行方
未だ残雪が有る山にて我が本能が叫ぶ事態が起こった。其れは目の前に力が無い子供が居たと言う事だ。人間の子供を拐う事で有名な天狗の血を引く自分に取って子供は大好物。拐わないと気が済まない。そして、拐った子供は自分の腕の中で大人しくして居る。
『おーい、カザフネ、聞こえるかー』
イヤホンから声が聞こえる。此の声は上司のエメラルドさんだ。
「はい、どうしました?」
子供を抱き抱えて森林を駆け抜けながら応答する。
『お前今何してる?。』
指令を出す時に絶対言う台詞。
「子供を連れて森を走り回ってまーす」
さも当然の様に答える。
『だろうな。カザフネ、近くに悪魔村が有る筈だ。其処の村長と
ライトヒーローを動かすなと子供を使って交渉しろ。』
ライトヒーローと言えば我等に対抗して創られた組織か。何故かは聞かないで置こう。何時の間にか起きて居たで有ろう右腕の方に抱えてる少年が急に暴れ出す。
「解りましたエメラルドさん。で、村長ってどんな人ですか?」
少年が又暴れる。
『馬鹿っぽい感じの雰囲気の緑色の竜っぽい奴。後勇者だ』
特徴を事細かく説明してくれるのは有難いが、
「なんで知ってるんですか?。貴方が其の村に出入りしてるとばれたら噂に成りますよ」
『彼奴は』
「エメラルドさん!!。何で其方に居るんですか!?」
「黄楊君」
黄色の髪で紫色のスカーフの少年がぐるぐる巻きにした粘着テープを自力で剥がした様だ。其れに全体的に白い子も起きてる。
「君のお腹に後遺症を残したく無いからずっと黙っててくれ無いかな?」
最大限の笑顔で静かにさせる。
『・・・彼奴は俺の元弟子だ。其れ以下でも其れ以上でも無い』
「そうでしたか。では成功させて来ます」
『一つ言って置こう。肉弾戦だけは成るな』
「はい」
まあウェフに勝てないからやる気は無いけどね。
ーー悪魔村ーー
看板にちゃんと書いて有るから間違い無い。
「『緑色の竜っぽい奴』って言ってたけど探してくれない?。黄色の君」
「・・・はい」
あらあら、すっかり怯えて大丈夫かな。白い子はキョロキョロしてるし。
「あ、あの尻尾が生えてる緑色のが勇者のブレードさんです。やたら大きいのが・・・」
「有難う。じゃあ付いて来て」
「済みませーん。貴方が勇者のブレードさんですか?」
「そうだが」
勇者は奥の少年達に気が付く。
「自分は貴方の元師匠、エメラルドさんの部下の風舟 葛と申します。交渉をしに来ました」
なるべく穏やかな目で。
「兄貴が其方側・・・?」
ふふ、動揺してるしてる。
「で、交渉内容はと言うのはライトヒーローを始動させないで下さいって事です。始動させれば直ちに此の子達をダークヒーローの一員にします。止めれば貴方側に返します」
「・・・・・。お前の種族は?。」
「獣族ですが」
「解った。『始動するな。』と書くから其の手紙を届けてくれ。場所は既に知ってるんだろう」
流石エメラルドさんの元弟子。頭が切れる。
「ええあんな倉庫、我等全員知ってますよ」
「助けてくれて有難う御座います」
「違う。お前等を彼方側にやると絶対にレッド達からあの技を食らうかもしれないからな」
(何だ此の人?)




