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C【派生シリーズ】邪  作者: 邑 紫貴
4悪魔が微笑んで……

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悪魔が微笑んで……


苺愛に聞いた、連歌の部屋。

インターホンを押すが、反応はない。

けど、苺愛がいると……泣いている……と言った。

ドアノブを回すと、開く。中は、とても静か……

そっと……入る。

「連歌、上がるから……ね?」

少し、声が……小さくなってしまう。

返事はない。

奥へ進み……窓際に座っている姿を見つけた。

私に、背を向けたまま……ずっと無言。

「連歌……」

連歌の背中に触れる。

【ピクッ】……反応はある。

何も、言わない。背中を合わせ、もたれるように座る。

彼の温もりが伝わり、それだけで……泣きそうだ。

愛しい……私が傷つけた……

癒せる?抱きしめてもいい?キス……してもいい?

「……連歌?」

呼んでみる。

「……何故。」

小さな声。

「……ん?」

耳を傾ける。

「鍵を開けたのは草樹……か。」

あぁ、草樹……あんなこと言いながら……。

ふふっ。連歌を大切にしてるんだ。

「連歌……好きよ……。もう、遅いかな?嫌いになった?私……」

もたれていた背中がいきなり退いて、倒れそうになる。

連歌が受け止め、そのまま私の体をそっと床に導く。

「今更かな……?」

見つめる目が、潤んでいる。

……あぁ、泣いてたんだ……。胸が痛い、苦しい……

「連歌、好き……ごめんね?」

両手を伸ばし、連歌の頬に触れる。

「もう、逃げたいと言っても……遅いですからね?」

私の手に頬を摺り寄せ、キスをする。

愛しい……触れる唇を、自分の唇に欲しい。

「連歌、キスして。唇に……いっぱい……あなたを感じられるように……」

連歌の視線が、私を捉える。

優しく……とても嬉しそうに……微笑む。


窓から入る満月の月明かり。

彼の顔が近づいて、私を求めるキスを受ける。

繰り返す……優しいキスと深く私を求めるキス。

「小鹿、もう……離しません。俺のです……俺だけの……小鹿。誰にも渡さない……。」

「うん……離さないで……」

あぁ、私は悪魔の手を取ってしまった。

離さないわ。だって……私に、あなたが微笑むから。

私に……悪魔が微笑んで……



ここは中庭。みんなでお昼。

草樹が訊く。

「連歌、幸せか?」

「あぁ、幸せだ……」

嬉しそうに私に抱きつきながら、答える。

が、胸に手が触れる。

「ちょっと、人前で胸を触るのは止めて!!」

手をつねって、睨む。

「……人前じゃなければ、良いんですね?」

「……!!ばか……」

「苺愛、俺も……抱っこしたい。おいで……」

「……嫌。今、食べてるから。」

采景君、なんとも言えない顔で……私たちを見る。

情けない顔……でも綺麗なまま。羨ましい……

「ね、誰を見てるの?」と、目を覆われる。

「……采景君、綺麗だなって……」

【ピク……】連歌が、過剰に反応した。

「……どうせ、綺麗な顔じゃない……」

目を覆っていた手を退け、連歌を見つめる。

しょうがないな……悪魔のくせに。

「……なんてね。」

【チュッ……】

やられた……。

傷つけてから、連歌の弱さを見せられると……つい、流される。

多分、それも……悪魔の手だ。

あぁ、悪魔の手を取って、幸せなんて……


「あ、小鹿ちゃ~~ん!」

あれ、この声?

「綾!!」

私は、連歌の顔を押し退け綾に走り寄る。

「「綾?」」

連歌と、草樹が反応した??

私は綾を抱きしめる。

「苦しい、小鹿ちゃん……一段と胸が……」

「……ごめん。」

一段と……て、大きくなってるんだろうか……。

「草樹、任務!至急だって!!」

「あぁ、行くよ!」

綾は、役員をしているらしい。

「ね……小鹿、綾と……知り合い?」

「うん!従姉妹なの。」

嬉しそうに答える私に、連歌がうなだれる。

「……??どうしたの?」

「ね、会うたびに……綾に抱きついていたの?」

変なことを訊くのね?

「うん!」

「はぁ……。原因が、ここにいた。」

連歌は、ため息交じりに空を見る。

??

「苺愛、知ってたのか?」

連歌は視線を、必死で食べている苺愛に向けた。

「えぇ。一生の相手の匂いのついた綾と、勘違いして契約するんだもの……。良かったわね、草樹が気づいて。」

「はぁ。どんだけ、あいつは……。」

私の分からない話?

でも、連歌が幸せそうに笑う……。

「え、連歌の振られた一人目って……綾?……あぁ、モデルのAYAって……あぁ~~。」

「二人目の噂の麗季は、綾の友達だ。」

「あぁ、麗季ちゃんね!あの子も、胸が大きいから親近感沸いて……よく抱きしめてたよ?」

連歌は、呆れた顔で私に言う。

「覚悟はいいですか?」

「何の?て、何を……ここ、中庭。押し倒すな!!やめ……。苺愛、采景く……??」

悪魔に協力して、誰も助けてくれない。

「イヤ……ダメ!……本当に、やめて……っ……」

悪魔が微笑んで、私にキスをする。

優しく触れる手に、抵抗できなくて……。

悪魔は囁く。

「小鹿……一生に一人……あなただけ。間違えたんじゃない。悪魔なあなたが微笑んで……俺を狂わした。微笑んだ悪魔は、あなたです。小鹿、覚悟して……?」

「嘘よぅ~~」



「連歌、いい加減に私のものになって!」

存在を忘れそうになっていた千鳥が、私たちの前に現れ……叫ぶ。

「ごめん、小鹿しか感じないんだ。」

【カァアァ~~】

顔が赤くなって、連歌の口を手で押さえた。が、遅かった……

周りの視線を感じる。

「……っ!!それぐらいの胸なら、私にもあるわ!」

服の破れる音。

「!?」

慌てて振り返るとブラが見える。

「わぁ~~」

周りが色めき立つ。

「ごめん。感じない……俺は、小鹿なら……」

連歌は、無表情で胸ポケットに手を入れた。

……?

ごそごそと小さな布を出し、広げる。

「これだけで感じる……ふふっ」

「それ、無くしたと思ってた……私のパンツ!!」

…………。


その後のことは、記憶にない。が、手元には没収したパンツ。

あの悪魔……あの、悪魔ぁ~~

思い出した……ブラとセットの下着。ブラはすんなり返したから、おかしいと思ったのよ!!

てか、常備していた??

恥ずかしい!恥かしいよう!!みんなの前で、私の……だって……

うわぁ~~~~ん。もう、しばらくはH禁止なんだからぁ!!

でも、悪魔が微笑んだら……

きっと、許してしまうんだ。悪魔が微笑んで……

「ごめんね。愛してるよ……小鹿……」





END

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