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80話 頑張る日々 14「決闘当日 前編」

本日は晴天なり。

うん、良い決闘日和だ。


朝食も軽めにし、ウォーミングアップも既にした。

ストレッチも丹念に行った。

身体に異常はない。

あるのは・・・


ダイス~、勝て~、お前に賭けてんだ!

トール!負けんなよ、酒がかかってんだよ!

ダイス!また負けたら承知しないからな

ダイス!お前に今晩の酒代かかってんだからな!

ダイス!お前また喧嘩か?もっと家のことしろ!

トールってこんなことするような奴だったっけ?

っていうか熱だったんだろ?

骨、折ってたよな?

それですぐにこれか?

はぁ、意外と喧嘩っ早ぇなぁ

俺久々な気がする、あいつ見るの

一週間は家にこもってたからなぁ

それでコレの原因ってなんだ?喧嘩じゃなくて決闘って

何でも女絡みらしいぜ

ひゅ~、やるねぇ、小せぇのに


・・・おい暇人共、仕事しろ。

そこ神父・・・は怪我用か?なら良いや。

男のごつい声ばかりだが、女性も何かしら賭けをしているようだ。

村人が集まっているのだろう。

娯楽が少ないからか。

あっ、母さんがぺこぺこしている。あの人がダイスのお母さんか、ごめんなさい、心配ですよね。


「・・・ダイス・・・乱暴・・・殴ってでも・・・・・矯正・・・むしろ助かる」


雑音が多い中、少しでも聞こえてきた単語、たぶん何か重大なところが抜けているんだろう。

そうでないとダイス・・・お前、母さんにも心配してもらえないって・・・うっ(泣

僕?外のヤジについて?的確過ぎて何も言えませんよ?


観衆にはもちろん子供達もいる。

特にルリちゃんは顔の色が悪い。


「さて、お集まりの紳士淑女の皆さん、今回のイベントは我等が愛し子トールと、ダイス君とによる、決闘です!準備は良いですか!」

おおおおおおおおぉおおおお~!!

司会はいつでもこの人、チャームポイントは骨、ヴィトで行います。

ちなみに立会人でもありますが・・・観衆が立会人で良くね?

あと・・・・・・・・・・観客が何の準備するんだよ、あ、酒でしたか、あとで砂飛ばしてやる。


「ということで、両者入場してください」


さて、行きますか。

服はいつもの。

靴もいつもの。

・・・靴そろそろ買え時かなぁ。この前たぶん何十キロとかは走ってたと思うんだよね。

正確な地図が欲しい・・・いや、いらないか。大体分かれば良いや。


僕が細く丸くなっている観客の輪の、端の方に立つ。

対して、ダイスはその反対の所くらいに立つ。

彼の服装は皮の鎧。飾り気のない兜OK、胴と肩周りOK、小手OK、脛当てOK、間接周りは何もなしと。

小手は良く見ると鮫肌のようにギザギザがついている。

握ると拳のところにギザギザが来るのだろう、出血狙いか・・・ドワーフの長の仕事は細かいところまで良いね。限られた材料で、良い物を作ってくれた。


あれ?ダイスだけ鎧?

なんで?ずるくね?

あぁ~、賭ける対象間違えたぁ、知らねぇよ、こんなルール

っていうかもうあいつ泣いた跡がないか?


確かに泣いたような跡がある・・・何かあったか?


「今回の決闘はトールが申し込んだものになります、ダイス君が鎧なのもトールの指定です。武器は拳や蹴りなどのみ、武器は駄目です。決闘の経緯はダイスが最近格好悪いからという理由らしいですが、どういう意味なのか!?ダイス君が勝ったらトール家の武器を1つプレゼント、トールが勝ったらダイス君には女の子の扱い方レクチャーの刑!立会人は私、ヴィトと皆さんです。決闘は戦意の喪失か、20秒間立てなかったら・・・さぁ、どうなるか!・・・両者準備は?」


「おい、トール」


「なんだい、ダイス」


「あれ、お前のところの骸骨だよな」


「そうだねぇ」


「なんか、鎧着せられる時により安全に、とか言って痛めつけられたんだけど、すっげぇ痛かったんだけど!!」

とダイスが涙目でキれている。


ヴィトを見ると、

「ストレッチですよ?」

と答えがきた。


うん。

「ストレッチなら仕方がない、慣れてないと痛いよね」


「痛いよね、じゃねぇんだよ!戦う前からこっちのやる気を削ぐ気か!?ずりぃぞ!!」


「いやいや、こうね」

と前屈をする。両手の掌が届く。

「あと、こうだったりね」

と足を180度開く。

「身体を少しでも柔らかくしとくと怪我が減るんだよ、本当に。同じこと僕もやってるよ?なんだろう、ただ硬い木より、しなる木の方が強いって感じ。だから、安全のためだから、仕方ない。ただ、無理に柔らかくしようとすると、変なところが切れて動けなくなるから注意が必要だけど・・・そういうのはある?あったら・・・龍の血で・・・」


周りからへぇ~っと声があがる。


「・・・・・・動かない場所はねぇが、痛かった」


「痛みで身体が動かないとかは?」


「・・・・・・ねぇよ」


「じゃあ、大丈夫だね」


「後、もう一つ」


「なにさ」


「お前が鎧を着ない理由、話すって言ってたよな?」


「・・・あぁ~、言った気がする。言う?」


「言え」


「・・・この前の骨折さ、あれ転んだって嘘なんだよ。実際はね、ハーヴィ達に剣の稽古をつけた剣の達人のスケルトンにね、実戦形式で稽古をつけてもらってたんだ。防具はなし、武器は鉄のなまくらの剣や鉄の棒で。期限は僕がとりあえず動けなくなるまで、気絶しても水ぶっかけてもらって叩き起こしてもらって、それでも動けなくなるまで」


「「「「「「「「「・・・・・・・・は?」」」」」」」」」


「あっ、そんなことした理由は内緒ね、稽古は目的じゃなくて手段だったから。あ、あと!皆にも稽古をつけてもらえるようにしてもらうつもりではいるよ?独り占めは良くないから、だけど、怪我をしないような良い武器がなくて・・・木剣とか数ないし、作っても壊れるし・・・、その辺の問題片付けたら皆も稽古つけてもらえるようにするよ!」

独り占めするような狭量の人間とは思われたくない。

ハーティ達?独り占めしますが何か問題が?狭量?それで結構。文句があるならかかってこい。


「・・・何やってんだ、お前、馬鹿・・・まぁ、良い・・・んでも、それが鎧着ない理由にはならないだろ」


「うん、それでね、気づいたんだけど、この身体は「祝福と加護」のおかげで大分防御力が高めになっているんだよね、あれだけの怪我をしたってことは、逆に言えばあれだけの怪我をしないと動けるってことでもあるし。鉄の棒も、そんなに耐えられないほど痛いってわけじゃなかった。そして、力も鉄の棒を力一杯振り回し続けられるくらいにはある。だから、鎧はいらない、攻撃力が上がる小手もいらない」


「・・・・・・・・・・・・・・・・俺だって「祝福と加護」で力ついてんだぜ?お前ほどかは知らないがよ・・・・・・舐めてかかりやがって。後悔してもしらねぇぞ、泣いて終わりだと思うなよ」

額に血管が浮き出そうな怒りの表情だ。

よほど侮辱されたと思っているのだろう。

だが、今日はその火にガソリンをドバドバと注いでやるよ。


「後悔?はっ、させてみろ、これから始まるのは決闘だがな・・・・・・一方的にただお前がやられるだけの喜劇でもあるんだよ、他に聞いておきたいことは?」

と嗤ってみせる。


「ねぇよ、ぶっ殺す」

もう真顔だ。


「まだ寝言を言えるのか、凄いなお前。今までのも寝言か?その芸で食っていけるよ。・・・お前なんかが俺を殺せるものかよ、夢に逃げないで現実を見ろよ、臆病者が」

とりあえず、ガソリン注入。


「・・・・」

無言で構えるダイス。

両腕を胸の前で構えるスタイル。

ボクシングとかなくても、共通なんだろうか、このスタイル。

僕も同じスタイルをとる。

彼よりも力を抜いて。


「両者の間で既に火花は散っています!では、準備ができたようですので・・・よ~い、始め!!」


ダイスが一直線に駆けて来る。

僕も同じ位のスピードで走る。

広場の真ん中でやりあいたいからだ。

観客に怪我をさせたくない。


・・・にしても、7才というと・・・

大学入学時には酒をギリギリ飲めなかった気がする。

そうすると19才で大学入学?今は18才で飲めるのだったか?あれ?どうだっけ?まぁ、良いや。

16才位で高校入学か?

13才で中学入学?

7才だと小学校入学位?

大体そんなかな?

僕は当然として、ダイスも明らかに感情表現や語彙の豊富さ、走るスピードなど7才児じゃないね。

小学校入学時とか走ってもトテトテだろう。

明らかにダダダダって音がする。

少なくとも小学校6年~中学3年くらいだろう。

「祝福と加護」は凄いな、重ねがけされている部分は当然あるにせよ。

知能は最も鍛えやすいから、感情表現や語彙の豊富さなど、早い段階で相当高くなるとは思っていた。

今回の決闘のきっかけのダイスの嫉妬の表れ方も小学校1年生レベルではない。

だけど、それも当然かと思えた。

だが、身体能力もそれ相応に高い。そういえばあいつの家って何しているところだっけ?農業とかなら更に足腰が鍛えられていてもおかしくはないが・・・。


そんなことを考えていると、

「・・・っシッ」

といかにも大振りなテレフォンパンチがきた。

ので、とりあえず前に出て、肩と腕を掴んでぶん回して手を離す。


「おわっ!?」

と顔面から転びそうになったのを両腕を顔面の前に揃えて、ズザザザ~っと音を立て地面を擦っていく。


「うん、受け方は良いね、変に手をつくとそれだけで骨折とか怖いし。今のは顔面から地面を擦っていく形だったから小手で顔面を防御したのは特に良い。ただ、攻撃がなってないね」


「・・・」

無言で立ち上がり、こちらにまた駆けてくる。


「拳での攻撃の基本は最短距離で、相手の背後を狙うようにして打つ」

一度軽くジャブで顔面を狙う。ちゃんと防御してくれたので、空いている胴体の中心部分を

「こんな感じに」

右ストレートで打ち抜く。


「ぐっ、ふっ!」

と吹っ飛ぶダイス。

手加減はしています。


次はこちらから、距離をつめて、

「つまり、相手との距離を正確に知らないと駄目、だから、利き腕じゃない方も重要でね、こんな風に」

とジャブを顔面に、次は鋭く、けど軽く当て、

「距離を図り、足りなければ一歩踏み込んで、打ち抜く」

次は防御に成功したダイスだが、防御ごと打ち抜く。


「っ!」

防御していたので、相応に力を込めたが、込めすぎたようだ。

結構、後ろに下がっていってしまう。


「分かった?」


「・・・っるせぇよ!」

とまたも猪突猛進・・・の振り、あれは蹴りだな。

「喰らえ!」


「残念」

と足を掴んで、そのまま勢いを利用して、回転して投げ飛ばす。

「タメが大きい攻撃は相手の体勢が崩れてからにしましょう」

と言いつつ、ダイスの下へ駆ける。

ダイスが地面に叩きつけられたところで、踵を高く上げる。

「こんな風にな!避けなきゃ、試合はお終いだ、ダイス!!」

と踵落としをお見舞いするも、気づいたダイスに避けられる。


しんとしていた会場が一気に沸き立つ。


だが、ダイスはそちらを見ない。

良い、実に良い。


しばらくダイスの攻撃を、逸らし、避け、掴んで投げてを繰り返す。

こちらからはたまに数発入れる程度。

だいぶ、頭も冷えてきたのか、ダイスの攻撃も言ったところを直し向かってくるので、どんどん良くなる。

と、また投げられたところで、ダイスが不思議そうな顔で言ってきた。


「お前・・・・・・本当にトールか?」


もっふもふにしよう!


この小説では現在「勝手になろうランキング」で

22位 (にゃんにゃん)

11位 (わんわん)

を目指しています!

もし良ければ、後書き下の「勝手に小説ランキング」タブをクリックしてくれると、

作者がもふぅっとします!


どうかご協力よろしくお願いします!


最近、80位くらいから上がれてなくて、22位が遠くて・・・orz

えっ更新サボってたから・・・ははっまさか(白目


乾燥注意!

仕事場とか、家とか、エアコンつけてると喉痛めますよ!

気をつけて!!





もっふもふでもふもふな世のために!


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