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最終章(4) 異例の結婚式と、蝶とランプ
そして、それから二ヶ月後。
「ここに、リオセスリ・テスロとベルア・シアンの婚約の儀を執り行う」
私たちは無事、結婚式を迎えることが出来た。
「ベルア、あなたは私の蝶だった」
そうテスロ様、いえ、リオ様が言った時、会場がざわめいた。
普通の式なら、太陽と月と言うはずの場面だ。
「繊細だからこそ明るく美しい。そしていつも暖かい温もりと優しさをくれた。僕はこれからも彼女の隣で彼女の明るい笑顔を守ることを誓います」
言葉を考えて、相談していた時から思う。
それは、私のセリフだ、と。
冷たい世界にいた私を、貴方は何も特別なことはしていないというようにあっさりと、明るい世界へ連れて行ってしまった。
「テスロ様、あなたは私のランプでした」
蝶とランプ。
どうやっても対にはならない。でも、私たちはそれで良かった。
「道の分からない私を、暗い道を歩く私を、いつも照らして案内して下さいました。これからは照らされるだけではなく、照らして一緒に人生を歩むことができるよう、尽くすことを誓います」
そう言い終えた時、私は一ヶ月前のことを思い出していた。