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C【派生シリーズ】邪  作者: 邑 紫貴
1邪

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エンディング!!


蛍兎、安心していた?

カピの魔法で、この部屋では私が普通の女の子だと。

幸せそうに……私を抱きしめたまま寝ている。あなたは、何の夢を見た?

夢は……覚める。もう少し、“一緒”にいられると思っていたのに……。

蛍兎……ケイト、あなたは元の世界に帰ってね……。

エンディングは見せてあげるわ。すべて話せないけど……その目で、見て欲しい。

「美衣様、行かれるのですか?」

「えぇ。カピ、幸せな夢を見たわ。ありがとう……。後は、すべて任せるわ。時まで、男……ビエの姿で旅を続けなさい。行き先は、分かるわね?」

「はい。ケイト様の記憶は、美衣様が消されますか?」

「そうね……。これが、あなたに触れる最後。あなたの心は返す……あなたとは、一緒に死なない……さようなら……蛍兎。」


私は、一人……旅に出る。

魔王の城に。馬で走れば、一日で着くだろう……。

最後の魔法一つを携えて……。


少し、ケイトが見るエンディングを語るわ。

一緒にいるビエは、カピだと思って聴いて頂戴。

あの子も、私の精神。あの子を通して、ケイトのそばにいられるなら……それも、私の幸せ。

今日、一日ですべて……片付くかしら?

さ、聴いて頂戴……





「ケイト、いつまで寝てるんだ!!置いていくぞ!」

ビエが叫ぶ。

「ふぇ?!!」

ふふっ。面白い声ね……。

「……え、あれ……?俺、裸で寝てた?」

そうね……しょうがないわ……

「覚えてないのか?魔物を倒した後、祝いにご馳走食べて……酒を飲んだじゃないか!」

『未成年の飲酒は禁止。ここでは、飲んでおりません♪』

「マジ?記憶がない。」

消したからね……


朝食を取り、ビエたちは馬に乗って出かける。

ビエは、ケイトに行き先と目的を伝えた。

嬉しそうなケイト。

行って、この世界を救うために。

この世界で戦う人たちを……この世界の未来を信じ、希望を見つめる者たちを……

私の代わりに……見て欲しい。

すべて、あなたのため……。あなたが、元の世界に帰るために。

約束するわ……必ずあなたを帰すと……



着いた国は、隣国。

魔法の鏡を、アサヒ(魔物)が王妃……に渡した国だ。

覚えているだろうか。ここは“白雪”の国。

アサヒは、私たちが最初に行った王国の姫に成り済まし、この隣国の王妃に鏡を渡した。

自分の正体を隠すために、美しさに固執する魔物に鏡を譲った。

そう王妃も魔物。これから戦争があるのは、この国。

だから、白雪は森に逃がした。

魔物から命を狙われるようにして……。

そして、あの準備された家で……ランスを待つ。

生れた運命の子供を狙ったのも、今から戦う魔物。

鏡は、正直だ……。生れたばかりだが、美しい女になる。

……役目があるからね……。

生れたばかりの子供の命まで狙うとは思いもしなかった。

……焦ったが、準備のためにあの国には寄るつもりだった。

予定外は……いや、いい。

戦の相手は、“シンデレラ”の国だ。

彼女には、この国と戦う準備をしてもらっていた。

実際には、戦わない。その素振りだけだ。

“シンデレラ”……君は、周りとも戦っただろう。

王子は、助けてくれただろうか?

ここまで来たんだ。支えてくれたのだろう。


ランスに持たせた水晶球が、すべてを解決する。

君はビエたちの少し前に、ここに来た。

戦にならないよう、話し合いをするという名目で。

ランスは、王の元に帰っただろうか?

迷わず帰ってくれるのを願う。あなたは、勇者……だけど魔王と戦わない。

命を失っては、未来はない……。

国を支えるには、王が必要……後継者も。

あなたは、姫を失った王の養子になり……白雪と結婚し隣国も治める。

いずれ、その国を継ぐのは2人の子。


ビエたちは、魔物の化けた王妃のいる部屋に通される。

そこには、“シンデレラ”がいた。

ビエの魔法で、魔物は正体を現した。

魔物の目的は、“シンデレラ”をこの世界から消すことだった。

綺麗な彼女を消したくて、国を操るなんて……。

魔王は、世界を手に入れるためにその魔物を利用した。

でも、彼女もまた……国の後継者を生まないといけない一人。

鏡は、魔力を加えられ“シンデレラ”を閉じ込めた。

ケイトは、剣で攻撃するが跳ね返る。

……無理しないで。そのために準備したの。

彼女のその手には、ランスに託した水晶球があった。

私の指示通り……中から鏡板に投げる。

水晶球は、吸い込まれるけど……安心していい。私の魔法が発動するから……。

【鏡よ、閉じ込めたものを解放し……彼女を守って……。】

鏡が割れた。彼女は解放され、魔方陣が身を護る。

カピ、力加減を間違えたら……承知しないわよ?

魔物は当然、倒す。

そして、ケイトを元の世界に戻す力と……そこでの生活の基礎を据える力を残すのよ!

「はい……。抜かり無く!」

《 ★ “★★”※ 》室内バージョン稲妻と雹の攻撃!!

いい配分……。私の、帰る力を……使った。

『美衣……?!』


ケイト、エンディングを見れて良かったね。

……私は、もう……あなたを感じない。カピ、後はお願いね……。


ランスは、養子になり白雪を迎えに行った。(従者一人を連れて。)

王は、息子と娘を手に入れた。約束の通り。

白雪、信じてくれたかしら?

あなたは、隣国の姫になった。お父様を喪ったのは、残念だが……。

これからも、味方がたくさんいるよ。


“シンデレラ”……戦の話で、周りの批判もあっただろう。

現実は、どれほど苦しかっただろうか。よく我慢してくれた。ありがとう……。

大丈夫……君のことは、王に頼んである。この……大きくなった国との協定を。

大きな平和と安定をもたらし……苦しみが報われるだろう。

強く生きた祝福だ。幸せになれ……。


私の後継者。

あなたへの予言は……後。


私は、魔王の城に着いた。

門は、自然に開いて……攻撃をする魔物もいない。

私の魔力は……一つ。命が残るか……計算の出来ない魔法……。

『生きて帰ろう?美衣、幸せになろうよ……。ね?』

そうね、命があれば……あなたが元の世界に戻してくれる。

……秩序が……保っていれば。

『……美衣……未来を見ている?』

見ているわ。ケイトの幸せだけを……


自動で開く扉、灯されていく炎が……行く道を知らせる。

宝箱……無かったな。魔物も、お金なんて持っていないし。

ま~……王様が、全部準備してくれたし♪

向こうの世界を、自由に行き来していたから……不便は無かったわ。

ケイトの戻った世界の準備も……ある程度、出来た。

ケイトの身近に、可愛い幼馴染を準備した。幸せになってね……さようなら……


大きな扉が開く。

魔王……ゲイルのいる部屋。そこには、結界と同じ魔方陣がある。

やはり、もう一つ鍵がかかっていたんだ。

「来たわよ、ゲイル。」

「あぁ、待っていた。一人、ということは……期待してもいいのかい?」

「ふふっ。何を?くすくすくす……“マホモ・ゲイル・ターツィ”」

私は、名を呼んだ。

ゲイルの下に魔方陣が現れ、体を青白い光が包む。

ゲイルの魔力が安定する。邪悪な気配は無い……。

「ゲイル……あの結界は……あなた自身がかけたもの。あなたは、私を待っていた。」

……良かった……未来が……見える。

ケイト……一緒にいられるかな……?

「ゲイル……あなたに、一生の相手がいる。」

「あぁ……今、ようやっと……分かる。美衣。この苦しみから、解放して欲しい。俺は、未来を望む……」


ゲイルは、人だった……力を持った人間。

「将来……同じ力を持って生まれたあなたは、旅に出る。そこで、同じ力……魔法の使える者と出逢う。同じように旅に出る少女は、私の後継者……少ないけど、力の源を渡した。もう、私に魔力を作る能力は無い。必要ないだろう……。最後の力は、未来のために。今のあなたの存在を消さないといけない。」

「あぁ」

同じ力を持ったもの同士……支えあうといい。幸せになれ……。

良かった……命は残る。思った以上に……順調だった。

後は、最後の呪文を唱えるだけ……

「ゲイル……幸せになってね……」

「ありがとう……」

《 ★★★★★★ 》痛みは無いだろう。

最後の力……すべての……魔力。光と共に、ゲイルがこの世界から消えた。

未来に出逢う彼女のために……


「美衣!!危な……ぃ」

振り返る私に、血しぶき……真っ赤な血……ケイトの……血

「いやぁあ~~~!!」

「来るなぁ……」

ケイトの背中を突き通す剣……

「アサヒ……生きて……」

《 ホ……》呪文を唱えようとした瞬間……

ケイトが剣を構えアサヒの背中から……ケイトの背中に……剣が通る。

まるで、スローモーションのように……私の目の前で……

アサヒ……魔物は灰となって消え……

ケイトは、自分から剣を抜いて倒れこむ。

近づいて、抱きしめる。

嫌だ嫌……イヤだ!!

《 ☆ 》

《 ☆☆ 》

《 ☆☆☆☆☆☆ 》

呪文を繰り返すが……魔法は使えない。

「ケイト、ケイト!!ケイトぉ~~!!」

涙で、顔が……見えない。

「……はぁ……へへ。護れた……俺、このために……ここに……来た……」

「違う、違うわ!!カピ……カピィ~!!カピ……どこ、魔力は……カピ……」

「あいつ、俺をここに連れてきて……魔物を……全部倒した………ごめ……あいつ……消え……ちゃっ……た。」

「……最期に……キス……してもいい?」

「ふっ……激しいのを頼む。」

「……ふふっ。ばか……怒らないでね……?」

「……?待て……ん……」

魔女の血よ……お願い……

「?!……美衣、何をした?……赦さない……何のために俺は……美衣!!」

ケイトの声が遠くなる。

魔女の血は、自分の命と引き換えに……一度だけ……命の蘇生が出来る。

記憶を消すことも、魔力ではないから……呪文は要らない。

体に、血さえあれば出来る。

忘れて……ケイト……幸せになって……

私の代わりに、元の世界に……お願い……。

『「美衣!!」』




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