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C【派生シリーズ】邪  作者: 邑 紫貴
1邪

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未来予想図!!


城で、盛大なパーティーが催された。

そこで、私は3人に声をかける。

一人はこの世界の“シンデレラ”

「偉大な魔法使い様、もう一度お会い出来るなんて!」

「……挨拶は良い。お前は、幸せか……?戦って行けるか?」

「はい。誓いの通り……何があっても、戦います。運命の人……出逢うべき人でした。彼がいる限り、戦って生きて行きます。」

強い志……。安心する。私の心の支えとなるだろう……。


次は、幼いが美しい容貌の姫。

「――?」

「はい、偉大な魔法使い様。」

いい教育だ……

「負けず、生きてゆけ……。必ず、お前の味方がいる。信じろ……。誓えるなら、約束を与えよう。」

「……はい、誓います。偉大な魔法使い様の約束は、違わないでしょう。」

いい瞳の輝き。

「この国の姫になる。」

「……この国の……?」

「……違えるだろうか?」

「いえ。奇跡を信じ……待ちましょう。」

「奇跡か……お前の予期せぬ……いや、いい。忘れろ……時が来るまで……」

眠るように彼女は、目を閉じた。そして、開ける。

「……?今、何のお話をしていましたか?」

「挨拶だ。さ、お父様が捜しているよ?」

お辞儀をして、去る彼女の後姿に未来を見ていた。


「あの、偉大な魔法使い様……」

もう一人は、少し離れたところの……王女。

「あの、生れる子供に……祝福を!」

「あぁ。ふふ……お腹の中で、起きているね。丁度いい……君にも、約束だ……。私の……後継者。……旅に出て……出逢うのは運命の……人……。」

「……旅ですか?姫……世界は……」

「あなたには、記憶を残そう。世界を護るのは、あなたの育て方次第。自分を信じて……」


王女と別れ、城の中庭に出る。

月明かり……半月……。

「ビエ、ここにいたのか。」

勇者ランスが、叫んでやってくる。

「あぁ、ランス……もう、いいのか?」

私は、意図を含めて訊いた。

「……いや、また中に戻るぞ?」

とぼけるのが上手い。いや、意識が寝てるのか?

「ランス、訊きたいことがある。」

「何だ?」

「お前を、封印した結界……裏は、何だ……?」

「裏?……ビエ、話を聴いていなかったのかい?」

優しく微笑む勇者様。

「あぁ、ほかの事を考えていてね。もう一度、ランスの冒険を聞かせてくれ。」

私は、木にもたれ姿勢を楽にした。

「ふふ……。誘っているの?」

近づいて、私のもたれる木に手をつき……体を密着させる。

「……罠に、誘ったのさ。ね、魔王……ホモ・ゲイ?」

「マホモ・ゲイル・ターツィ。」

やはり、違和感はこれか。さぁ、どうしようかな?

「ビエ……いや、本当の名は?……教えて……」

急に、色気が増した。

「嫌だよ。大体、魔術は名を必要とする。呪われたら……呪い返すの面倒!」

くすくすと、魔王は笑う。

「いいね。手に入れたい……」

手が、体と頬に触れる。

【ゾワゾワ~~】気持ち悪い。

暗示は効かない……か。

「……ランス……?」

この声?!

「……お前、わざと……入れたのか?!」

「……ビエ?て、ランス酔ってるのか?!ビエは、男だぞ!!」

元のランスの意識が戻ったのか、そのまま気を失った。

……逃げやがったな~~?

俺に寄りかかるランスを抱え、ケイトが俺に言う。

「お前も、嫌がれよ!……ちっ。気分が悪ぃ……。」

この中庭には、普通の人間が入れないようにしていた。

あいつ、私の罠だと気がついてたな!

しかも、なお悪い……。ケイトの言葉で、私が男に見える魔法を使っていると知られた。

ま、少し油断をさせる素振りを見せてある。まだ、ケイトに害はないだろう。

しかし、疑問だらけだ。

一つは、目的がはっきりしているし……。様子を見よう。

《 ★△ 》カピバラ、ミニ下僕バージョン作成!

『可愛いね』

好き!


下僕を、ケイトにつける。下僕が死ぬときは、ケイトに何かあったとき。

身は、小さくしたが……精神は私。危険を察知すれば状況に合わせ変化する。

身を挺して、護るだろう……。

ケイトを危険にしているのは、今は……私。

知っている……けど、今じゃない。時が……まだ来ていない。

同じ、3年前に来ていたら?

それも無理な話か……向こうの役目があった。


盛大な催しに、みんな……次の朝は遅い。

時が近づいていた……。

【コンコン……】

「はい。」

ドアが開き、ケイトが入ってくる。

少し、不機嫌だ。

「これは、何だ?」と、カピが捕まっている。

………。

何で?!

「ビエ、こいつ……いらないか?俺に擦り寄って離れないんだ。お前、男のくせに可愛いの好きだろ?」

擦り寄って、離れない?!私の精神……が?

「……そいつの好きにさせてやれよ。……はぁ……。」

ため息が出る。

「……あぁ。後、王様が呼んでる。」

カピは、肩に乗って頬にベタベタ……興奮している?

ケイトも、呆れ……ため息。


王に、話さないといけない時期か。

準備はしてきたつもりだけど……。

ケイトの身は、カピで完全に護れるだろうか?

今は、私が近くにいるから……最悪、元の世界へ……


大きな扉が開く。

中央に王。その横に姫。前には、ランス(魔王)。

扉は、後ろで閉まった。ランスの横に、私が立つ。

「さっそくだが、魔王討伐に出て欲しい。」

「王よ、兵は要りません。……魔王の城へは、私たち3人で行きます。」

ランスは、答える。

「頼もしい。ケイト、姫は勇者と結婚することになった。異議はないな?」

ケイトは断ったのか……


時間だ。

「……王、大変申し上げにくいのですが……」

私は、口をはさんだ。

「何だ?」

王は不思議そうな顔。

「……姫は、偽者です。」

「………。」

一瞬の間の後……一斉に、姫に視線が集中する。

「偉大な魔法使い様……何をおっしゃるの?酷いわ……。お父様、信じて!!」

綺麗な姫……だった。だから、殺された……。

「姫よ。自分の名を……言ってください。」

「え?」

「さ、自分の名です。さぁ!ジェードー・スパック・ジュエール・ブル・ビュティと。」

姫の顔が、引きつる。

「ふふっ……くすくす……」

姿が変化していく。

「……アサヒ?」

そう、彼女の姿もその一つ。正体は、魔物!

「……っ……ぐっ……」

ケイトが胸を押さえ、倒れこむ。

魔物は言う。

「……呪いだ……この姿を見たとき、発動するようにしていた。」

あ……あの宿で、私の暗示が過剰になったのは……この呪いの所為?

「ケイト!!」

近づいて、触れる。

息はあるが、青ざめ……震えている。

《 ☆ 》……魔法の効果がない。

「妬けるね……大事なの?」

私は、魔王を睨む。

カピを二匹に増やす。下僕2……バラは、王の身を護るように指示。カピは、魔方陣でケイトを護る。

「交換条件を出せ。お前の望みは何だ……?」

「後で、部屋においで……」

「わかった……」

私たちのやり取りに、アサヒは驚く。

当然だろう……道具の一つにされたのだ。多分、他の計画があったのだろう。

けど、私が正体を告げ……狂った。

「魔……ぐっ……」

勇者ランスの剣が、アサヒを貫いた。

魔王は、細長いビンを見せる。

「解毒だ。」

その中身は、薄汚れた緑色の液体。

呪いは、時限式の薬か……。

私はビンを受け取り、薬を一口飲み込んだ。

《 ☆ 》体は、その液体が本当に解毒作用のあることを告げる。

ケイトを少し抱き起こす。ビンの残りを口に含んで、ケイトの唇に触れ……流し込む。

ケイトを床に戻し、立ち上がって呪文を唱えた。

《 *★ 》魔物アサヒの死体を森へ移す。

自然に戻るだろうか?


王を護る魔方陣は、空間を切断していた。

だから王は、ランスが魔王に操られているのだと知らない。

少し落ち着いた王は、話し始める。

「姫のことを訊きたい。ランスは、部屋で休んでいなさい。後で、報告しよう。ケイトは、医務室へ。」

数人の術者が部屋に入り、ケイトを運ぶ。カピがついて行く。

……何かあっても、大丈夫だ。魔王も、カピの存在を知っているし。

「魔女、美衣。すべてを告げよ。」

「王よ、未来は……どこまでも続く。でもそれは、時間の点です。……命には限りがあります。姫は、魔王ではなく……隣国の王妃が殺したのです。」

「な……な、それが誠なら……」

「戦になるでしょう……。王よ、私の鏡はどこに?」

「……その王妃が……どうしてもと言うので……すまない。」

「いえ、計画通りです。その進言をしたのは、誰ですか?」

「………。」

王は、口を閉ざした。

「……姫に、成り済ましていた……魔物ですね?」

「あぁ。魔女よ、計画通りとは……?」

「……王よ、未来を信じますか?信じるなら、約束を与えましょう。」

「……あぁ、信じる。未来の希望が、まだ……私にあるだろうか?」

「……あなたに、息子と娘を与え……隣国も与えましょう。争いも無く……手に入れるでしょう。信じますか?」

「……奇跡のような話だが……偉大な魔女……美衣の言葉を信じよう。娘は、どこで眠っておる?」

「……もうすぐ、目覚めます。未来を担うものとして……生れます。宴に、覚えのある方がおられますね?」

「あぁ……」

「味方でいてあげてください。国として……。彼女は、私の後継者……。宴のときに、予言を残しております。」

「わかった。ありがとう……」


王の部屋を出る。

そして、魔王のいる部屋に向かった。

計画を邪魔されてはいけない。時間は、戻ってこないから……。

一刻も早く、ケイトを向こうの世界に返してやりたい。

あの薬なら、今日一日は目覚めないだろう。

【コンコン】

「入るぞ!」

返事を聞かず、ドアを開ける。

時空が、違うところと繋がっていた。まずいな……。

「遅かったですね。偉大な魔法使い……」

「魔王よ、約束は果たした。……じゃ!」と、方向転換してドアを開けた。

が……すでに、異空間。

「酷いな……。魔王でも、そんなことしないよ?」

「何がかな?これは、酷くないの?……約束は、お前の『部屋に行く』こと。来ただろ?」

魔王は無言で、微笑む。私も、微笑む。

「じゃ、私の名を呼んで……。あなたの名を教えてください。」

「魔ホモ・ゲイ!」

「……マホモ・ゲイル・ターツィ。ゲイルと、呼んでください。」

……せっかく、覚えてたのに……

「ゲイル。」

考えなしに、名を呼んでしまった。

ゲイルの足元に、魔方陣が現れ赤紫の光が包む。

「ふふっ。封印が解放された……お礼を言いますよ。……美衣……ミイ……綺麗な名だ。手に入れる……必ず。」

あの結界……二重、いや……まだ何か……ちっ!!

力が戻ったゲイルは、ランスの体を離れた。

実体は、魔王の城か……。

【キーン】耳鳴り。

はっ!!

「ゲイル!お前、何をした……?」

私の魔方陣が発動した。ケイトのそばにいる……カピだ。

「ふふっ。いい眼です……。私とおいで……そうしたら、彼の命は助けましょう。失いたくは、ないでしょう?」

手を差し伸べ、私に近づいてくる。

「ふざけるな!!」

私の足元に、魔方陣が広がり……そこから疾風が巻き起こる。

鎌鼬が、魔王の頬に傷をつける。

「くす。残念、目を狙ったのよ?……くすくすくす……勘違いしないで。救うのは、私!彼に、手を出したら赦さないわ。……ふぅ~~ん。彼の近くにいるのは、あなたの一部ね。じゃ、あなたには消えてもらう!また、逢いましょう?アナタの部屋で……ね!」

《 ★★★★★★ 》ゲイルの体を、鎌鼬が切り刻む。実体がないから、加減なく……。

勇者の体が解放されてよかった。容赦しなくてすむ。

力が戻ったのは、厄介だけど……まだ、未来はあるから……。

「美衣、君は……何故、そこまで……」

ちっ……まだ、遠い場所から話しかける力があるのか!

「秩序を壊しても、大事。覚えておいて、私は魔女!!」


力尽きる私は、眠る。

少しの休息……。

ゲイルも、すぐには動けないだろう。いくら実体ではないにしろ、意識が傷ついたのだから。

『美衣……私には、先が見えない。予想できるのは、周りだけ。美衣はどうなる?幸せになるの?』

この物語を作るのは、私……美衣。

最初ね、魔王を操って……この世界を手に入れてやろうと思っていたのよ。

『うん……』

単純な、明るい冒険……?所詮、私たちの性格は変わらない。

私は、役目のために存在した。長い歴史の、呪い……。

発祥の地をここにしてやろうか……何て、考えた?

『……その通り……』

……私の一言で、それも可能……。

『……美衣、あなたは幸せになれる?』

約束は出来ないわ。私の幸せは、ケイトのためになるなら……なんでもいいのよ?


「……ビエ……」

愛しい人の声が聴こえる。

ケイト、あなたには……幸せになって欲しい。

時限式の薬で、ヒントを得た。

あなたの近くにいるカピ。もしも、私に何かあったときは……カピが、あなたを元の世界に戻す。

そして、元の生活に支障のないように……手助けしてくれる。

そのために少しづつ……カピの体は、魔力を貯める。

『美衣、あなたの眼は何を観ているの?』




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