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めんどくさがりの貴方と何かをやりたい私  作者: けろよん


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第1話 貴方の住む家に来る私

 私は藤村静香。幼少の頃より箱入りのお嬢様として育てられました。

 良い学校に入れてもらい、様々な習い事をやらせてもらい、何不自由無い生活を送らせてもらったのには両親に感謝しているのですが、一つだけ不満がありました。

 中学も高校も女子校だったのです。つまり男性の方との出会いがありませんでした……

 親戚や知人の方達には良い学校だねと言われるのですが、私には物足りない気持ちが燻っていました。

 そんな私にも彼氏が出来ました。ネットの世界は偉大ですね。

 そんなわけで連休を前にした休日、私は休みの間の過ごし方を貴方と決めようと、貴方の家の前にやってきました。早速ピンポンを鳴らします。


ピンポーーーン

「……」


 反応がありませんね。それもそのはず、貴方はとても出不精で一回鳴らしただけではまず出ないからです。

 初めて来た時には貴方は出かけていて留守なのかと思い、しばらく待ってから帰ったものですが、私はもう知っています。ここは連打する場面だと。


ピポピポピポピポピポピポピポピポピポピポピポピポピポピポピポピポーーーン。


 子供のようで楽しくなってきた頃、貴方がドアを開けてくれました。私が迷惑だなどと思う必要はありません。貴方がすぐに出てくれていれば必要の無かった行為なのですから。

 私は礼儀正しく貴方に向かって挨拶します。


「こんにちは」


 貴方はよく来たねとにこやかに答えるわけでも迷惑だと不満そうに答えるわけでもなく、ただ短く「おう」と一言だけ答えて上げてくれます。

 そんな飾らない性格も素敵です。


「お邪魔します」


 貴方の家は一人暮らし。靴を脱いで玄関を上がり、部屋に入るとまあ汚れていました。


「汚れていますね。掃除しましょう」


 私の屋敷は業者が掃除してくれるのですが、貴方の家はそうした人達は雇っていないので汚れてしまうのは致し方ないのかもしれません。

 まあ、広くはないので私の手でも足ります。屋敷ではやらせてもらえない行為が出来るのはそれなりには楽しいです。


「終わるまでしばらく部屋から出ていてくださいませ」


 邪魔な貴方には部屋から出てもらい、私は早速掃除を行います。棚に並んでいるフィギュア等を倒すと非常に怒られるのでそちらには掃除機をぶつけないように注意します。

 しばらくして掃除が終わりました。私は隣の部屋で黙ってスマホを見ていた貴方を呼びます。


「掃除は終わりました。もう戻ってきて構いませんよ」

「分かった。おっけ」


 貴方は私を置いて外に行く事はしないのでこういう時には呼びに行くのが近くて助かります。

 貴方は部屋に戻ってきてゲームを再開します。セーブポイントまで行くのを待ってから私は今日来た目的を貴方に話す事にしました。


「あの……次の連休にどこか行きたい所とかありますか?」


 そう、お付き合いしているのですからどこかに出掛けませんと。その思いで私は今日ここに来たのです。

 すると貴方はこう答えました。


「連休は人が多いし別に出かけたくはないかなあ」

「……」


 ええ、分かっていましたよ。貴方がそう答える事は。

 付き合って間もないとはいえ、今日出会ったばかりではないのですから。

 ピンポンを鳴らしてもすぐに出ない事も外の日差しがあまり好きでない事も知っているのです。

 でも、私は行きたかったんです。だって、せっかく付き合ってるんですから何かをやりたいじゃないですか。

 貴方はめんどくさそうにしながらも私の願いを無下に断ったりはしませんよね。

 しばらく黙ってからぼやくように呟きます。


「じゃあ、どこに行く?」


 フフフ、そうしてやる気の無さそうな態度を見せながらも私の意見を聞いてくれるところは好きですよ。


「私はどこでも構いませんよ。あなたと出かけられるなら」

「着ていく服が無い」

「……?」


 そういえば醤油の染みがついた服や穴の空いていた服をこの前私が処分したのでした。

 だって仕方ないじゃないですか。貴方はいつまでも物を溜めていって捨てるという事をしないのだから、私が捨てるしか無いんです。

 でも、必要な物まで無くなるなんてうかつでした。

 私達は近所の服屋さんにさっそく服を買いに行くことにしました。

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