【微笑】⑧大人な夜……
「異議有り!!」
「……あの、連歌……仕事のノリで、何??」
そう、連歌のお仕事は弁護士です。
ただ今、小鹿とは結婚して一緒に住んでいます。
子供の蓮美は小5。
「小鹿、色気のないジーパン。どこで買ったのですか?」
「……いいでしょ、別に!いつもいつも、スカートに手を入れて……うっうぅ……少しは、動きやすいのが……うっく……」
小鹿の感情が限界でしょうか。泣いてます。……多分、逆効果ですね。
「小鹿……」
連歌は小鹿を優しく抱きしめますが、片手は服の中に滑ります。
「……て、手!……酷い。泣いてるの……にっ……んん……」
キスで、唇が塞がれましたね。
「はぁ……興奮します。ね、もっと……泣いて。苦しそうな顔を見せてください。」
あぁ、どS のスイッチが入ったかな?
「……んっ……や、ダメ……まだ、片付け……がっ……」
「聞こえません。はぁ……小鹿……ん?可愛い下着も、どうして身につけていないのかな?」
「……うぅ~~、面積が少ないから!!うっ……ぐすっ……掃除とかしてたら……ばかぁ~~!!」
「そう。じゃぁ……いいですよ。買ってあげます。普通の下着……お願いしてみてください。」「え……?」
「何枚欲しいか……ね、言って。ほら……気が変わりますよ?くすくすくす……それとも、身に着けず過ごしますか?俺は、どちらでも構いません。ふふ……家のことは、別の人に任せてもいい。俺だけのものでいてくれれば……小鹿、さぁ……どうしますか?」
「……嫌い……別れる!!実家に、帰る!」
「逃がしません。ふふ……可愛い顔だ……もっと……」
「放せ!!もう、怒った。蓮美を連れて、出て行く!!」
「……小鹿、言葉……直ってなかったのですか?それとも、心に……まだ、あいつがいるのですか?」
あれ、変なスイッチが入った??今度は嫉妬でしょうか。
「違っ……んんん~~?!」
少し、激しいので実況は出来ません。
「……小鹿、愛しています。俺の心は、あなただけです。小鹿は?」
「私も、連歌だけ……勝手にお金、使ってごめんね。」
「いいのです。もっと、わがままに……使ってもいい。甘えた言葉も聞きたい……」
「……連歌……下着、買って……欲しいの。」
素直なお願いに、連歌の何かが切れました。
ま、こんな感じの甘い?夜。
蓮美は、決まった時間に寝てしまいますので……
二人の夜は……悪魔が嬉しく微笑んだ感じかな?
Side:小鹿・登場人物:連歌
注意:ちょっとだけコスプレかな?
数日の資料作りで自室に閉じこもっていた連歌が、学園からの呼び出しで出かけた。
すぐに戻ると言っていたけど、大丈夫なのだろうか。
学生の頃には感じなかった大きな学園の力が、気分を不快にさせる。
連歌は何も言わないし……
仕事優先なのは許せるけど、私より学園なの?悔しいな……
書斎は空気の悪さの中、連歌の匂いで満ちていて身に包まれるようだ。
うわあ、ヤバい……っ!欲求不満じゃないわよ?
何にムキになるのか、顔が熱い。
窓際に早足で行き、窓を開けた。
【ビュッ】
「わぷっ」
突風に片目を閉じ、ガラスに映る白い紙の乱舞に思考停止。
そっと窓を閉めて、恐る恐る振り返る。
机の上には、書類の束が散って……床にも一面に広がっていた。
順番は分からないけど、集めるのに必死。
【ガチャ】【グシャ】……
ドアが開いて、近辺にあった書類を巻き込んだ音。
顔を上げると、ドアを開けて部屋を見つめる連歌の姿。
「……うぅ……ご、ごめんなさい!」
どうしよう……怒ってるよね?仕事中は、入るなと何度も言われた。それを……
書類がバラバラだし、何枚か駄目になってる。
黙々と集める二人。連歌が近づいて、私の集めた書類に手を伸ばす。無言……
渡しながら、耐えられず視線を落として目を合わせられなかった。
連歌は受け取った書類を机に置き、近づいて私を抱き寄せる。
……!?
「小鹿、今から俺は書類を整理します。一時間もかからないでしょう。」
低い声が、心臓に悪い……怒ってるんだよね?
身を固くし、顔を逸らして目を閉じたまま、耳を傾ける。
連歌の手が、スカートの上から太ももに触れて上へと際どい所まで撫でる。
慌てて足を閉じた私の耳を、連歌は甘噛み。
「なぁ!?」
……まさか……?
「抵抗するのですか?おかしいですね、今日の小鹿が俺を拒めるなんて……悪い事をしたと、思っていないのでしょうか。」
チクチクとした嫌味。
反省はしているし、悪い事をしたと思っている。だけど、ソレとコレとは……
そんな反論など、当然できるはずもなく。
「小鹿、時間制限内に謝罪の態度を決めてくれますよね?」
足で挟んだ手は器用に指を動かし続け、もう片方の手は胸を包むようにして撫でる。
視線を合わせようと、連歌の顔を覗く。
すると熱を帯びた視線を返し、ニッコリ笑顔を見せて両手を私の肩に置いた。
方向を変換させて、ドアの方へと押して行き……追い出されてしまう。
ドアは静かに閉鎖。
部屋の前にしゃがんで、頭を抱える。
謝罪の態度?足や胸を撫で、耳を甘噛みして……私に求めるモノ。
って、何でしょう!?つまり、久々のイチャlove……
私から?何をすれば、許してくれるのか。
頭が働かず、フラフラと立ち上がって寝室に向かう。
1時間もかからないと言っていた。
そうだ、仕事の邪魔をしたのは確か。余計な作業が増えたのも事実……です。
連歌は私を追いつめるのが好きだけど、無理矢理や私の許容できない物は強要しない。
そんな私の“許容”できなかったもの……
クローゼットを開き、紙袋を取り出して中身を並べる。
まずは総レースの下着……夜の暗がりなら、許容範囲内。
身に着けたところを想像する。
……うん?色気も何もないような気がする。ダメ出しか……?
次はフリフリのエプロン。
普段にも使えそうだけど、プレゼント時の『裸にコレを付けて下さい』が頭から離れず、仕舞い込んじゃったなぁ。
裸には抵抗があるけど、下着の上……これでいいんじゃないかな。あれ、私……毒されてきたのかな?
とりあえず、案には置いておこう!
次はミニスカのメイド服……男って、ホント……
これって、いつのだっけ?着れるのかな。服を脱いで着替えてみる。
胸下までボタンを留め……自分の谷間と、むっちりした太ももに赤面。
ダメだ、こんなの見せられない!
すぐさま脱いで、下着姿で床に座り込んだ。
テンションが落ちる……許して、連歌……もう駄目。
次の……って、コレ……何て言うんだっけ?ネット検索……
ボンテージ……ですか。両手で、指先に摘まんでソレを持ち上げて見上げた。
胸と胸の間、オヘソまで切れ目がありますね。繋ぎの鎖が交差して3か所ほど……
不安定そうですが、身に着ければ体のラインにピタリとしそうな生地。
はい、メイド服が無理な私にはハードルが高すぎます!
うぅ……もう、下着エプロンで、良いか。
透け透けの総レースに下着を変え、エプロンをつける。
鏡の前で正面から見ると違和感はない。クルリと回って、背中が見えた途端に現実に戻る。
そして、鏡の端に見える人影。
……え?
自分の体温が、下がったようで……今までの過程を見られていたのかと恥ずかしさの熱……
「この画像は、永久保存ですね。」
ぎゃぁ~~!
「連歌、いつから……?」
「小鹿が、この部屋に入ってからですが?」
最初からじゃない!
「書類の整理は?」
私の質問に、黒い笑みを見せた。
「くすくすくす……ね、小鹿……どうして窓を開けたのか教えて下さい。」
ぎくっ……連歌の匂いに反応したなんて言えない。
「空気が悪かったからだし……ごめんなさい!これで許して!」
何だか、良いように誤魔化されたような気もするけど……
連歌との時間が嬉しいのが正直なところ。
それを正直に言えるほど、可愛げもない。
「……ごめんね。」
「良いのですよ、それより……もっと、キスを下さい。」
甘える連歌が愛しく、私も素直になれる。
学園の用事は、私の想像を超えた事……いつか話してくれる?




