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C【派生シリーズ】邪  作者: 邑 紫貴
3秘密の恋嵐

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秘密!


多河たがわ あらし太西たにし学園 高等部 二年生。

つい最近……付きまとう女が、一時的に減った。

理由は、兄貴の彼女……福本ふくもと りんが俺の彼女だと言ったから。

綾は、モデルの仕事をしたことがある。(一度だけ断りきれず。)

小学校の時から、ファンクラブまである。

その当時、校内新聞でカラーの隠し撮り特集も……。

今は、ファンクラブが減った。俺の兄貴が、お手柔らかに潰していって……少ない。

ま、ブラコンの俺が言うのもなんだが、兄貴はかっこいい!

頭もいいし、回転もだが……人の中が読めるんだ。観察力が鋭いってこと!

後は、怪我さえしなければバスケの才能もあって!強いし!特別な任務ももってるし!!

あとはあとは……

「嵐。何、興奮してるの?」

おっと、自分を見失うところだった。

「綾、何か用?」

綾とは同い年で、小学生のときから一緒。

綾は、小学6年の時から……5つ年上の兄貴と付き合っている。

「何か、用……?ですって~~。おおありよ!!いい加減に、私をダシにするのは止めて!」

女よけに、彼女に仕立てたが……ご立腹だ。

「綾。家に泊まったこと、母さんにポロッと言っちゃうかも?」

綾は、ぐっ……と言葉を詰まらせる。

うしし……しばらくは、これでしのげるかな?

「……言えばいいわ!その代わり、優貴に言いつけてやる!!」

……ぐっ……今度は、俺の負け。

俺たちは、お互いに睨んで……火花を散らす。

「ほら、本当だって……」

「いやぁ~~。綾が相手なんて、敵わないよ~~」

遠巻きに、女の声。

お、まだ効き目ありか……?

「嵐!!」



放課後。俺は、姉妹校の麻生学園に向かった。

剣道部の道場、練習試合に応援……のはず?

いつの間にか、着替えが済んで試合に臨んでいる??

「始め!」

……あぁ、はめられた……。

兄貴のバカ野郎……大好きだ!!

「一本!」

大将に勝ってしまった。

はぁ……ため息を吐く。

「おい、お前!」

さっき試合をしていた男……?

綺麗な顔……

「部員じゃないだろ!」

……?声……低いけど、女?

「あぁ、悪かったな……。俺も、騙されてここにいる被害者なんだ。許してくれ……」

律儀に頭を下げる。

俺のじいちゃんは厳しい人だった。剣道も、亡くなるまでじいちゃんが教えてくれた。

大好きな、尊敬する人……兄貴より好きだった。(今は、兄貴が一番!)

「人の話を、聴いているのか!」

竹刀を、胴に目掛け攻撃される。

当然、竹刀で交わし……払い退ける。

「くっ……」

女に、攻撃は(反撃でも)しない。

「名を名乗れ!」

ふっ……面白い奴だ。

「多河 嵐。」

「私は、湖凪こなぎ しずか麻生あそう学園 高等部二年生だ。一週間後、再試合を申し込む!!」

……熱い女だな。面白い……くくっ。

「イ・ヤ・だ!」と、方向を変えて更衣室に向かった。

さぁ、どう出る?

更衣室に入る。防具を外し、剣道着を脱ぐ。

【ガラッ】……ドアが、勢いよく開いた。

「………。」

「………。」

【ピシャッ】ドアは、閉まる。

袴があっただけましか……女じゃないし、胸を見られたが……減らないし。

けど、あいつ……くくっ。気に入った!


設備の整った更衣室に、シャワー室がある。

汗を落とし、着替えを終える。本当は、こんな予定ではなかったけれど……

更衣室を出ると、太西の剣道部員が並んでいた。

「嫌だ!」

部長が俺にしがみつく。

「まだ、何も言ってない!!」

「誰に頼まれた?いや、頼んだのか?俺が、兄貴に弱いと……誰が言ったのかな?許さないよ……。」

顔は、笑顔のツモリ。

本当は、そんなに怒っていないが……。今後、同じことをされると困るし!

「AYAちゃんが、お願いって言うから……。」

AYA……とは、綾のこと。漢字がアヤと読めるから、ファンクラブの人間はそう呼んでいる。

怒りが、込み上げる。綾、帰ったら……覚えておけよ?

「どんな、お願いなんだ?え?」

「いや……その、嵐がこんなに強いと思わなかったから……。お願いされたのは、気晴らしに誘ってあげてと……だけで。」

あぁ、付き合っているという噂の所為か!!

「赦さない。」

視線……?

道場の入り口に、隠れるように……顔を真っ赤にした閑がいる。

いい事を思いついた。犠牲になってもらおう!

「俺、用事があるので!」

まとわりつく男たちを押し退け、入り口に向かう。

閑は、俺が近づくのに気がついて……逃げた!

逃がさないぞ、獲物め。俺から、逃げられると思ってるのか?

……追いかけるのも、楽しいな。何でだろう……?

結構、足……速いな。

けど、本気ではない俺は……追いかけるのを楽しんでいた。


人気の無い庭園に出る。

息が切れる閑のスピードが落ちる。……いじめすぎたかな?

手首をつかんで、引き止める。

「……はぁ……はっ……」

俺の腕の中へ寄りかかるように、閑がよろけた。

【ドク……ン】

いい匂い……?汗をかいているはずなのに、甘い匂いがする。

これが……

「離……せ……」

頬が火照って、息が乱れ……俺は、何かに誘われるように……キスをした。

「……ん……?」

一瞬の強い力で、閑が抵抗したが……走りつかれていたのか……続かない。

柔らかい……

っ!!

我に返って……唇を離す。

閑は……驚いた眼。俺も、驚く……自分が何をしたのか……。

「~~!!」

【バシッ】体力が戻ったのか、平手は痛かった……。



結局、エモノには逃げられたな……。

何だろう、今までにいないタイプの女。あいつなら、強いし……。

学校が違うから、この学校の女にいじめられることもないか。

丁度いいんだけどな~~。剣道部には、入りたくないしな~~。

俺は、閑を掴んだ手をじっと見つめていた。

「何、手なんか見つめて……いやぁ~~らしぃい~~。」

家に遊びに来ていた綾。

「……襲うぞ……」

「いやぁ~~ん。若かりし頃の優貴を思い出すぅ~~」と、抱きついてきた。

冗談だとは、分かっているが……

はぁ。何故か、感じないんだよな。俺、おかしいんだろうか?

いつもは、軽く受け流すけど……ちょっと、試してみたくなった。

腰に手を回し、持ち上げ……ベッドに寝かせ……そのまま、俺の重みをかける。

【ビクッ】反応?

「ちょ、嵐……冗談……いや、ちょっと……待って……」

お、何か可愛い。

首元に、唇を当て……滑らせる。

「……んんっ……」

やばっ……このままいくと、止められない。

【ゴチン】ゲンコツが、頭に落ちた。

「あ~ら~しぃ~~?」

怖い、兄貴の声。

「痛い……」

綾から、体を退け……立ち上がる。

「綾が、悪いんだぞ!」

「……あぁ。後で、お仕置きだ……。」

綾は、涙目で……ベッドに座って……兄貴を見つめる。

「……ぐっ……そんな、可愛い顔してもダメ!あぁ~~、畜生!!」

なんて、言いながら。

綾を抱っこして、隣の部屋に連れて行く。

……ちっ、コンビにでも行くか!

全く……。壁は階段のおかげで薄くはないが、想像しそうだ。

知らない間に、隣でするのはいいけど……。気を遣うぜ。

彼女かぁ~~。はぁ……

興味ないわけじゃない。

さっきだって好きでもない綾と、危うくなりそうだった。

体と心は違うのか……?

綾、いい匂いがしたなぁ。柔らかいし、感じて……て、ダメだ!!

友達を、そんな眼で見ちゃ!!



「嵐?久しぶり!」

この声は、麗季れき……俺の初恋の人。

「よぉ。……て、ヒツジ……お前も一緒か?」

ニヤ……俺は、近づいて麗季の両胸を触った。

「………。」

冷たい目で、麗季は俺を見る。……感じないらしい。

「これは、俺のだ!!」

ヒツジは、威嚇しているが……。

「……ちっ、つまらん。」

「……嵐、彼女作れば?」

ヒツジに抱かれ、胸を触られているままの麗季。

「ヒツジ、痴漢で警察呼ぶぞ?」

自分のことは、棚にあげ……

「麗季、そんな狼やめて俺にしとけ!」

「ふふっ。ばぁか!」

最高の笑顔。

あぁ、まだ……好きだ。小学6年の時から、俺は……動けないでいる。

君の言葉が……今も、胸にある。

「嵐……」

麗季は、少し悲しそうな顔になる。

やべっ……心配させるようじゃ、まだ……子供だな。

二人は、大学生……年の差は、縮まらない。


「……嵐!!ここで会ったが100年目だ!!」

……?何か、古い台詞だな。

3人の間に入りこんだのは閑だった。

くすくすと、笑う麗季。

不機嫌なヒツジは「絶対に、お前にはやらない!近づくな!」と、捨て台詞。

二人は、仲良く歩いていく。

俺は、閑を忘れ……見送った。

「……初恋の女性か?」

「あぁ。綺麗だろ?」

「……ふん。どうでもいい!再試合をしろ!」

くっ……こんなところまで、試合かよ?

「……そうだな。俺が勝ったら、お願いきいてくれる?」

「あぁ!」




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