プロローグ
やってしまいました
それについてはまたあとで…
私は小刀を取り出し、正面に構える。
この土砂降りの雨で”異能力”はつかえない。
足場がぬかるみ、滑りやすい。そんな状態で使ったら結果が手に取るようにわかる。
数週間前にはこうなるなんて誰が想像しただろうか。
―――左で泥まみれの先輩は想像していたのか。
―――今頃こちらの様子を心配して見る発明家は想像していたのか。
―――いや思わないだろうなぁ。背中を合わせる友人もそんなこと考えてなかっただろうに。”異能力”で作った刀を握り、周囲に目を向けているよ。
私も負けてられないなぁ。頑張らなくちゃなぁ。そう思う気持ちが小刀の握る力を強めていく。
「さて、習ってきたことは少ないけど。できることを全力でやるしかないよね。」
やはり経験というのは大事だな。泥まみれの先輩は転びながらもなんとかしている。何とか周りの被害を抑えようとしている。自衛しかできていない私たちとは大違いだ。
「アァ。楽しいネェ。ハッハッハッハー!」
高笑いするこの暴風の主を私は睨む。考える時間は終わりだ。少ない学びの中振りぬいてきた小刀に力を籠める。踏みしめる足の力を強める。さぁ、転ぼうが滑ろうが関係ない。あいつの顔面に叩き込められたらそれでいい。
立った前に踏み出し振り下ろす。そんな型を丁寧に先輩は教えてくれた。
「”異能力:健脚”ッ!!!」
前に踏み出す足が、速度を上げる足が、ぬかるむ大地をもろともせず前へと駆ける。
―――あぁ、驚く顔が見えるぜ、その顔真っ二つにするけどね!
風によって運ばれた板やら三角コーンを踏んで宙に浮かぶそいつに向かって跳躍する。そのまま構えた小刀を振り下ろすッ!
「夏風流”初風”!!!」
まずお読み頂き有難う御座います。
では衝撃の事実を一つ。
これ一部のプロローグにしようと思っていたのですがルビ振っているところは一部の時点で分かってんじゃんとなってしまいまして使うのならここ以外にないなぁと。
つまり、今から始まる序章とは関係がない…未来の話になってしまいました。
何でしょっぱなからこうなっているのか。
まあそれは、思いついていいなと思ったけど設定的に無理だけど無くすの惜しい。とかいう欲望のせいなんですけどね。
それでは次から序章が始まります。ぜひお楽しみください!
感想も自由にお願いいたします。




