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第三章(4) 父上と月光姫 By リオセスリ・テスロ

「お父君が今まで、行き先を告げずにお出かけになったことはありますか?」

「今までは無かったんだよ。家族だけに通じる隠語みたいなので話すことはあったけど、無言で出かけることは無かったな・・・・」

僕は父のこれまでを思い出しながら、ベルア姫の質問に答えていた。


「隠語、ですか?」

「そう。あんまり公に出来ないことを隠語を使って伝えてたんだ。お父様は家族以外の人間をあまり信じていなかったから」

「そうだったんですね・・・・」

いつも父が隠語を使って話すことは決まって、政治のことが多かった。あとは・・・・。

「・・・・月光姫」

「え?」

「月光姫のことは、我が家では隠語を使って話す対象でした」


父が月光姫の信者であるということは、僕たち家族の中でしか共有されていなかった。

世の中で、月光姫の信者は身分や家の格を問わず、どんどん増えているらしい。しかし父の解釈では、月光姫を信じられる権利を持つのは貴族だけだという。

そういう考えを持っていたからこそ、使用人たちに、月光姫の美しさを、知られないようにしていたのだと思う。

「・・・・どうして秘密だったんですか?」

「そんな大した理由ではありませんよ。私の父がただ、猛烈に、月光姫を信じていただけですから」


小さい頃から僕は、お父様の信じている月光姫の力を、信じていなかった。そのことを怒られたこともあった。

僕は今でも信じていない、月光姫なんて。

僕が信じているのは、惚れたのは、好きになったのは、月光姫としての君ではなく、僕と一緒に街を歩いたベルティーアとしての君だった。

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