第四章(3) 温かすぎる貴方では私は救えない
「君はなにも悪くない」
懺悔の後に聞いた声は、予想外のものでした。
「その言い方では、直接手を下しているわけではないのだろう?それなら、悪いのは君じゃない」
・・・・温かすぎて、逆に傷が抉られる音がしました。
「ありがとうございます」
「・・・・ベルア姫」
「ですが、テスロ様がどう言おうと、私に出来ることはありません。お手数ですが父へお話していただけると嬉しいです」
「・・・・そうか、わかった」
わかってる。
テスロ様が私を励まそうとしてくれたことは。
けど、そんなことではもう、その気持ちは変わらない。
今までの後悔と懺悔は、なくなることなく、増えていく。
温か過ぎる貴方では、私は救えない。
「そろそろ帰るよ。ここで僕だと大騒ぎになったら、君のお父君にお話すらさせてもらえないだろうから」
「・・・・はい」
「ベルア姫、夜分遅くにすみません。また」
「・・・・はい」
テスロ様が屋敷の敷地から居なくなったことを確認した私は、その場に倒れ込んだ。
支給服姿の誰かが部屋に入ってきて、大きな声を出している。
何が、起こったの・・・・?
目の前が見えなくなって、意識が遠のく中、やはり願ったのは、
『私の死をもって罪を償うことができますように』
だった。




