【邪】②
タイトル『キス』
Side:蛍兎・登場人物:美衣
弓道場には、見学の群れ……混雑な所は嫌いだと、少し離れた場所で待ち合わせ。
普段、待ち時間は魔方陣で隠れているくせに、無防備と言うか睡魔に負けて。
その隙に手を出そうとする奴を発見。
威嚇して、逃げる奴を追い……くすすっ……
「あの、ケイト?何を笑ってるの??」
俺を見ながら後ずさり、怪訝な顔の美衣。
「美衣ちゃん?また、無防備に寝ていたでしょ。」
俺の質問に、視線を逸らして口笛を吹く。
何の逃げなんだ?尖らせた口に、誘われるような欲望。
「それ、誘ってるの?」
手と腰を捕らえて引き寄せ、顔を近づけた。美衣は、目を閉じ気味に……
あれ?今日は、いい感じの日かな♪無防備には、お仕置きだと何度もした結果なのか?
思わず口元が緩み、目を閉じて俺を待つ美衣を見つめる。
可愛い……こんな無防備を、俺以外に見せてるんだよな。ちっ……もっと殴ればよかった。
あいつらの頭の中から、邪な妄想を消し去る様な痛みを加えて、後悔と恐怖を刻んでやりたい。
それにしても、この姿……携帯の待ち受けにしてやれ。
【パシャリ】
「……ん?」
美衣は眉間にシワを寄せて、そっと目を開けた。
じっと見つめる俺に、びっくりした顔で徐々に頬を染めて真っ赤。
可愛い!思わず笑みがもれる。
「自惚れるな!」
顔を背け、俺の顔を押し退けようと激しい抵抗。
意地悪するつもりなかったのにな。
抵抗に息を切らす美衣。やべ、抑えが利かない。
「美衣、キスがしたい。」
俺の視線と声に、美衣の抵抗が治まる。
そして、視線を逸らして膨れた顔で答えた。
「勝手にすれば?」
ツンと横向きで、顔を近づけた俺にイヤイヤと顔を振る。
急かす欲求に、我慢も限界で……あごに手を当てて上を向かせようとした。
【ガブリッ】
「痛っ……」
手を引いた俺に、ニヤリ顔。ざま~みろと生意気な眼が語る。
可愛げねえ!無理やりにでも、キスしてやろうじゃね~か。
意地になり、大人げなく力の加減もせずに美衣の顔を上に向かせようとした。
いつもと違う抵抗で、イヤイヤと首を振って涙目。
ムラァ……美衣の背が低くて、上に向かせないとキスは出来ない。
ちっ。苛立ちに勝てず、屈んで下から唇を重ねた。
「んっ、んん?んぅ~~!」
低い背で逃げ場のない美衣の口を、こじ開け……駆られた欲求を満たそうと求める。
いつもより熱い舌……溶け入りそうだ。
目を開け、美衣の表情を見たくて見上げた。
俺のキスに必死で応えるように、ぎゅっと閉じた目から涙が溢れて小さく光る。
愛しさで、胸を締め付けるように息苦しくなり、もっと求めたい欲求が芽生える。
美衣は、俺の腕に手を当てて力が入らず震えている。
【ガクンッ】急に、腕に重みが加わる。
「はぁ……っ……はっ……はぁ。」
美衣は色っぽい乱れた息で、頬はピンク色に染まって……潤んだ目。
ゾクンッ……
俺の腕の中、身を委ねるように……
「バカ!もう、もうぅ~~、その無駄な体力……一生、復活しないように呪いをかけるわよ?」
乱れた服で、悔しさと恥ずかしさなのか睨んで訴える。
散々、俺の好き勝手した後……
「ごめんなさい。それだけは、勘弁してください。」
美衣の前に正座して反省を見せるが、ご立腹のまま。
「ね、美衣……キス、したいな♪」
『放熱に溶けゆく』
『バレンタイン企画』狼達とチョコ♪【邪】の編集&補足短編。
視点:美衣・登場人物:蛍兎
家の玄関のドアを開けると、奴がいた。
「美衣……結婚してくれ!!」
……。
突然にやって来たと思えば……何を言うのやら。
まだ、蛍兎には黙っていた。お腹に子供がいる事……
まだ学生……けれど、どこか安心した。きっと、学園の役員情報で蛍兎は知ったのだろうから。
この野生的な男を愛し、命まで懸けたが……あの時、死んでいればよかったかな?
一族が絡むとなると、話は変わってくる。
私は隠れて生きてきた……今、魔力は未来の為に少し残った程度。垣間見る未来も、曖昧な情報……
逃げてはいられないけど、不安で堪らない……
この人は、私を受け入れてくれるだろうか?
「はぁ……一族が、私を見つけたの。婿養子になるなら、一族はあなたも迎えるらしいわ。蛍兎……今、親がいないけど、どうする?」
「喰う!!」
話し合いたいのに、あなたは……いつも、そう。いっそ、記憶を消そうか……
家に上げ、自分の部屋に招き入れる。
座った私の膝に、甘えるように頭をのせた。
「蛍兎……この子、力があるの。」
くるりとお腹の方に顔を向け、上目で私を見つめる。
何だか、カワイイけど……今は……
「ふふ。知ってた♪」
知っていた?
言葉の出ない私に満足な微笑み。
「美衣と再会して、すぐ……役員の推薦を受けた時から。」
……役員になった理由……
『まだ、ナイショ♪』
あの時には、この未来を知っていたの?
涙が込み上げ、蛍兎に落ちていく。
蛍兎は起き上がり、私の涙を拭った。額や目元……頬にキスを落として微笑む。
「へへっ。幸せだよ、俺。俺の役目……俺が、生きている意味。今、ここに……存在する。」
蛍兎は、お腹に手を当てた。
私を見つめる眼は熱を帯び、顔を近づける。
私は目を閉じ気味にしながら、蛍兎の唇を受け入れた。
うん……幸せだ。この人と、これからも生きて行こう……
唇が解放され、満足な笑みの蛍兎に抱きしめられる。
「学園の籠に、自由を望んだ君は……きっと、反対すると思った。だけど……この子の為に、俺がした選択なんだよ。」
「それで、役目を受け入れたの?どうして……」
言ってくれなかったのか……
「俺の愛は、重いんだよ。……例え、誰かの命を奪ったとしても……君の為に選んだ道。受けて……俺の愛……逃がさない……逃げられないようにしたんだ。」
「……ん。うん……ごめん……逃げないわ。垣間見る未来を護る為に……あなたと生きる。」
「俺と、結婚してください。」
「はい。」
『理由』視点:美衣・登場人物:ケイト
「美衣、どうして俺と結婚したの?」
……理由なんて決まっている。だけど、口に出すのが悔しい。
「知りたいなら、私に触れないで。」
「そ、ふふ……美衣?」
「……何?」
「愛している。今度は、男の子が欲しいな。」
「いるじゃない。女の子が好きで、サバイバルについて行く娘が。」
……
「海波は、どうして“ああ”なのかな?」
「知らない。」
『不思議』視点:ケイト・登場人物:美衣
「美衣、穂波が知らないって……」
娘の結婚式……本人が知らないと聞いた。
「あぁ、素直じゃないから強引にするみたいね。」
……美衣も、素直じゃない。
「美衣、学生のとき……嫉妬してくれたよね?」
「してないけど?」
しれっと、冷たい視線。素直じゃない……
「俺、“おおかみ”じゃないから浮気するかも。」
……ドキドキ。怒るかな?
「ふっ」
余裕の笑顔に、キュンとする俺……魔法かな??
新作を思いついたのですが……。ちょっと、遊んでいます。
登場人物……美衣が物語に影響!?
『忍者とネコと』……ファンタジー?だろうか??
「……え?俺?あはは!しゃべれるネコなんて、この世にいるかよ!!ふはっは……へ?ネコの姿になった理由?そうだなぁ~長くなるぜ……あれは……」
「てめぇ……誰の、どこを触ってんだ!!」
綺麗系の女子高生のおしり……ちょっと、触っただけなのにさぁ~。
くふふ……柔らかくて、良い匂いがしたよ~~ぐふふ。
「……自業自得じゃね?てか……その女子高生が、魔法を??」
「多分ねぇ~~」
……お察しの通り、美衣です!!
魔法を解くために、美衣は……現れません!解く方法は、王道ですよね……きっと♪
アクション系かな……?忍者ものですが、美衣が出るぐらいの現代でのコメディ?
【堕女神】に似た……お遊びだと思います。この話、いつか書くかな??




