第一章(3) お父様の命令通り、キレイなドレスで着飾る私
お父様に内緒で街に出かけ、出会った男の人と一緒に街歩きをして、3回目寝て起きてを繰り返した日、つまりあの日から3ヶ月が過ぎたの今日、
私は女中達にドレスアップをされていました。
その理由は今朝、お父様の付き人が私の部屋を訪ねてきて急に、『今日の夜会に私と同伴で参加しろ』と言われたからでした。
お父様の命令に逆らっていいことはないので、渋々わかりましたと伝えると、仕事でしか私に関わらない女中達が私を化粧室へ案内した。
「お嬢様、お似合いですよ」
そう言われて眼の前の鏡を見ると、そこにはとても美しく飾られた私が映っていた。
「・・・・お願い、もう少し目立たなくして」
「お嬢様のお願いでしてもそれは出来ません」
私は、極力目立ちたくない。
けれど、この私の気持ちはいらないもの。
・・・・お父様の命令に逆らうことはしてはならないから。
私は、こんなきれいなドレスを着ていいような人間ではない。
私はお父様と一緒に人を殺している。沢山。
それなのに、こうして着飾って、誰かの前に出ないといけないなんて・・・・。
私はお父様の望み通りの派手なドレスを着て、我が家で一番大きな馬車にお父様と乗り、会場へ向かったのだった。