第五章(2) 現行犯 By リオセスリ・テスロ
「テスロ家には代々お世話になっている。だからこそ、跡継ぎ君にはこれからの期待も込めて、月光姫に会ってもらいたくてね」
「そ、そんな、恐れ多いっ・・・・」
「これからの君の活躍次第では、また会うこともできるだろう。期待しているよ」
「はい、ありがとうございます!」
「なら、月光姫に忠誠を誓う姿で待っておれ」
入口の方を向いて跪く。
手を握り合わせて、目を瞑る。
「月光姫の〜」
ドアが開いた瞬間、僕の首には・・・・。
「な、何をするっ!」
何も当たらなかった。
「お前らは・・・・」
僕の背後で、大きな斧を振り上げているシアン男爵を取り押さえているのは・・・・。
「こんばんは、シアン男爵。王家直属のテロ対策部です」
僕は、暗殺計画を知ったその日に、内密に王家直属のテロ対策部隊に連絡をしていた。
「シアン男爵、殺人の現行犯で逮捕します」
「は、お前たち何を言っている!王家直属の人間とはいえ、月光姫に逆らうのか!」
「・・・・連れて行け」
「こんなこと、月光姫が許さん!月光姫よ、天罰を下す相手はここにおるぞ!月光姫!」
シアン男爵は、連れて行かれてもなお、月光姫〜!と叫んでいた。
「ご協力感謝する、テスロ家当主」
「感謝には及びません。ところで、姫は・・・・」
「姫は、僕らが突入した時に保護したが、すぐに眠ってしまったため、先に本部へと連れて行った」
「・・・・そう、ですか」
「君は姫の婚約者か何かなの?」
ついに、僕はそう聞かれてしまったのだった。




