第五章(6) 告白、意地悪な提案、それから彼女の表情 By リオセスリ・テスロ
目が覚めたベルティーアは、全く、嬉しそうじゃなかった。
早く殺して、罰して、罵って。そんなことばかり言っていた。
そんな彼女に、僕は、自分の気持ちを伝え始めていた。
「・・・・罰してよ!私が殺したのっ!私が洗脳したの!私が、テスロ様のお父様も殺したのっ!」
「そんなことないよ」
「私は、テスロ様からそんな言葉をもらっていい人間じゃないのっ・・・・」
『ベルティーアへの愛』を伝えた時、ベルティーアは一番苦しそうにそう言った。
今の彼女には、どんな言葉が響くだろうか。
あの親に、小さい頃から、洗脳され操られ、人を目の前で殺され続けた彼女に。自分を責め、罪を背負おうとしている彼女に。
「じゃあ、償ってほしい」
そう言った時の、彼女の表情は、僕が想像していた通り、嬉しそうだった。
「これから、僕と生きて」
ごめんね、ベルティーア。
僕は今、こんな形しか、君と一緒になる方法が思いつかない。君のその罪悪感を、利用することしか、思いつかない。
「・・・・嫌です」
・・・・そ、そうだ。
今、ベルティーアは、僕の命令を聞かなきゃいけない状況にない。どちらかと言えば、従わずに殺してもらう方が嬉しいだろう。
それに、僕がベルティーアを好きだとかは関係ない。きっとベルティーアにとって僕は『殺してしまった人の息子』で、恋愛対象ではないのだろう。
「変な提案して悪かった」
「ほ、ほんとよ。そんなの、テスロ様にしか償えないじゃない」
「けど、僕はベルティーアのこと好きだ。ベルティーアを失いたくなかったし、目覚めてくれて本当に嬉しかった。ベルティーアは、そんなこと無いと思うけど・・・・」
そう言った時のベルティーアの表情が陰ったのを、僕ははっきりと見た。




