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嘘を吐く貴方にさよならを  作者: 桜桃
個性の花
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赤い薔薇

「え、黒華先輩に告白された!?」


「うん、思わず断ってしまったんだけど。何故か諦めてくれなくて、明日から覚悟しろよって、言われた」


「熱烈だね」


「はぁぁぁぁぁああ。どうしよう…………」


 花鳥高校の教室内、一つの机を囲い二人の女子生徒が話していた。


 一人は昨日、花壇で三年生の黒華優輝に告白された蝶赤一華(ちょうせきいちか)、個性の花は赤い薔薇。


 腰まで長い赤い髪が特徴的で、前髪で見え隠れしている黒い瞳が彼女の美しさを際立たせている。


 もう一人は、黄茶色の髪を肩まで伸ばし、茶色の瞳をしている一華の友人、糸桐真理(いときりまり)

 個性の花はマリーゴールド。


 二人は中学校から共に行動する事が多く、仲良し。そんな二人が話している内容は、一華の昨日の出来事。


 学校内では一匹狼だの、冷たいなど。

 黒華優輝は色々噂が立てられており、誰も自ら関わろうとはしない。


 一人で行動する事も多く、自ら一人を望んでいるようにも感じる孤高の存在だった。


 そんな彼は謎に包まれており、誰もが知っているはずの”個性の花”すら、誰も知らない。


「…………そういえば、一華の個性の花が赤い薔薇だってこと、黒華先輩は知っているのかな」


「え、あー、どうなんだろう。でも、なんで?」


「黒華先輩の個性の花が薔薇だった場合、一華に告白したのは赤い薔薇目的の可能性があるでしょ? もしかしたらだけど、助けてあげようと思っての告白かもしれないし」


「そんな事あるわけないでしょ。あの、黒華先輩だよ? 噂通りの人だったら、人を助けるなんて思考すら持たないでしょ」


 薔薇の三色には、それぞれ言い伝えがある為、二人はその事も視野に入れ考えていた。


「でもさぁ。個性の花が赤い薔薇である一華にとって、もし黒華先輩が薔薇の持ち主なら断る理由がないと思うんだけど」


「それは…………確かにそうだけど、それはなんか違う気がする」


「なんで?」


「だって、それって相手を個性の花としか見ていないという事でしょ? その人自身を愛していないことになるじゃん。そんなの、お互いに辛くなるだけだよ」


「律儀だねぇ」


 頬杖をつき、真理は一華を見る。


 何とか解決策はないかと考えているけれど、そもそも優輝が何を考えているのかわからないため、対策の立てようがない。


「でも、聞いてみるだけ聞いてみてもいいんじゃない?」


「それ、個性の花を目的としてそうで嫌だ」


「むぅ…………」


 真理が唇をとがらせると、教室に担任が入ってきた。


 席を立っていた生徒は自身の席に戻り、騒がしかった教室内が静かになる。


 教卓に立った教師は教室内を見回し、出席簿を置いた教師は、顔にかかっている明るい茶髪を手ではらい、強気の表情を向けた。


「では、これからSHRを始めます」


 響く声を意識し、教師は手に持っていた出席簿と今日使う資料を手に持った。


 一華達が通う2-Bの担任の名前は、侭 朝花(じんちょうか)

 個性の花は沈丁花(じんちょうげ)


 薄紅色の髪をあえて明るい茶髪にし、グレーのスーツを身に纏い、いつも強気な表情を浮かべている。

 そんな彼女は天然発言が多く、表情と言動が合っていないと生徒からは癒し教師と呼ばれていた。


 そのように生徒から呼ばれているとつゆ知らず、いつものSHRが終わり、一時間目が始まるチャイムが鳴る。

 遅刻しないようにと朝花は伝え、職員室へと戻って行った。


 次の授業の準備を終らせ、真理は一華の方へと振り向いた。


「一華。確か、侭先生って、黒華先輩の義姉じゃなかった?」


「あ、そういえば……。弟が大好きすぎて、少し危ない先生って聞いたこともあるかも」


「そっちではあまり有名ではないんだけどね。まぁ、そこはいいや。だからさ、先生に聞いたらいいんじゃない? 義姉弟だったら義弟の個性の花を知っているでしょ? それと、なにか一華について話していないかもついでに聞けるし」


「でもなぁ…………」


「答えてくれるかもわからないんだしさ、放課後にでも聞いてみようよ。聞くだけはタダだよ」


 まだ悩んでいる一華をごり押しをして、真理は放課後に職員室に行くことを約束させた。

ここまで読んで下さりありがとうございます!

出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!


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よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ

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