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もしも魔法が使えたなら  作者: きすぎあゆみ
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4・魔法の基礎の学習をする前に

続きの修正が出来ましたので投稿しました。

宜しくお願い致します。

「う…ん…?!」


 気が付いたら、翌日の朝でした。一瞬、今の自分の状況が理解できなかった。ベッドの上にいるのに、なぜか座り込んでいるし?その状態で眠っていたみたいだ。


「えーと何で?」


 今の自分の状況を思い出そうとしながら、自分の恰好を見てみる。ベッドの上に座っている、見習いのローブをパジャマの上から羽織、座禅を組んだ状態で寝てしまい目を覚ました様だ。足とお腹が筋肉痛で痛い。首も少し寝違えた様に痛い。


 時計を見ると午前6時、いつも起きるのは午前6時20分だからもう少し寝ようかと思ったけど、宿題をしていない事に気が付いた。


「ヤバッ…間に合うかな?」


 見習いのローブを脱いでから、学習デスクに着こうとするけど、その前に魔法の書と見習いのローブを片付けないと。両親に見つかると捨てられるかもしれないからね。


 無駄遣いしたのも怒られるかもしれないし、とりあえず見つからない様に証拠は隠滅、隠滅っと!いきたい所だけど隠す場所は、すぐに思い付いたのは、クローゼットかベッドの下。いや、他にもあるだろうと思い部屋の中を見回すと、良い案を思い付いた。


 とにかく魔法の書は本棚の辞書の横に並べて、水晶玉と見習いの杖は学習デスクの引き出しの中に入れて、見習いのローブはクローゼットの洋服掛けに掛けて隠蔽工作完了。

 パッと見ではわからないはずだ。


「ふう、完璧!」に出来たはず。


 たぶん…だけどね。


 それよりも宿題を片付けよう。学習デスクに着きランドセルから宿題を取り出して、急いで取り掛かる。


 それ程難しい宿題でもなかったけど、それなりに量があるので終わらせる事が出来るかなと思いつつ、宿題をこなしていたけど終わらなかった。


 僕の部屋のドアをノックする音で宿題を中断させられた。


「恵一朝よー、起きなさーい」


 そう言いながらお母さんが僕の部屋のドアを開けた。


「恵一、起きてるの?朝ごはん出来たから起きなさい」


「おはよう、お母さん」


「はい、おはよう」


 朝から学習デスクに着いていた僕を不審に思ったのだろう、お母さんの表情が少し強張った。眉毛の辺りが一瞬ピクッてした。


「…」


「関心ね、朝から勉強しているの?」


「…うん」


「ふーんそう、なら良いけど」


「…うん」


 何か、嫌な予感がする。塾に行って無い事がバレてる様な気がする。怖くてお母さんの顔が見られない。


「朝ごはん出来てるから、先に食べて」


「はーい」


 僕は一旦宿題を中断して、1階のLDKに行き家族と朝ご飯を食べた。塾に行って無い事で何か言われると思ったけど、特に何も言われなかった。


 朝ご飯を食べ終わると、洗面所で歯を磨いて顔を洗ったり身支度を整えると、二階の自分の部屋に戻って小学校の制服に着替えてから残りの宿題に取り掛かる。宿題が粗方終わった所でまた宿題を中断する事になった。


「お兄ちゃん、学校に行くよー」


「うん、わかったー」


「先に出るよー」


「ああー」


 僕の部屋のドアの前で、弟が僕を呼びに来た。高木 秀二 小学三年生の少し生意気だけど、可愛い弟だ。僕に似ず名前のとおり優秀な、勉強にスポーツにソコソコ良い成績らしい。両親も秀二には少し甘い気がする。


 僕は終わらなかった宿題をランドセルに入れると、ランドセルを持ち部屋から出た。


 階段を下りて玄関に行くと、お母さんがいて、秀二が玄関から出て行くところだったので、僕も急いで靴に履き替える。


「行ってきまーす」


「はい、行ってらっしゃい」


 家を出て近所にある小さな公園に向かう、僕の小学校は集団登校なので公園で登校班が集合する。近所の十人で登校班が作られている。広場に着くと僕達兄弟が最後だったみたいで、他の皆は集合していた。


「高木遅ーい」


 同じ登校班で同級生、しかも同じクラスの女の子が、僕達兄弟に笑顔で文句を言う。彼女は田坂 智子 十一歳。


 一年前から僕の家のお隣さんで、成績も良くスポーツ少年団のミニバスケットボールの副キャプテンを務めている。同時に小学校の児童会の委員も務めている。


 肌はスポ小のせいか小麦色に焼け少し癖のある長めの髪の毛も日に焼けたのか少し赤茶色い。長いまつ毛に少し垂れ目気味の茶色っぽい目をしたとても活発な女の子だ。スポ小や外で遊ぶのが大好きなのに、勉強も出来る。僕と正反対の性格なので僕の憧れでもある。


 苗字も同じ「た」行なので、学校の行事でも同じ班になったり、ペアを組むこともある僕の頭が上がらない同級生の女の子だ。


 彼女の事を僕は心の中で智ちゃんと呼んでいる。秘密だよ!


「「おはよう」」


「「「「「「「「おはよう」」」」」」」」


「お兄ちゃんが部屋から出て来なかったから遅くなった」


 秀二が早速ばらした。


「ごめん、宿題をしてたら家を出る時間を過ぎてた」


「ふ-ん、で、宿題は終わったの?」


「あともう少し」


「間に合わなかったら居残りになるよ!」


 笑顔でそんな事を言わないで欲しい。いくら僕の成績が悪いと言っても、居残りは嫌だ。しかも僕には、今日から早く家に帰ってする事があるので。


 居残りは断固拒否する。


「朝学の時間に終わらすよ」


「がんばってー」


 智ちゃんの笑顔が可愛い。一瞬見とれたが、すぐに正気に戻る。


「うん」


 とりあえず誤魔化す様に、そう答えた。


「みんなー出発―!」


 智ちゃんの号令で学校に向かって皆で歩き出した。



 学校では、塾をサボった事でワルテットに絡まれたが、無事に朝学の時間内に宿題を終わらせる事ができた。宿題の提出時間に間に合ったけど、朝学の時間に宿題をしていたのが担任の先生に何故かバレていたので先生からはお小言を頂いた。たぶんワルテットの仕業だろう。


 今日も、色々とワルテットが絡んで来るが、いつもの事なので気にしてはいけない。他には特に変わった事も無く無事放課後を迎える事が出来た。


 いえ、出来ませんでした。


 昨日座禅を組んだ状態で寝たので体が痛いのと、慣れない事をしたからなのか授業中に何度も眠たくなった。眠たく無い時には魔法の書の事で頭がいっぱいになり、上の空で授業の内容を全く聞いていなかった。


 その事で放課後、職員室に呼ばれて担任の先生に再度お小言を頂きました。職員室でいかにも反省していますって顔をして担任の先生のお小言を聞いて、お小言が終わり職員室を出た瞬間ダッシュで家に帰った。


「高木おかえりー!」


「ただいま!田坂は今からミニバス?」


 家の前で自転車に乗った智ちゃんに出会った。自転車に乗りスポ小のジャージを着て、真面目にヘルメットを被っている。


「そうだよ、高木も何かスポ小に入ったら?」


「僕は良いよ、運動神経が良くないし」


「運動神経が良くないって言っても、そんなに悪くないと思うけど?」


「そうかな?」


 笑顔で好きな女の子にそんな事を言われると、その気になってしまいそうになる。男は…僕は単純な生き物なので。


「たぶん!」


「それってフォローになって無いじゃん」


「へへっ、ばれたか!じゃあねーっ」


「ちぇっ、行ってらっしゃいー」


「行ってきまーす」


 智ちゃんは自転車に乗って学校に向かって行った。


 家に帰ると玄関のカギを開けて家に入る。お母さんは仕事で午後6時過ぎまで帰らないし、秀二は学童保育なので午後5時過ぎまで帰らない。今から約一時間は僕のやりたい放題だ。

勢いと思い付きで書いております。

読んで頂いている皆様、内容の齟齬等はご都合主義と言う事でご容赦下さいませ。

感想やアドバイスを頂けると嬉しいです。

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