おおかみ勝負になるか??
【勝負】
おおかみ勝負になるか??
聖城 麒麟。太西学園中等部3年。
……え?何故、麻生学園ではないのか?それは……
「麒麟、お昼ですよ♪」
蓮美が、この中学に編入したからです。
くすん……連歌君の意地悪。
「麒麟、口を開けてください。」
いや、いいんだよ?双葉とか、邪魔する人が減ったし……
だけど視線が痛いのは、どうしてかな??
「蓮美、あのさ……」
「嫌いですか?口移しですか?」
「へ?」
蓮美は口に卵焼きをはさみ、目を閉じた。
「いや、違……いませんよね♪」
肩に手を置いて、口にある卵焼きに噛みついた。
卵焼きを引いてみるけど動かない。
……あれ?もう一度、チャレンジ……蓮美??
目を薄っすら開け、また閉じた。
これは!?
戴きます!!卵焼きを口に入れ込み、蓮美の唇も味わう。
むふふ……美味しい。
「んっ……」
あっ、頬が赤い……可愛いなぁ~~。
口にある卵焼き、邪魔だなぁ~~。
【ゴクン……】
「……くすっ……」
もっと、キスを深くしようと思った俺を押し退け、無表情に……くすっ……
「あの、蓮美??」
「くすくすくす……」
また、無表情にくすくす……だ。
「食べましたね?」
「……うん。飲み込んだよ……?」
「ふふっ。呪いは、いつ効くのでしょう?」
……呪い……ですか??
「さ、次は何を食べますか?」
「……あの、蓮……むぐっ??」
口に、おかずが次々に入れられる。
必死で噛んで、呑み込んだ。
「……ご馳走様でした。」
「はい。」
最高の笑顔。
あぁ、押し倒したい!!いいかな?いいよね?
みんな、見てる気がするけど……
「蓮美!!」
蓮美の肩に手を置いたところまでは、記憶があるんだ。
くそう……
気がつけば、お昼休み終了の合図。
…………。
「ね、蓮美……訊きたいことが……」
「ダメです♪さ、授業ですよ?」
長い髪をなびかせ、後姿を見送る。
……あぁ、鵠華の後姿……大きくなった蓮美と似てるや。
汚いね……惹かれるのは、当然だよ。
後ろから抱きしめたい。振り返らないかな?
「……あ、麒麟?」
【ドキッ】
「……その効き目は、今晩です!」
他のおおかみも?①
双葉Side
「はぁ……はぁ……ふくくくく……。ね、いいかな?」
「……良いわけがあるか!こんなところに、追い込んで……手を出すなよ?双葉……変態みたいだぞ!」
「……ふっ。いい響き……興奮する。ね、もう一度訊くね?いいかな?」
「ダメだ!!私達は、付き合っていな……んんん~~??!んんっ……」
あぁ、幸せ……この唇も、舌も……言葉とは違って俺を拒絶しない♪
【バグッ】
「……ぐふっ……うぅ……痛い。」
俺の横腹に、パンチ……穂波は驚いた顔。
ま・さ・か!?
「……けっ。雑魚が!イチャついてんじゃねえぇ。」
機嫌の最悪な海波先輩だ。
「あの、先輩……ここ、中等部。高等部から、かなり離れた所ですけど??景彩は……」
「うるせぇえ!!」
何故か、正座をさせられる。
景彩は高等部一年。同じ麻生学園。海波先輩は二年で、同じ校舎でしょ??
こんなことが無いように、任務の合間に必死で探したんだよ?
邪魔されたくない俺の、この気持ちは……
「聞いてるのか、この腹黒め!」
「……あぁ、それは怒りますよ。男は、ブラありませんから……」
「何、人の心を読んでんだ!!畜生……景彩の水着なんて、ノーブラだろ??先生も、デレデレ……」
「……ん?まさか……」
本日の情報で、体育の先生一名が病院に運ばれたと……まさか??
【携帯のコール音】
「景彩だ!!……もしもし?うんうん……愛してる……景彩を誰にも見せたくないんだ。分かるだろ?」
……けっ!!やってられっか。
「穂波、教室に戻ろうぜ?」
「あぁ。姉さんのあの顔……ふふっ。可愛い……」
「俺は、穂波の方が可愛い……いつか、食べるから覚悟してね?」
「?!!」
他のおおかみも?②
一葉Side
「瑠璃……委員会は、終わったの?」
「えぇ……さ、帰りましょう?」
図書室で、勉強をしていた俺から遠く離れた場所で、小さな声。
…………。
そういえば、ここは俺達の思い出の場所だよね……くすっ。
「一葉?……あの、どうしたのぉ~?」
明らかに、俺を避けている。
「ね、瑠璃?俺さ、分からないところがあるんだ。教えてくれる?」
「……ごめんね、今日は……ちょっと……。明日、教室で……」
ちっ……用心深いな。面白くない……
けど、意地でもここに来てほしいな♪
「瑠璃……」
「何?」
「瑠璃……来て、ね……おいでよ。」
「駄目……よ。」
お?後、一押しかな?
「ね……お願い……瑠璃、愛してる。ね?」
「……駄目なの。今日は、駄目……」
「ふふっ。キスだけ……ね?それ以上は、しないよ?約束する……駄目?」
「……本当?本当に、キスだけ?」
「うん。じゃないと、俺……席から立たないよ?待てないかも?……ね、どうする?」
「……本当に、キスだけ?」
「うん。それとも、君からのキスじゃないと動かないことにしようかな?ふふ……それも、いいかな♪」
「無理!!」
顔が真っ赤になった。
いつまで慣れないのかな??可愛い……いじめたい。
「今、邪なことを考えたでしょ!!」
鋭いな……まだ、考えてた途中なんだけど。
「いけない?好きな人のすべてが欲しいのは、当然でしょ?それを、我慢してるんだよ?ね……瑠璃、おいでよ……後悔するよ?」
「……~~!!」
早足で、俺に近づいた。
俺の座っている椅子の横に立つ。
「……キスだけだからね!!」
瑠璃はぎゅっと目を閉じた。
戴きます♪軽い体を抱き寄せ、机に寝かせる。
「ぇ??!な!?」
目を開け、理解できていない様子の瑠璃。
キスを落とし、手は柔らかい胸と太ももに滑らす。
「んんっ……んんんん~~??!」
キスだけなんて、嘘だよ♪
もう少し、早く来てたら……へへっ。関係ないか♪
ま、焦らされた分……触っちゃえ♪
「んっ……ふっ……」
あまりいじめると泣くから、今日は優しくするね。
けど、いつかは……いっぱい泣かせたいな♪
「……嫌い……嘘つき……んっ……駄目……今日は、早く帰らないと。」
俺には、ほかの事を考える余裕なんて無いのに……悔しいな。
用事を忘れるぐらい、俺を想って欲しい。
「瑠璃、愛してる。好きだ……俺だけを見て。その目に映るのは、俺だけ?」
「うん。一葉……私の目には、あなただけ……あなたで、心は……いっぱいよ。」
他のおおかみも?③
海波Side
「景彩♪」
携帯では、機嫌が直ったような声だったのに……
待ち合わせの場所には、綾と荊が私を待っている。
…………。
方向を変え、逃げようとした。
「待ちなさい!海波、人質がどうなってもいいの?」
恐る恐る振り返ると、景彩が捕まっている。
綾に抱きつかれ、涙ウルウル……私の助けを待っている。
「景彩を離せ!!」
格好つけたけど、二人に捕まった。
私の隣に、景彩が正座する。
「景彩、甘やかしちゃダメよ!男はね、優しくすると付け上がるのよ!!」
「恵は、そんなことないけど?」
「今は、海波の話をしてるの。」
「あぁ、そうね……付け上がるわ。見て、この反抗的な目!」
「でしょ?荊も、そう思うでしょ?」
「……あの、私……」
「黙りなさい!!いつもいつも、景彩が可愛そうでしょう?」
「そうよ!!」
「いい?女の子はね、辛い時があっても黙っているの。男には、解らないのよ!!」
「そうよね……優しい恵も、わかってくれない時があるのよね~~。」
「でしょう?わかった?海波は、もっと景彩を大切にしないといけないの!逃げられるわよ?てか、景彩も!自分の身は、自分で護るのよ?嫌なときは、イヤだってはっきり言わないと。」
うなずく景彩。
「あの、優貴と……何か?」
「うるさいわね!男は、口を挿むな!!全く……」
「ね、綾……私……気になることがあるの。」
「……荊さん。それだよ……」
「黙れって!」
「……景彩ちゃんが、泣きそうな顔してるわ。」
「本当だ!景彩……辛いことがあったのね……。よしよし……」
あれ、このまま……私、男で怒られ続けるのかな??
「わかった?」
「はい……」
……解放後。
「景彩、どうして泣いたの?」
「……海波が、かわいそうで……」
「景彩!!」
抱きついた私の頭を撫で、額にキス。
「海波……怒られちゃったね。俺の所為で……。」
「いや、私が嫉妬したからで……」
【チュッ……】今度は私の唇に、軽く触れるキス。
「へへ……ありがとう♪」
可愛い笑顔に、我慢の限界!!
「景彩、大好きだ!!」
「だから、ここでは駄目だってば……」
もう一度チャレンジ
麒麟Side。
ある日曜日。蓮美から、公園に来て欲しいと連絡があった。
実は、初めてのデート。
え?今まで、どうしてたのか?……聞きたいの?面白くないよ。
会う時は蓮美の家で、部屋のドアは開放。
忙しいはずの連歌君が、必ず家にいた。
くすん……俺、鬼畜じゃないよ??
俺の家?連歌君が、鬼のように怒りましたよ。
あんな環境の悪いところ……と。父さん……酷いよ。
しかも、そう言われた後に真顔で返すんだもんな……
「連歌、お前は楽しまないのか?」
「……楽しみは、夜か……て、何を言わせるのです!!」
そう、そんな事もあってか連歌君が蓮美について来る。
……どれだけ、信用が無いの??もちろん、外でのデートも計画したよ?
その度に堂々と、後ろをついて来た。
たまに、小鹿さんとか……うちの両親と4人でついて来たこともある。
……俺、泣きそうだよ……
だから期待なんかしない。いつか、隙をついて……くすくすくす……
「麒麟、楽しそうです。私も仲間に入れてください。」
背後に、首を傾げた蓮美。
「……ビックリした……」
俺は、周りを見る。
ん?いない??
「蓮美、連歌くんは?」
「お父さんは、お母さんと出かけました。夕方まで帰りません。」
ラッキー♪
「蓮美……イチャイチャ……ぶっ?」
俺の口に掌を当てて、言葉を遮った。
「……静かに。」
……??連歌君がいないのに??
蓮美はどうして……
「さ、行きますよ?」
俺を置いて歩き出す。
「……あの、蓮美??」
「しぃ~~。今日こそ、あの猫の後を追うのです。」
シャムネコ……??て、俺とのイチャイチャは??
せっかく、邪魔者がいないのに??
蓮美は、真剣に猫の後を追いかける。何故に~??
ある路地裏。細い道を入って行く。
猫って狭い道、好きだよね……。それにしても暗い道だね。
いつ抜けるのかな?
「消えました!!」
……?
蓮実が、急に立ち止まる。
【ドンッ】
あ、よそ見してた。蓮美にぶつかり、バランスを崩す。
「……いてて……大丈……ぶっ!?」
倒れた蓮美のスカートが、全開……可愛い下着が見える。
俺の手は、太もも……
【フニ……】
柔らかい??女の子の体って、柔らかいのは胸だけじゃないの??
まずい……我慢ができない??だって、ここは路地裏。
連歌君はいない。暗い道……二人きり。
俺の手は、蓮美の太もも……蓮美は、俺をじっと見つめたまま。
「麒麟、いいですよ?触っても……触れてください……」
【ドクン……】
やべ……止まらない?けど、いいよね??蓮美が、いいって……
手を滑らす。
「……んっ……くすぐったいです。」
【ゾクッ……】
あぁ、このまま……すべすべの肌に、舌を這わせてみたい。
どんな声を出すのかな?どんな表情を見せる?
見たことのない君を、見ることが出来るかな?
俺は、蓮美にキスをする。
「……ん……んんっ……」
もう片方の手で、胸に触れる。
【ビクッ】
体が、大きく反応した。
手に力が入る。
「麒麟……違います……駄目……」
何が、違うの?触れかたかな??
【ムニ……】
包みこむ手より、大きな胸……柔らかく、俺の指が沈む。
うわぁ~~、やわらかい~~。
生で、触ってみたい……けど、そんなに焦っていいのか?
もっと、楽しんで……いやいやいや、ここは、触れておかないと!
手を、下の方に移動する。
……!?何だ??
服の裾は、何かの重みで手が入らない。
原因は……!?
「にゃぁ~~」
…………。
消えたはずの猫。蓮美の膝で、ゴロゴロ……。
「麒麟、もういいのですか?この猫が触らせてくれるのは、珍しいのです!……あっ、逃げた!追いかけますよ!麒麟……来ないと、逃げますよ?」
……え?それは、猫のこと?それとも、蓮美のこと??
あぁ、そうやって君は……
役員も??
「優貴……そこに、正座です。」
「……恵?俺、何もしてないよ??」
「黙りなさい。また、麒麟をからかいましたね?」
「俺は本気だ!!何だよ、お前にもやっただろ?」
「……コホン。」
「あら、初耳♪荊チャン、いつ使ったのかしら?」
「綾……あなたは、いつなの?」
「……それは、言ってもいいのかしら?ね、ボス?」
「ダメです!!この世界を揺るがすの禁止!!」
親達も?
「連歌……いい加減に、麒麟君の邪魔しないのよ。」
「小鹿も、蓮美に勝てとか言っているでしょう?」
「ふふ……連歌?何だか可愛いわ。ね、そんなに蓮美が心配?」
「……悔しいですね。小鹿に、勝てない気がします。」
「くすっ。ね、キス……して?」
「ふっ、たまに甘えるのもいいですね。小鹿……」
【ガチャッ】
「ただいまです。」
「……お、邪魔……しま……す。」




