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C【派生シリーズ】邪  作者: 邑 紫貴
11孫おおかみ達は彼女と戯れる

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⑤許容の彼女


太西学園の中等部へ入学。

聖城まさき 白狐しらく

双子の妹 澪美れみは、クラスが分かれてしまった。

……大丈夫だろうか?ま、なにかあれば……不本意だけどりくが何とかするだろう。

イチャイチャは赦さない……邪魔してやるんだ!

俺の相手は見つからないまま……澪美は、陸と最近……くっそ!!

妹の幸せを願うなら……しかし、陸のゆるんだ顔が許せない……ブツブツ……

「白狐君、おはよう!」

「おはよう♪」

可愛い女の子たちは好きだ。

けど、相手だと思わないのは……呪いの解放の所為?

呪いの時は、相手以外の顔の基準が分からなかったらしいし?

相手かぁ~……当然、欲しい。

願って焦がれる……義務のように。解放されながらも、望むのは……


席を探す俺の目に、サラサラの……

近づいて、抱きしめる。

「可愛いぃ~~~~♪♪」

毛並に顔を、すり寄せる。

【ふわっ】

良い匂いした。

「ちょっと、私に気安く触んじゃないわよ……」

テンションの低い声。

「何、君は何なの?」

「はぁ~~。見て、分からないの?キツネよ。」

深いため息で、切れ長の美しい目が俺を睨む……。

嘘つきだ!

「きゃはは♪面白いね!君は、俺のモノだよ!!」

俺の中の何かが反応する。多分……相手?

肉球で、俺を押し退けようとする君は、椅子に座った狼。

声は、女の子。匂いも……雰囲気も……

放してやらない。逃がさない……手に入れてやる。

「あなた、血筋よね。知らないの?離れて……モノって……!?」

嘘つきな彼女は、俺の本質を一瞬で見抜いた。

ゾクゾクする……呪いから解かれても、俺たちは異世界の何かを受け継いでいる。

昔、昔の呪いの物語……解放された俺たちが得るものは……何だろう?

俺の抱きしめる腕から、何かを感じ取って逃げた……

【スルリ】

サラサラの毛並の所為?逃げるのが上手いのかな?

俺が下手くそなのか……?

「何よ……見てんじゃないわよ。」

今まで、そんな警戒をしてきたのかな。

「訊いてもいい?」

「テンションの高いのは、お断りよ……」

「それ、裸なんだよね?」

……。

「……っ……~~~~っっつつ!!死ね!!」

狼の姿なのに、表情が分かる……

ふふっ。俺の相手……

「名前を教えてよ。」

「出欠で知ればいいわ。」

「聴きたい。君の声で……」

「……はっ、恥ずかしいセリフを平気で!!?」

恥ずかしい??

顔を背け、周りをうかがう……

その姿は、自分から望んでしているんじゃないんだ……呪いでもない。異世界の……?

「名前を教えてくれないなら、俺が名前を付けちゃうよ?」

家で飼いたい……無神経な言葉が出てしまいそうだ。

君の感情を乱しても、かかわりを多くしたい……

かまって……俺を見て?

「……大賀美おおがみ 芹奈せりな

大上おおがみ?」

言葉では、理解できなかったが……クラス名簿で大賀美なのだと知る。

結南ゆひみなみの理事長と同じ名前……血筋……?

大上家と同じ……解放された呪いの家系。

「ついてこないで。」

振り返らずに、吐き捨てる言葉は小さくて冷たい。

「どうして?芹菜……俺の相手だよね?」

「違うわよ。あなたには、幾らでも可愛い女の子が周りにいる。私を追い詰める気?」

女の子の嫉妬……恐れるのは、何故かな。

男だからかな……?あまり理解できないや。

「俺は、出来れば追い詰めたい。俺の事で、頭がいっぱいになればいい。君の中を独占してるってことだろ?」

「頭、おかしいの?」

「俺も、こんな自分を知らなかったよ。君が狂わせたんだ……ね、どうしたら俺のモノになる?触れても良い?どれだけ、踏み込めばいい?どこまで許してくれる?」

「何も赦さないわ!」

ずっと、歩き続け……視線を合わせずに会話していた俺達。

振り返って、俺を睨む視線は冷たくも鋭くもない。

ただ……悲しみの色を見せる。

試してみたい……自惚れだろうか?

俺は、強引に芹菜を抱きかかえて移動する。

任務で使用されていない空き部屋は、把握している。

「な!?なっ、何するのよ。放しなさいよ!!下ろして!」

抵抗するが、逃がさない。

鋭い爪も、俺に食い込むことはない。

ただ、軽い爪痕が俺に刻まれる。

愛しい……傷つけない……俺だからだと思ってしまいたい。

君がいけないんだよ?他の男に、そんな優しさを示したら……赦さないからね?


一番近い空きの教室へ入り、鍵を閉める。

狼の手(足?)では、鍵は開けられない。逃げ場を封じてやるんだ。

俺は、そっと芹菜を床に下す。

距離をとる芹菜……

「ね、芹菜?一度でいい……君を抱きしめたい。」

「さっき、抱きしめたでしょう?私に、係わらないで!目立ちたくない……私の姿は……呪いじゃない。異世界の本来の能力……あなたの家系とは違う。私に相手は関係ない。あなた達も……」

「呪いから解放されたよ。だから?俺は自分で、君を相手に選んだ……駄目?」

「ダメよ!私は、あなたを受け入れない。私の心は誰にも渡さない。」

「関係ない。俺が求めるんだ。俺が欲しい。君を望む……試したい。抱きしめ、触れる感覚は真実を伝えないだろうか?」

「……良いわ。一度だけ……それ以上、私に触れないと誓って。かかわりを拒否し続ける……それを、覚えておいて。」

「分かった。誓うよ……一度だけ……抱きしめる時間を頂戴。」

俺は近づき、かがんで視線を合わせる。君を見つめ……

芹菜は視線を逸らすように、顔を背けた。

「……抱きにくいから、正面を向いてくれるかな?」

俺の言葉に、芹菜は視線を戻し……戸惑いに目を閉じた。

チャ~ンス♪

【ちゅっ】

呪いの解放は、キスだと定番が決まっている。

試してみる価値はあった……芹菜の体を、淡い青色の光が包んでいく。

「な、今……何を!?」

自分の変化に、気が付かないってことは……これが初めてなのかな?

「良い眺め♪」

長い髪が、胸元を覆っている。

女性の裸……白い肌が眩しい……

芹菜は俺の視線で、自分の体に目を落とす。

「……~~~~っッツ!!?!!??!」

体を両腕で隠し、顔を真っ赤に言葉が出ない感じ。

「ね、俺が相手だからかな?くふふ……これじゃ、諦められないね♪」

制服の上着を着せ、そのまま抱きしめる。

抵抗すれば、肌が見えるだろう。

「卑怯だ。どうして……知っていたの?私も誰も知らない……父は、コントロールが出来た。異世界では、当たり前の人型への変化は……うわぁあわぁ~~~~??違う!相手じゃない!!違うもん!認めない!!」

俺の腕の中、暴れる芹菜の良い匂いがあふれ……俺を包む。

愛しい……何かが満たされる。

「芹菜?俺には、どうでも良いことだよ?だって、俺は君を選んだのだから……逃がさない。このまま奪っても良いかな?」

「何を??これ以上……嫌だ!!うわぁあぁあぁ~~、戻る!狼に!恥ずかしい……この姿の方が、恥ずかしい!!」

必死で、身体を動かし……

【ぽむっ】……変な効果音と共に、狼の姿に戻った。

「……コントロール……出来た?」

「くすくすくす……効き目が切れたのかもよ?」

俺の近づける顔に、肉球。

「や、約束したよね!もう、私に触れないって!!」

「そんなの、嘘に決まってんじゃん♪」

「なぁ??」

「だって、チュウした後抱きしめたけど……逃げなかったよね?」

「……あ、れは……ひ、卑怯者ぉ~~~~!!嫌い!大っ嫌い!!」

「ふふ……俺は好き。俺の相手……俺の対。ね、こんな俺を知っているのは芹菜だけなんだよ?ね……俺を受け入れて?」

「嫌だ!!」


【ガチャっ】

「こぉ~ら、白狐。私用で、組織の情報を使うのは禁止だよ?」

鍵が開いて、聞こえる声は陸……

「ね、その後ろにいるのは澪美……じゃ、ないよね?」

「……え、ちょっ……違う。どうして??」

「陸の休憩に、私もつきあうのです。ね?触れてください……」

「陸ぅ~?サボりだけじゃなく……イチャイチャで……」

俺の隙をついて、素早く走り抜ける風……

「おっ!?」

「狼です……」

にっ……逃げられたぁ~~??

「ふふっ……くすくすくす……澪美、授業に戻りなさい。お兄ちゃんは、陸とお話があるのです。」

「あまり、いじめないでくださいね?」

「ちょ、澪美??俺を置いていくの??イチャイチャ出来るなら……て、今は……うわぁあ~~ん、ごめん~~~~!!」

「許すわけないだろ?人型にならない限り、逃げ道がないようにしてたのに!!俺のお楽しみを……俺の存在を刻んでいたのに……」

チャンスが~~!




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