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【アーカイブ】ベルフェゴールの手記

 魔王ムレク訃報の知らせが届いた

 だがワタシには関係のないことだ

 さして興味や関心を惹かれない

 それは当然だろう

 ヤツが魔王であったのは、形式上の話だからだ

 その気になればヤツの地位を奪うことができた者など、この魔界には腐るほどいる

 それをしなかったのは、この数百年の間に起こった数々の面倒事に、皆疲れていたからに他ならない

 戯大神ディブルと共謀した、フィストレーネ王国女王ソニアによる人間界での大戦争の余波

 魔神ドルギエスの封印

 大魔王ベリオールと勇者ルナ・ホワイトの禁断の愛

 大魔王ベリオールの魔界出奔

 空席となった魔王の座を巡って起きた、度重なる跡目戦争


 魔界に住む者たちは疲れ切っていたのだ

 だからヤツのような図体がデカいだけの魔王でもよかったのだろう

 それで内輪での争いが終わるのだからな

 だが、そのムレクが勇者どもによって敗れ去った今

 魔王の座を巡って、この魔界で再び多くの血が流れるだろう

 これまで機会を窺っていた連中は、一気に動き出すはずだ

 クレフィラ、ディドロスは当然のこと

 アシュマやミュウオンといった連中も動くかもしれない


 ワタシはこれまで通り、ワタシがやりたい研究や実験を続けるだけだ

 誰が魔王になろうとも関係ない

 それにしても……

 ムレクの訃報には興味を惹かれなかったが……

 おもしろい話を聞いた


 ムレクを倒したのは勇者とその仲間ではなく、突如現れた人間の子供だというではないか!

 その子供は武器も持たずに、あのムレクの巨体を殴り倒してしまったらしい

 なんという馬鹿力

 レリクス持ちか、大神の使いか、はたまた転生者の類か……

 転生者であることを祈ろう

 その者を捕らえ

 肉体の隅から隅まで弄り、切り開き、調べつくし

 その秘密を暴きたい!

 そうと決まれば急がねばなるまい


 魔王の座などクレフィラやディドロスにくれてやってもよい

 だが魔王を倒したその子供

 そいつだけはワタシが手に入れねば

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