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C【派生シリーズ】邪  作者: 邑 紫貴
11孫おおかみ達は彼女と戯れる

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②束縛な彼女


私が望むのは、何だろう?束縛?求める何か?

答えは、あなたが持っているはずなのに……

私、松木まつのき 采麗さいりは、答えを探していた。


「おはよう……」

朝、台所で父がアイスを立ち食い。

「……采麗、食べるか?」

「食べる……」

家には、特大の冷凍庫が設置されている。

当然、中身はバニラアイス。色んな所から集めた、厳選のバニラばかり。

「ちょ、ちゃんとご飯を食べてからよ!!」

母は、いつものように注意する。

「「大丈夫、ちゃんとご飯も食べるから!!」」

いつものように、二人で返事を返す。

私は、父に似ているのかな……

「泉麗!あなたが、きちんとした食生活を……」

いつもの小言に……父は嬉しそうに、すり寄る。

「ちょ、子どもの前で……」

仲が良いのは、良いことだ……

「母さん、烏鏡ちゃんの……」

言葉は、続かない……

母は父に押し倒され、必死で抵抗中。

バニラが溶けている……

こんなに簡単に解ければいい。ふふ……ぐちゃぐちゃなのは、一緒かな?

最近、どうしていいか分からない……答えは、あるはずなの……必ず。


学園に、歩きながら空を見る。

青い空……呪いから解放された私たち……自由なはずなのに、その自由に戸惑う。

選べる相手……心は、反応する。相手か分からない人に……

選ぶ対……一生かも、不安に戸惑いながら。

……不安定な要素は、もう一つ。失った位置……

大切なものは、変わらないのに……姿を見せないと、何だかさみしい……

何かがあった。多分、喜ぶべきこと。


放課後、隠れるように現れた。

友達……大上おおがみ 麦穂むぎほ

罠だとも知らないで……可愛いわね、ほんと♪

「……ね、采麗……他には、誰もいない?」

「ふふ……誰を避けてるの?」

追いかけていたのが、嘘のように……逃げている。

近づいた麦穂……今日、初めて見る姿。

「あら?くすくすくす……ね、麦穂?その、首の絆創膏……なあに?」

意地悪に、訊いてみる。

「……蚊……蚊だよ!!うん、意外な季節にもいたもんだね!へへ?」

ぎこちない……

「あら?服の隙間から見える、赤い……」

【バッ】反応も早く、右の横腹を隠した。

……。

自分で見えないように厚着しているのを忘れていたのだろう。

そして、そこには……アレがあるんだ……

「ぷふふ……麦穂ちゃん?み・せ・て?」

顔を真っ赤に、首を振る……初めて見る反応……

女の子に、なってしまった。成長が嬉しいような、さみしいような……

「そっか、先に行ってしまったのか……」

「行ってない!!未遂……はっ!?」

あら、我慢できなくて登場かしら?

「そ、気絶しちゃうんだもん……初めての記憶は、大事でしょ?俺……我慢したんだよ?」

麦穂の腰に腕を回し、逃げ道を閉ざした。

首元に、指を滑らせ……上を向かせる。

私がいるのに、いちるんたら……大人になったのねぇ~~。“俺”だって……

首元に、口をつけ舌先で絆創膏をはがす。

「……んっ……やめ……」

「気づいてくれたんだ。俺の痕……ふふ……くすくすくす……」

あらあら、私と同類かしら?目覚めると、激しいわね……

彼も、同じなら嬉しいのに……

麦穂が、両手で必死に引き離そうと抵抗する。

余裕の一瑠いちる……

【パクッ】耳たぶを、唇で挟んだ。

力の抜けた麦穂……意外と、免疫はないのよね。

当たり前か……私たちは、中学生。

色気に目を回した麦穂を、一瑠は抱え直し、床に座る。

膝に横向きでのせ、頭を胸元にもたれさせる。額や目元……繰り返す優しいキス。

私の視線を、知りながら……

「采麗、倭は屋上に現れるよ……」

私は静かに席を立ち、廊下の方へと歩く。

「……ふふ……采麗は、素直だね♪」

足を止め、振り返らずに呟く。

「……素直……ね。だと、良いんだけど……」

一瑠の気配は、私の答えに笑った気がする。


歩き始めた足は、スピードが上がる。

知っている……女の子の呼び出し。誰かが、倭に告白するんだ。

神成かみなり やまと

落ち着いた雰囲気で、何でもこなす……未来有望な、学園の希望。

私は、あなたを好きなんだと思う……でも、何かが納得出来ない……

答えは、あなたが持っている?

屋上に、あなたがいた……そして、その前に涙を流す女の子。

「……松木さんが、好きなの?確かに、綺麗だけど……倭君にはふさわしくないわ!!」

その基準は何だろう?尋ねたら教えてくれるのかな?

「それを決めるのは、俺と采麗だけだよ。」

【ズキッ……】何故か、胸が痛い……

私の横を、女の子は走り抜ける。

「……采麗、この間は情報をありがとう。」

私は視線を逸らす……交換条件で、倭のキスをお願いした。

優しいキス……足りないの……

「交換条件なのに……」

小さな声も、あなたは逃さない。

「うん。君の愛情だと思うことにする……」

言葉が出ない……

苦しい。どうして?

「采麗……麦穂が愛情を示すように、俺にも示してほしい。」

「何の事?」

動悸が激しいのが、自分で分かる……

「……束縛でもいい……君の心が手に入るなら。」

「私の愛情が、あなたにあると?」

「……ああ。あると、信じたい……采麗、俺ではダメかな?」

駄目じゃない……けど、答えが……声が……

「采麗……」

ゆっくり、近づく気配に身が固くなる。

「来ないで!!……時間が欲しい……答えが出ないの。」

優しい倭……不安になるのは、どうすればいい?

「キス、してもいい?」

「……情報は、持っていないわ。」

「うん。触れたい……ただ、それではダメかな?」

卑怯だ……優しい言葉に、胸が熱くなる。

「勝手に、すればいいわ……」

【グイッ】

いきなり、手を強く引かれ唇に痛みがするほどのキス。

「……はっ……はぁ……」

倭の、今までに見たことのない眼。

「もっと、いい?舌、入れても……我慢できない。」

私の答えを待たずに、強引なキス。

舌が、熱く……私の口に入る。

「……っ……だ、め……」

押しのけようと、両手で抵抗するがビクともしない。

「……はぁ、はっ……采麗……好きだ。俺の心を捕らえ、束縛してるんだ。どうして、線を……ッ!!」

倭の苦しそうな表情……繰り返すキスが、優しく落ち着いていく……

なのに、触れる手が激しい。強く抱きしめ、背中に滑る手……

胸に触れ、力の入る手に……胸は受け入れるように沈む。

「……倭……違う。望んでいたけど……違うの!!」

私の声に、倭の動きが止まる。そして……

「ごめん」

屋上……倭は、泣きそうな沈んだ表情で……無理に笑った。

そして、そっと離れて……去った。

温もりが、まだあるような気がする。

風に、体温が奪われていくのに……受けた熱が、想いを焦がす。

素直?束縛?……私を引き留める想いは、何?

唇に、指で触れる。受けたキスを思い出し……

束縛されているのは、私だと……思う。

自分の身体を抱きしめる。強い力に、怖さ……それが、すぐに変わった愛しさへの感情。

味わった感覚……記憶に、酔う。

触れられた背中や胸……大きな手。きれいな手なのに、男の人だと感じた。

胸が熱い……自分の胸が、柔らかく……女なのだと実感する。

倭は、触れて……どう感じたのだろう?


「采麗、酷いよ!!私を、助けてくれないなんて……ぐすっ……可愛い一瑠は、どこにいったのかな?可愛がりたいのに、その隙を与えてくれないんだよ?くすん……」

屋上に、涙を零した麦穂が現れた。

言っていることが、何だか可愛い。

「麦穂……変化は、あなたの想いを何か変えた?」

麦穂は、不思議そうに首を傾げる。

「一瑠は、一瑠だよ。愛しさは変わらない。気持ちが追い付かないけど、好き。誰にも渡さない。心が私にあるなら、何だってする。」

「……出来てないけど?」

「うっ……応えきれない。母さんと同じだ……強引に、流される。父さんの腹黒も、愛情に溶けて白くなる……」

「ね、麦穂?私……綺麗?」

「うん!!最高に♪ふふ……本当に欲しい答えを、私は与えないよ?」

……腹黒だわ。やっぱり……ふふっ……

「嫌いじゃないけど?くっ……あなたも、束縛してあげる。私の愛情は、知っているでしょう?」

「ん……愛してるよ。一瑠の次に♪」

「知ってる……麦穂?いちるん、仕返しが可愛いわねぇ~。あなたの見えない首の後ろに、“名前”が刻んであるわよ?」

「……!!?!!??」


廊下で、倭は告白を受ける。

優しく振るあなたに、何人の心が束縛されたままなのか……

私の視線に、気づきながら……ゆっくり視線を、逸らして背を向ける。

【ズキッ】

自分が、倭に何をしたのか……傷つけた。分かっている……

止まる時ではない。前に、進むわ!

私は倭の後ろを追いかけ、手を握って引いた。

「ね……触れて。私に、答えを頂戴……」

倭は止まったまま、振り返らない。

「采麗……逃がさないよ?」

「ふっ……束縛するのは、私よ。」

倭は私の答えに耳まで真っ赤に染め、嬉しそうに笑う。

そして振り返り、私を見る。

愛しい……答えは、ここにあるんだ……

「こっち……空いた教室があるんだ。」

私の握る手に、倭の力が加わる……


「……ん……っ……やめ、まだ……そこは!!ダメだって……今日は、流されないから!……って、そこ……っ!!」

ドアの前で、二人の時間が止まった。

「……別、行こうか?」

「そうね……」

小さな声で、そっと……その場を離れる。

倭の足は、いつもより速くて……余裕がないように感じる。

しかし、あんな可愛い声……麦穂も、女の子なのね。

いちるん……どれだけ、激しいのかしら?

何だか……倭は二人の事、すべて知ってるんじゃないかな……って、思う。

「何を考えてるの?余裕なんだね……」

そうね、余裕のない表情の倭にゾクゾクするけど。

階段を上りきった行き止まり。少し薄暗いけど、綺麗に掃除されている。

「触れてもいい?」

「だめ、言葉を頂戴……」

「我慢が出来ない……キスして?我慢して、言葉をあげるよ?」

「嘘ね。余裕が……っ……」

キスを受け、壁に押されて……求めに、応えながら……

冷たい壁……床……触れる手……

「采麗……知ってる?俺の頭の中……」

「知らないわ。難しいことで、いっぱいなの?」

「幻滅するよ?今、君にしている以上を考える。でも……ふっ……現実は、そんな一部も想像以上で……言葉に出来ない。」

「囁いて……私に、束縛されている想いを教えて……」

私の唇に、親指を当てる。

「触れて、中に入る……柔らかい舌が、溶けるような熱をくれる。」

指が口に入り、舌に触れる。

「……ん……」

私の口から指を出し、舐めた。

【ドキッ】

色っぽい……男の人に、使うのはどうなんだろう?

「その目に、俺が映る……俺を狂わせる視線。」

目元に、キスを落とし……閉じた目のまぶたに舌を這わせる。

「手は、小さくて……白さに、誘われるように……首は、甘い匂いがするようで……」

手に指を滑らせ、腕を通り……肩、首へと移動する。

「……っ……はぁ……息が、出来ない……」

【チュッ】

「人工呼吸は、出来るよ?」

「……ふふ……余計に、苦しくなりそうだけど?」

「胸に、顔を……」

言っている途中で、恥ずかしくなったのか……視線を逸らした。

「今更、恥ずかしいの?」

「……意地悪だね。」

顔を真っ赤に、視線がぎこちない。

「可愛いわね……答えなんか、どうでもよくなるわ。おいでよ……」

私は、両手を差し伸べる。

「答えは、自分の中にあるものだよ……」

「そうね。答えはあった……じゃ、こんな時間もおしまいね♪」

両手を、肌蹴た服に移動して……ニヤリ。

私の意地悪な笑顔に、甘えるような表情と声。

「……ここ、行ってもいい?」

指で、胸の谷間をなぞる。

倭の視線に、体が熱い。

両手を、もう一度……倭に差し伸べながら……

「……束縛、する?それとも、される?」

「多分、君と同じ答え……」

束縛されることを望み……束縛することを求める。




END

5作の中で、進まないだろうな……と、予想通り?

采麗ちゃんが動いてくれなくて……かなり、停滞をしました。

動き出したら、倭が激しくて♪意外に、後半は順調でした。

孫おおかみ……子おおかみ以上に、暴走していますね。あはは!

よかったです……本当に。②が終わった!!

次は、小学生と先生♪……そう、【君は小学生?!】の孫です!!



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