一期一会
きっと、彼らに私は二度と会えないだろう。
でも、もしかして、この街を気に入ってくれたら、その予想は覆るかもしれない。
少なくとも、リピーターにはなってほしい。
ここは、とある観光都市の中心駅そばにある案内所。
いろんな人たちが、当たり前のように行きかっているのを見ながら、私は観光客と応対をしていた。
時には日本語で、時には英語で。
さらには、フランス語、ロシア語、スペイン語で案内をすることもある。
中国語などの他の言語の場合は、別の人に頼むこともあるが、たいがいは私が案内する。
そして、みんな笑顔で案内所を離れて行く。
私は、そんな時にこの仕事で良かったと思うのだ。
それは、彼らにとっても一期一会の出会いに感謝しているからだと、私は信じてる。