第三章(6) わからないことわかったこと By リオセスリ・テスロ
途中からベルア姫の様子がおかしくなった。明らかにおかしいとわかったのは、月光姫の話をしてからだった。
月光姫の正体がベルア姫だということは、僕はもう知っている。そのことを彼女も知っているはずなのに、どうして彼女は動揺したのだろう?
そんなことを考えながら、僕は彼女の屋敷を出た。
「主様、情報が入りましたのでお伝えいたします」
自分の屋敷に戻ってすぐ、僕の部屋を訪ねてきたのは、月光姫について調べるようにと伝えていた人物だった。
「何がわかった?」
「月光姫、というかあの家の情報です」
「・・・・それがどうかしたのか?」
「あの屋敷で、大量の人物が行方不明になっています」
「え・・・・?」
「ですから、月光姫の屋敷に向かったまま、行方不明の者が大量に発生しております」
行方不明になっている人物を追う手がかりの最後が、月光姫の屋敷だというのか?
「・・・・どういうことだ?」
「 月光姫が活動されている日、月光姫はパーティーもしくは屋敷にいると見られています」
「別に、変ではないだろう?自分の家のパーティーなのだから」
「はい。しかし、月光姫が屋敷で開かれるガーデンパーティーに出席していなかった日に限って、何人かの貴族の方が、その屋敷の中に呼ばれているのです」
ガーデンパーティー・・・・?
僕が行ったのは、ガーデンパーティーではなく、建物の中で行われた、立食形式のパーティーだった。それとは違うパーティーということだろうか?
「俺が行ったのは、ガーデンパーティーではないな」
「ガーデンパーティーは、招待状をもらわないと入れない仕組みだそうです」
招待状か・・・・。
「なるほど。続けてくれ」
「そして、そのガーデンパーティーの途中で数名、屋敷の中に呼ばれる者がいるそうです。その、屋敷の中に呼ばれたものが、後々行方不明になってることが分かりました」
「月光姫はその時、どこに姿を現すんだ?」
「詳しいことは教えてもらえませんでした」
「それをなんとか調べるのがあなたの仕事なのでは?」
肝心なところが調べられていない事に苛立って、そう聞いていた。
「答えると月光姫の恩恵を授かれない、とおっしゃって、皆さん教えてくださらないのです」
月光姫の恩恵だと?そんなものあるものか。なぜ行方不明者が出ているのに、恩恵などという言葉がスラスラと出てくる?
「・・・・わかった。もう少し詳しく調べてみてくれ。何かわかったら連絡が欲しい」
「かしこまりました」
月光姫、今日の話もそうだが、貴方様の家の裏には、何があるというのか・・・・。
ベルティーア、あなたは何を、僕に 隠しているんだ?
そんな疑問しか、頭に浮かばない僕だった。




