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C【派生シリーズ】邪  作者: 邑 紫貴
1邪

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偉大な魔法使い!


村1……適当だな、おい!

『名前、考えるの面倒……覚えられないし……もう出ない』

お前、その台詞……好きな?

『ケイトは、良い奴だぞ。多分……』

多分?それが、一番怖いけど?

『さ、呼んでますよ?』


「これ、一番口に合うぞ。」と、何かの肉をケイトが勧める。

あえて訊かないで口に入れる。

「おぉ!うまい……」

ケイトがニヤリ。

「それ、XXXX」

?!!?!

驚いたが、美味いし喰える。口に運び、完食!

「……お前、すげーな。」

ケイトは尊敬の眼。

「ビエ、腹もいっぱいになったし……武器屋に」


「……けて~。助けてぇ~~!!」

遠くから、怪我の酷い……血だらけの女性。

「魔物だ!」

「剣士も何人か、やられた?!レベルが半端ない!」

村の中が、騒然とする。

ケイトは、剣を手に走り出す。

【ドキッ】

違う、ちょっと……ほんの、ちょっとだけ感動したんだ!!

『何も、訊いてませんよ?』

うるさい!!

しょうがないか、手を貸してやる。御代は高いぞ!

ケイトの後を走り、魔物に近づいているのが分かる。

空間が、歪んでいるのか?この世界がもたなくなる!

ケイトは、鞘を抜いた。

手を伸ばし攻撃する魔物に、斬りつけるが……弾かれ、力に押された。

「っ!!」

《 ★★★ 》こんな時の為に、考えていた技だ。

『え?来る気、満々だったんじゃない?!て、これ……酷すぎ……』

空の空間が物凄い音で裂かれる。

稲妻と雹が、魔物に容赦なく降り注ぐ。

「……ふっ。決まった!!」と、気分爽快でふんぞり返る。

「……容赦……ねぇ。」

傷を押さえながら、ケイトが呟く。

「ケイト!荷物を持ってくれるなら、傷直すぞ?」

俺たちの友情が深まった!レベルが10上がった。

『……上がったとか、違うよね?』

気分を損ねるなら、自分で世界に帰るよ?

『て、出来るの?』

当然!俺は、偉大な魔女だぜ!!

『……口調が、男に……なりきっている……?誰が、こんなのを召喚したの?』

お前だよ、責任は取らないよぉ~~?なんせ、“邪”~ヨコシマ~ですからね♪

『自分で言った……』


【……クラッ】

力を使いすぎた?めまいが……意識が遠ざかる。

《 ☆ 》ケイトの怪我を直したら、私は……

「ビエ!!」

ケイトの叫ぶ声が、遠い。やっぱり、ビエ……嫌だな。

ま、いいか……。こいつの、温もりが……何だか心地いい。

私も、必死で……誰かを……

『そうだね。君は魔女。呪いは解放されたけど、君は何を背負う?まだ知らない役目に導かれ……』


朝。見たことのない天井。

起き上がる……

【ツン……】髪が、何か……に?!

隣で、気持ちよく寝ている男!ケイト?!

髪が握られている。指から髪をゆっくり離し、ベッドから下りる。

服が違う……いくら、男に見えるからって……畜生!!

何か、憎しみに近い……殺意を覚える。

私も、女だったと言うことか……くすくすくす……消せばいい……存在を!

『こらこらこら!!待って、待ちなさい!落ち着いて、ね……魔法で見てない!!ね?』

……やっぱり、着替えさせたのは……こいつかぁ!!

寝ている奴の首を絞める。

「魔法を使うでもない!!死ね!」

「ぐっ……げほっ……?!!」

ちっ、起きやがったか!

『……美衣、一応……パートナーなんだから』

……俺は、ビエだ!パートナーなんて、いらねぇ!!

「……ごほっ……風邪か?のどが??」

ケイトが目を覚ます。

ちっ……機会は幾らでもあるか。

「おい、ビエ!大丈夫なのか?」

【ドキ……】何だ、この……ザワザワした感情は?くすぐったいような??

『あらあら……ふふっ。楽しいね、美衣?』

……?

「おい?」

ちっ!

「何、ゆっくり寝てんだ!しかも、城に逆戻りかよ。」

『可愛くない……』

「あぁ、理由が……」

【コンコン……】ドアにノック音。

「失礼します……」

女の声で、部屋に入る。容姿の綺麗な……女性だ。

「姫、体調は大丈夫なのですか?」

ムカッ!!

「……姫?……て、囚われていた?」

て、あの……長い名前の??

「父が呼んでおります。偉大な魔法使いビエ様。この度は、誠にありがとうございます。助けていただいたお礼を、父も述べたいと……あの?」

「どうした、ビエ?」

俺の機嫌が良くない事に、二人が不思議そうに首を傾げた。

俺も、何に苛立つのか……分からない。

「行くぞ、ケイト!王様が待っているぞ!!」

長い廊下を歩きながら、二人が仲良く話をしているのをじっと見る。

ムカムカ……胃が、調子悪い。あぁ、あのXXXX……か。畜生!!

魔法で……食料を向こうから、かっぱらえばよかった!

『いやいやいや!!』

何か、問題でも?

『大有りだし!!ちなみに、かっぱらう……とは“掻っ払う”……盗みです!!』

ちっ!!

『どんどん、女っけが無くなるような……あるような……。』

……?!

俺は、あることに気づき……気分が高揚した。

くすっ……くすくすくす……くくっ。そう、そうなの。楽しいわね……。

『美衣?女に、戻ってる??てか、何を企んで?……怖い!』

私は、鼻歌を歌いながら王室に入る。

「おぉ、偉大な魔法使いよ!!……~……」

長い話が続くが、ほとんど聴いていなかった。

くす……楽しみだわ。くすくす……

「おい、気持ち悪い笑い方よせ。今、王様の話の途中だぞ?」

小さな声で、私に注意するが……苛立ちなんか全く無い。

「あぁ、聴いてる。聴いてるよ!」

王様は、本題に移った。

「で、勇者だが……」

「王様。今すぐ城を出て、捜しに行きます!」

俺は、目を輝かせ言った。

「いや、姫も戻ったことだ……急がなくとも。それに、姫を救った者に……姫を与える約束じゃ!」

……聴いてないよ?

『言ってないね。あんた、魔“女”……予言では、女としてここに来たから!』

あぁ!なるほど……じゃ、誰が………?!!

「ケイト、返事はすぐでなくとも良い……」

………。

ムカムカぁ~~!!

「ケイト、どういうことだ!」

「え、お前が辞退したからだろ?言えよ、俺にも……心構えが……くふふ……」

【プツッ】

『……あの、美衣?何か、切れた……音が……?』

フルフルと、体が震える。

「どうした、寒いのか?まだ、体調が?!」

……引きつる笑顔を必死で作る。

《 ★ 》私は、大きな鏡を空中に出した。

「鏡よ……」

〈 はい 〉

「話した!!」

ザワザワと、その部屋にいる者達が驚く。

「くくっ。行き先を告げよ!」

〈 ここに 〉

私は、携帯を取り出し写真に撮る。

「お前、それ……携帯?!」

……ちっ……後で、記憶を操作するか。

「……王様、旅に出ます!」

「王よ。私も、先に勇者を……って、待てよ!!」

「偉大な魔法使いよ!これは……」

「……ふっ。差し上げます!」

『……美衣、この鏡って……まさか、まさかぁ?!』

……あぁ、この城の隣国に姫がいてね。ふふっ。その姫の名前は覚えてるの♪

くすっ……楽しいわね。くすくすくす……

『美衣ぃ~~?!』

「おい、待てよ!ビエ、俺を置いていくなよ!」

「うるさい!荷物持ちの下僕め!!さっさと、来い!!」

『あぁ。どんどん、旅の方向性が……見えない。』

見えるわよ?この物語を作るのは、私よ!!なんせ、RPG……レベルアップ。

くすくす……一つは意外な、結末を作った。

いえ、イベント?エピソード?バトルの状況と場所?くすくすくす……くくくっ。

「……ビエ、俺……お前が一番……コエ~~よ。」

走りながら、ケイトがつぶやいた。

そうね、それぐらいでないと……楽しくないわ。

だって、偉大な魔女ですから!




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