が背負ってるのは誰だ? 」
「谷に居た。そして敵が見えた。我は狙われるだろう」
「え? 」
幾つもの小さな足音が鳴る。
「誰だ! 」
テオンが背負って居た子供を渡される。
「逃げろ」
寡黙な彼でも信頼して居れば意図する物は解る。
「解った。死ぬな」
後ろで岩の壁が創られた音が聞こえたが振り替えらなかった。
洞窟を出て直ぐに地震が発生。上を見上げればどんよりとした重そうな雲。真っ先に向かった場所は既に敵が湧いて居た。
「此処もかよ! 」
守る事に専念して居る為戦えない。だが囲まれた。戦わなくては切り抜けない。
すると前の方から敵が殴られては消え、殴られては消えを繰り返した。豪腕持ちの罠か救済か。と思ったが目の前で止まり、
「成程、非力なのでは無く子供を守って居たのか。御主人の所へ共に行こう。御主人は民と避難した」
青い豪腕持ちは俺等を守りながら敵を打ち消した。そして小雨が降る。
「御主人! きっと此れで最後だ!」
後ろの崖を登った先に人々が沢山居た。
「ラジ! 有り難う! 」
御主人とやらは幼かった。童顔と言う可能性も考えられるが。しかし体躯に似合わない服装で有る。ふと疑問が浮かび上がる。何故敵は此処迄襲って来ないのか。只建物を壊すだけなのか。
「えっと、其の子預かりますよ。怪我をしてるみたい」
赤い鳥人間がそう言うので渡す。
「お願いします。あの、彼奴等は倒さないんですか?」
「手を出さない限り此方に被害を出さないのなら、怪我の治療を優先しろと王からの命令が有りまして」
鳥人間の視線の先には童顔が居た。
「え、あの小さいのが? 」
「現に国民から信頼され切って居るので俺等も命令を聞かなきゃ駄目じゃないですか」
「あ、ヒナイ。其の子早く治療しなきゃ。隣の貴方、風邪引いちゃうよ」
一つ縛りの女子が来る。
「解りました御主人」
成程。ラジとやらにはラジの主人が居てヒナイとやらには同じ様に主人が居るのか。
しかし何だ此の焦燥感は。そして寒気がする。まさかカイゲン達に任せた地域に危険が。雨足が強く成り、更に広く設置されたテントに運ばれる者が居る。
大きな音が
「ミマズイ様! 水が! 津波です! 」
敵が来た時の為に見張りをして居た人が知らせた。そうか、此処はあの浜の近くか。
あの一つ縛りが応急措置を終わらせ、王と共に様子を見る。さっきの地震か。
・・・、港を任せたカイゲンが心配だ。
「取敢えず山風さんはウォアクで空から人を見つけ次第引っ張り上げて下さい」
山風と呼ばれた奴は上の空で顔そっくりの子を見て居る。ウォアクはとても大きい鳥だった。
「正風の心配をしてる場合じゃ無いですよ! ほら、僕が見てます! 」
腕と足に包帯を巻いたーー後で俺に「蒼萎です」と名乗ったーー彼が強く言う。無理をして居たのかーー「朱音です」と言うーー強気そうな少女にテントへ連れ戻された。そして山風はウォアクに乗り、向こうへ行った。
何人か連れて来たは良いものの、皆生きて居なかった。
ミマズイと言う男が後の二代目ライトヒーローで蒼萎ポジションです。一つ縛りの子の名前が後書きで偶に出て来たイトヒちゃん。此の子の妹イトエちゃんは四代目ライトヒーローで朱音ちゃんポジション。
復興途中に初代組と一度会っている筈です。
ジニア・・・遠く離れた友人を想う




