と も だ ち
『あのね、私には幼馴染がいるの。あなたも知っているでしょう?その人は何でもできる人なの。
頭もいいし運動もできるし。その上歌も上手いのよ。え、私?私はすごく音痴よ。
頭は実はそれなりにいいの。だけど彼女と比べたら全然。運動はねー…
そうそう、私と彼女は同じ部活に入っていたのよ。お互いに中学から始めたの。』
(何のスポーツだい?)
『ふふ、剣道なの。意外でしょ。あぁ、もちろん彼女のほうが断然強かったわ。背も高いしね。確か彼女、中学から一度もレギュラー落ちしたことないわ。ん?また私?私は中学の初めと高校の最初は補欠だったわ。後はレギュラーよ。え?意外?もう、失礼しちゃう。でもね、聞いて。最後の大会で私補欠と代えられたの。あぁ、中学の時だけどね。だから悔しくて高校では必死に頑張ったわ。』
(彼女より強くなった?)
『ううん。駄目だった。さっきも言ったけれど、最初は補欠だったし。すごく悔しかった。補欠だといまいちチームの一員って感じがしないのよね。一緒に喜べないし、泣けないし。あれ、私だけかな?』
(最後の大会はどうだったの?)
『結構な成績だったわよ。そりゃそうよ、3年間ほとんど休まず練習してたんだから。あ、でもそれにしては大したことない結果だったのかも。え?まさかまさか。全国優勝は愚か、全国大会にすら行ってないわ。でも私たちの高校にしてはかなりの快挙だったの。そうそう、その最後の試合、私のお母さんが見に来てくれたの。わざわざ仕事を休んで。それでね、家に帰って来て最初の言葉、何だったと思う?』
(さあ。何だったんだい?)
『〝あのあんたの友達の子、強いわねー〟って。もう笑うしかないでしょ。私だって珍しく活躍したのよ。それなのにそこから延々と彼女のことを褒めるの。あれー私は?ってね。』
(君にだって勝てるところはあるさ。)
『ええ。あるの。それはね、身も蓋もないかもしれないけど、容姿。彼女あんまり可愛くないもの。
しかもね、おもしろいことに彼女の好きな人にこぞって告白されるの。私の歴代の彼氏、ほとんど彼女の片思いの相手よ。しょうがないじゃない、好かれちゃうんだから。』
(もしかして、僕も?)
『正解。彼女、きっとまだあなたのこと好きよ。』
(本当かい?でも僕は君が好きだからなあ。あの子はちょっと無理かな。)
『ふふふ。私はあなたのことなんて全然好きじゃないけどね。』
(どういうこと?)
『彼女が憎いから彼女に嫌な思いさせるために付き合ってるだけよ。あの女、強がっておめでとう、なんて言っちゃって。気持ち悪いわ。』
この会話を聞いたから。
「だから私はあいつと可哀想なあの人を殺したの。」
意味わかったでしょうか?
何分文章力、表現力、構成力が稚拙なもので。
感想など頂けると有難いです。