HANA
黒い頑丈な幹に支えられながら
まるで獲物を掴もうとするかのように伸び上がる枝たち
そこに芽吹いた蕾へ
開花の時を知らせる太陽からの号令
歓声がわき上がるが如く
花たちは止めどなく咲き乱れ
その衝動はそのまま
次の季節へと駆けていく
散りゆく自らの宿命に
未練など微塵も持つことなく
抑えきれず欲するものは
ただひたすらに明日を臨むこと
生まれながらに唱えられた
その性に従い・・・
ときに抗い・・・
繰り返しまわりゆく空の下
今日もここにて命を放たん