表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
C【派生シリーズ】邪  作者: 邑 紫貴
4悪魔が微笑んで……

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/71

無関係だよね?


人生で、これほど落ち込んだことがあるだろうか……?

付き合っていた彼に、いきなり別れを告げられた。

校舎の影……人目のないところで泣いていた。

壁に、両手を当て……額を置く。

……悔しい……

【むにゅ】

…………。

……?

手は、額に両方ある。

しかし目線を胸に落とすと、両手が……胸を鷲づかみ……??

【ふにふに……】

??!!

「ぎゃぁ~~!!」

自分が、どれほど鈍いのか……

慌てて、触れている手を振り払った。

壁に沿って回転し、その人物から距離を取る。

体には、そいつの温もり……匂いが微かにする。

畜生!!

「……な、何を!!」

私が睨み、叫ぶが……反応はない。

ただ、両手をじっと見つめ……ニヤリ。

【ゾワゾワァ~~】寒気に襲われる。

やばい、こいつ……やばい!!

身を翻し、全速力で逃げた。


林野はやしの 小鹿こじか太西たにし学園 高校部二年生。

その辺にいる、ごく普通の女だ。

男運がないなんて、まだ知らない。

変態が、学校で有名な双子だとか?

……彼氏が、奪われたとか……男友達に付きまとわれるとか……知らない!!

そんな私に、手を差し伸べる。

松木まつのき 連歌れんか

悪魔が微笑んで……




教室に戻り、自分の席に着く。

忘れよう!悪い夢だ……彼氏に振られ、悪夢が続いているんだ。

そう思うことにしよう……。

「小鹿、大丈夫か?」

こいつは、元彼の友達……せき とおるだ。

「本当に気遣うなら、そっとしておいて!」

何だか、無神経な気がする。

親切なのかもしれないが、落ち込んでる私には……素直に受け止めれない。

「……ごめん。」

……はぁ。友達より彼を優先していたから、友達って言ってもなぁ~~。

中学は、別の姉妹校だったから……親しい友人が身近にいない。

元彼は、優しい人だった……。

一人でいる私に、親切にしてくれて。一年のときは、同じクラスだった。

今は、別のクラスで……ほっとしている。

『他に、好きな子が出来た。ごめん、俺がいないと……そいつ……』

じゃあ、私は……?あなたの優しさが、今……私を一人にしている。

何て偶然なの……?窓の外に元彼が、可愛い女の子とイチャイチャ……。

今日、宝くじ買ったら……当たる気がするわ!畜っっつ生ぉ~~!!

空は、黒い雲が広がって……私の心と同じ……

【ピカッ】……【ドォ~~オオ~~ン】……近くに落ちた。

しかも、土砂降りの雨……二人が木に雨宿り。

ザマ~ミロ!……って、傘ないし!!


雨は、放課後も降り続ける。

……濡れて帰るか……?傷心に浸れるか……いや、バスに乗れない。

歩いて帰れる距離でもない。私、何か……しましたか??

「入って行く?」と、爽やかな笑顔……の男。

「…………。」

頭の中で、考える。

男前……けど、知らない人。優しくされる意味が分からない。バス停まで……5分。

「……知らない人に、ついて行けません。」

出た答えは、係わらない……だった。

クスッ……奴は笑う。

「酷いですね。深い関係なのに?」

とんでもない言葉を、周りに聞こえるように。

「きゃ~~?!」

「連歌くん、どういう意味ぃ~~?」

女の子たちの奇声がうるさい!

我慢できず、雨の中……飛び出した。

途端に雨が上がる。

……マジ……で?逃げろ!!

【グイッ……】

手首をつかまれ、後ろに倒れそうになる。

風にのって、あの時の匂いがした。

「っ!!……へ……変態……??」

身をよじらせ、離れようとするが……奴は、手首を離そうとしない。

「……離せよ!!」

「嫌です。ね、俺のモノになって?」

…………。

モノ……者……物ぉ~~?!!

「嫌だ!!」

睨む私に、微笑んだ……

悪魔……何故か私の中で、……そう呼んだ。

「困りましたね。あなたに、拒否権なんてないですよ?」

「……あるよ!……お前、頭おかしいのか?」

「ふふっ。……かもしれませんよ?」

【ゾワゾワ……】

やばい……身の危険信号を察知する。

「……手、離して……放せぇ~~!!」

勢いよく回し蹴り……も、あっさり。足がつかまった!!

ピンチ……ピンチです!!

「くすくす……俺、足も……好きですよ?」

「……うっ……も、ヤダ……放して……」

情けない格好……情けない自分に、涙が……

悔しい、悔しい!!

「……すみません。意地悪すぎましたね。」

そっと、両手の力が緩む。

下を向いて泣いている私に……囁く。

「……泣き顔なんか見せられたら、もう……逃がさないよ?……くすくすくす……覚悟、しておいてね?こ・じ・か?」

……こじか……?今、私の名……!?

涙が止まる。……私は顔を上げた。

そこには、最高の笑顔で微笑む……悪魔が!!

「俺、松木まつのき 連歌れんか。宜しくお願いします。ね、小鹿。」

「嫌だ!!夢だ、悪夢だ!!……宜しくなんて、しない!!かかわるな!!」

全速力で逃げた。

バス停2つを通り越し、走りながら……

絶対に手なんか取るものか!!……そう誓った……

逃げてやる!!



「おはようございます。」

爽やかな朝……

家の朝食に、奴がいた。

「……お母さん、私……まだ寝てるのかな?幻覚と、幻聴が……」

味噌汁を上品に吸い……

「おいしいです。」とか、愛想を振りまいている。

「いやぁ~~ん。男前の連歌くんに、そう言ってもらえると嬉しい♪明日も……いえ、毎日いらっしゃい!」

この、のんき者め!

「ありがとうございます。」

「……きさまも、断れよ!」

「……小鹿、言葉使いが悪いと……お仕置きしますよ?」

ムカッ!

何で、お前にそんなことをされなきゃならん!?

「ほう~~?例えば?」

訊いた私がバカだった。

「口を塞ぐなんて、方法は一つ……でしょ?」

……いや、いやいやいや!!

待て、エロく聞こえたのは……何故だ??

「いやぁ~~ん。お母さんも!当然、舌は入れてね?」

…………。

「……行ってきます!」

駄目だ、何か……周りから固められている気がする……?

気のせいだよね?気のせいだろ?!!

お父さんめ、今日に限って……出張だと??

……人の良い父は、アイツの言葉や態度に……絶対、騙される!!

あの、悪魔!!

「小鹿、先に行くなら……」

後ろから奴が叫ぶ。

当然、無視して歩き続けた。

「この下着、もらいますよ?」

……?下着……?

足を止め、恐る恐る……振り返る。

?!!

奴の手には、お気に入りのブラ……それ、セット……

まさか……まさか……?

「か、返せ!!」

しかも、こんな道の真ん中で広げるな!!

奪う私に抵抗なく渡した。……それが異様に怖い。

「……名前、呼んでください。」

「はぁ?ふざけん……っ……んぅ~?」

手を頬に当て、もう片方は腰に回され……逃げれない……

口は、奴の唇に塞がれている。

「ん~~んん~~!!」

口をしっかり閉ざし、抵抗する。

その唇を……いやらしく舐めた。

【ゾワゾワゾワ!!】

「……ぐっ……」

油断していた奴の横腹を、グ~パンチしてやった!

ごしごしと唇をこするが、舐められた感触が生々しく残る。

「くすっ……いい。」

気持ち悪い奴だ、お前はSだろ??

「小鹿、愛してるよ……」

何故だ?……何故、目をつけた?

「E70……か……」

奴は呟いて……ニヤリ。

……胸?胸なのか、お前の基準は!!

冗談じゃない。

「他に、胸の大きい可愛い子を捜してやる!だから……」

「言葉、汚いのは……嫌い。」

また鋭く睨まれる。

「…………。」

まさか、それで塞がれた……?

いや、待てよ!!手で塞ぐとか……違う、何でだ!!

あぁ……こいつに馴れてきている?


口を閉ざし、バス停に向かって歩く。

このとき忘れていることが……いくつかあった。

冷静でいると、錯覚したんだ……。

悪魔に微笑まれた……私……。誰か、助けて~~!?

隣では、機嫌よく本を読みながら、私の速度についてくる……悪魔。

こいつの名前……呼んだら、召喚したことになる?それとも、契約?

二度と、逃げられない??私……喰われるのか……?


朝、一緒に登校して……凄い騒ぎになっていた。

昨日の様子も、変に脚色されて……面白いなぁ~~?何て……

私が壊れていく!!

失恋を癒すゆとりも無いのか?

……女の子数人に捉まった。

「連歌くんを、どうやって落としたの?」

ニヤ……

これだ!!

「彼……胸の大きい子を捜してるの!誰でもいいのよ!!」

噂が広まれば、解放される可能性も?一石二鳥!!

予想通りに噂が広がり、奴は胸の大きい子に囲まれる。

くくっ……ザマ~ミロ♪これで、好みの子が現れれば解放される!!

「小鹿、連歌を好きなのか?」

席で、幸せに浸っていた私に……忘れていた現実。

「関くん。私が誰を好きになろうが、勝手でしょ?」

「俺、小鹿のこと……好きなんだ。」

「ごめん。同情なら、いらない……」

目を見たら、何となくそう感じた……。

「あいつだって、そうかもしれないぞ?……綺麗な子ばかり……好きになって。」

視線を逸らし、関君は教室を出て行った。

……今、何て……?綺麗な子……ばかり……?

いや、そこじゃない。同情……?

あぁ、泣いていたのを見られたな。……同情……か、そうか!安心した!!

何だ、言ってくれたらいいのに。分かりにくい奴だな。

安心したぁ~~だよな~~。

自分の噂と共に、興味本位で近づく女の子が別の噂を運んできた。

関くんの言っていた、綺麗な子たちの話。

一人目は、AYA……麻生学園と、姉妹校のマドンナ。

綺麗な……中3の女の子。小学6年から、年上……今、大学生の人と付き合っているらしい。

で、もう一人が大学生の胸の大きい女の人。しかも、美人で……色気たっぷり。

同い年の人と付き合っているらしい?

あんなに、(好みではないが)カッコイイのに……振られてるのか。

私の一回……しかも、付き合ったことがあるなら……まだマシか?

ちょっと、優しくして…………。

いやいやいや、駄目だ!

思い出せ、胸は触られ……揉まれ、キスまで……。

思い出したら、イライラしてきだした!!

……でも、失恋の痛みは……薄れてる。

同情……見知らぬ私に……いや、胸に?

あと、双子の弟がいるらしい。しかも、同じ顔……。

連歌は、デスマス口調で眼鏡。

草樹そうじゅは、眼鏡なし……婚約者が3歳らしい??

意味が分からないけど、かかわるのは……なしだ!

しかし、この学園の中は平和だ。

時間は同じように過ぎていくのに、人それぞれ出逢い別れ……繋がっていく……。

連歌とも、もう関係ない。

同情はいらないと言おう。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ