【勝負】
タイトル『勝負?』
Side:麒麟・登場人物:蓮美+α♪
今日は、蓮美の誕生日。
高校生になっても、欲しい物が理解できない。
女性陣に選んでもらったプレゼントを渡し……無表情。
「ありがとうございます」
丁寧なお礼に、テンションが落ちる俺……
「蓮美?驚かそうと思ったんだけど……嬉しくない?」
あ、情けない質問をしてしまった。
それに対して、最高の笑顔を向けられ……心音が響く。
「嬉しいのですが、他にも……欲しいものがあるのです。お願いしても良いですか?」
首を傾げ、見つめる視線……
可愛い仕草に、裏があってもイヤだと言えないよね?
「……何?言ってみて……」
聞いてからじゃないと、何だか怖いな。
「勝負をして欲しいのです。」
勝負??
いつも、負けているのは俺だ。
蓮美には、強力な助っ人が居るし……思わず、校内なのに周りを見渡す。
「何の勝負?それが欲しい物って意味が分からないよ、説明してくれるかな?」
用心深い俺に、満足そうな口元の笑みを浮かべる。
ゾクリ……惚れた弱みを、容易に覆して冷静にする何か……
「麒麟に触れたいのです。いつも、触るのは麒麟なのですよ?」
……いつもってほど、触らせてもらってない。
これからって時に、必ず邪魔するんだ……ヤツが……
「良いよ。どうぞ、触れて。」
俺から触るんじゃなければ、文句を言わせないぞ……
こんな時間も貴重だしね。
「ふふ。頭を撫でて欲しいのです。」
……ん?俺から??
戸惑う俺に飛びつき、その勢いでお尻を地面に強打する。
抱き着いた状態で、すり寄せる頬……髪から甘い匂い。
密着する身体の柔らかさが伝わる。
嬉しさに促され、蓮美を抱き寄せ……望みの通り、頭を撫でた。
柔らかく、長い髪が揺れる。味わう幸せ……
このまま、ヤツが現れなければ……キスしたいなぁ~。もっと触りたい。
手を胸の下に移動させると、ペチンッ……
小さな痛みに、蓮美と視線が合う。
「駄目なのですよ!今日は、私のお願いを聞いてください。」
なるほど、言いたいことが分かった気がする。
「次は、どうするの?このまま、頭を撫で続ければいい?」
横髪をすいた手に、頬をすり寄せ……流し目。
ゾクリッ
色香が目に見えるようだ
この視線に、この雰囲気に狂わされるんだ……欲望が膨らんでいく。
焦らされて、我慢が出来なくなる……
「キス、したいのです。」
え?
目を見開いた状態の俺に、軽いキスを落とす……何度も。
自分の顔が赤く、熱くなるのを自覚し……急かされるように手を蓮美の頬に当てる。
「ダメ……ですよ。」
俺の手に、そっと手を重ね……熱を伝える視線で“待て”と言う。
角度を変え、重ねるだけのキス。
蓮美は目を閉じて、唇で軽く触れ……繰り返す。
蓮美は、こんなキスを望んでいたのだろうか……俺は……タリナイ。
蓮美の焦らす“ダメ”も“待て”も面倒くさくなってきた……
「蓮美、いい加減に煽るのを止めないと……舌……突っ込むよ?」
我慢の限界!
上から受けていたキスに、蓮美の後頭部を押さえ……
自分の唇を押し当てながら、体勢を変える。
蓮美に覆いかぶさり、柔らかい唇に舌を這わす。
そっと、受け入れるように開いた唇……蓮美の視線も、受け入れ状態……
目を閉じ気味に、火照る頬……甘い唇を味わいたい……イタダキマス!
【ガゴンッ】
「この鬼畜がぁ!!!!」
タイトル『我慢勝負』Side:麒麟・登場人物:蓮美
唯一のくつろげる時間は、お昼休み。
それも、いつ邪魔が入るのか周りを警戒しながらだけれど。
「麒麟、ちょっとチャレンジしたコレを食べてみてください。」
蓮美は、お弁当とは別の容器で、保冷剤を乗せたまま俺の前に置いた。
何だろうか、嫌な予感。
フタを開けて絶句……中身は見たことのない色と匂いの物体。
蓮美はソレをスプーンですくって、俺の口もとに運ぶ。
「あ~ん、して?」
いつもは無表情なのに、こんな時だけ卑怯な最高の笑顔。
俺は顔が緩んで、冷えたソレを口に入れた。
舌の上に広がる複雑な味。甘いけど苦く、美味しいようで……呑み込めないような触感。
「くすす、呑み込んでください。大丈夫ですよ……口に入れただけで、効き目は抜群です。」
……効き目?また、何を入れたの??
しかし、口内の熱で溶けたソレが喉を通らない。
呑み込むのを躊躇する自分の体は、何かを訴えて、正直だ。
「ふふ。ね、呑み込んで。私にも、その味をください。」
口を押えた俺に、小悪魔が囁く。
【チュッ】
頬にキスを落とし、流し目で様子を見ながら……
俺を煽るように体に抱き着いてくる。
何の罠だ?
「麒麟?呑み込まなくても、身体に染み込みます……もっと、いりますか?求めてください……」
グルグルと、甘い言葉が誘惑するように思考を乱す。
蓮美の言ったとおり、口にあったソレは口の中から消えた。
ゴクン。呑み込んだのは自分の唾液だと思うのに、めまいが生じる。
「麒麟、もっと食べますか?」
蓮美は容器をかき混ぜ、スプーンですくって自分の口に入れる。
液体に近いソレをモグモグ、口を動かしてゴクン。
あれ?何か、術が施されているんじゃないのか?
慣れれば、食べられるモノなのかな。
俺の視線に、スプーンを近づけた。
思わず、口を開けてしまう自分……
口の中の触感が、更に変化した物体(液体)に戸惑い、思わず吐き出しそうになった。
喉の奥に絡むような粘り……何だ、コレ!
さっきのと本当に同じ物なのか?
目を白黒させ、口を押えようとする手を、蓮美は抱き着いて邪魔をする。
な?
俺の頬に手を添え、口の端に軽いキス。唇に沿う舌。
目を見開き、口の中も忘れそうになる蓮美の色香。
手が頬から耳を撫で、首筋を滑る。手の動きに合わせて、キスを落としていく。
唇から顎、喉へ……
自然と上向きに、蓮美の愛撫を受け入れ……時間と甘さを味わう。
【ガプッ】蓮美が喉元を甘噛み。
「っ!……げほっ。」
俺はビックリした拍子に、口内のソレを呑み込んでしまう。
俺の上から見おろしながら、満足な笑みを見せる。
【ゾクリ】
何だ、この寒気!
「ふふふ……食べちゃいましたね。くすす。これで、もう……麒麟は……」
俺は、何でしょう?
「蓮美、何があるの?君も、食べたよね?」
蓮美は視線を上目にして、俺の質問に答えない。
目を閉じ気味に顔を近づけ、下からのキスを繰り返す。
こうやって、聞いておけばよかったと後悔したことは数えきれない。
耐えろ、俺……珍しい邪魔のないイチャ甘に負けては駄目だ!
堪えるんだ……俺!蓮美の煽りに、邪魔者を願う日が来るとは思わない。
「……感じてください……」
小さな声で、初めての蓮美からの舌の挿入……
感動と嬉しさと、涙が出そうなほどの幸福感。
蓮美の唇と舌の柔らかさ……先ほどまで、言い表せなかった味覚が口内で変化を始める。
味わった事のない甘さの激変に、刺激される身体。
急かすような熱の上昇……プチッ……
押し倒したところまでは記憶にある。
意識の戻った俺は、横で目を覚ますのを待った連歌くんの殺気を感知して、寝たふりを続けた……




