218話 学ぶ日々 49「パーティの始まり 破」
「さぁ、宴だ!いつもながらこんなこと位しかできないからね、遠慮せずに食い貯めて、飲んだくれてくれ!杯は持ったか?神と食材に感謝しながら、杯を掲げろ!乾杯!!」
乾杯という唱和が続き、各所で肉が焼ける音がする。酒を、ジュースをゴクゴクと飲む音がする。大声で話す輩、子どもの高い声、ここまではいつもと同じだ。なんなら手拍子だったり、形も何もない男女がくるくると腕を組みながらのダンスがそこかしこで行われているのもまぁ同じだろう。
違うのは僕達の周りに人垣ができていることだ。やはり学校というものに憧れ・・・ではないか、興味があるようだ。しかし、困った。授業がまだ始まってないから話すことも無い。しかもこのままだとこの後の余興の準備ができない。
そう、実はこの後の余興こそが実は本当の今回の宴の目的である。その名を復讐とも呼ぶ。仕掛け人は僕、ヴィト、ハーティ、スコール、スロールである。ちなみに発起人はもちろん僕。村にはこのような集会ができる広場があり、誰かが話す為の檀上があるのだが、そこにとある仕掛けを念入りにしなければならない。でないとこの後に惨劇が村単位で発生するだろうからだ。ターゲット以外を傷つけるつもりはない。余談だが、実のところこの仕掛けがないと村がどうなるかは僕にも分かっていない。意外と何でもないかもしれないし、地獄のごとく皆がのたうち回るかもしれない。ただ最悪に備えるのは当然のことだろう。ターゲット・・・今は誰かを秘密にしておくが・・・仕掛け人のメンバーで大体が分かると思うが・・・にばれないように舞台に細工をしなくてはならない。主な注意を僕とスコールとスロールが引いて、ヴィトとハーティが舞台に細工をしに行く。ターゲットは何かしているのには気づいているようだが、どうせ後で分かるだろうと気にもしていない様子。後で後悔させてやる。・・・とは言えど、後悔させるにはまだ材料が足りない。材料は彼が持ってくることになっていたんだが・・・はて?
目当ての彼が来ないとどうしようもないので、ヨルムンガンドを連れて挨拶まわりに行く。男子3日会わざれば刮目して云々ではないが、同世代の村の子供らの顔つきが大人になっているのが特に目を引く。どうせ僕は変わっては無いのだろうが。
この世界では完全な世襲制ではないが、大半が親の跡を継ぐ。なぜならば小さい頃から携わってきたものほど経験が溜まり、それが神父から与えられるジョブの選択肢に反映されるからだ。都市部ではパン職人というジョブも、猫飼いという職もあるほどだ。ちなみに猫飼いは鼠を捕まえるのに長けた猫をたくさん飼っており、それを方々の家々に貸し出すのが仕事である。羨ましい仕事の一つである。それらのジョブを得ることで具体的に何がどうなるかなどは分からない。ゲーマーとしてはステータスが見れないのが少し物足りなくも思う。まぁ、もうこの世界は少なくとも僕にとっては現実なのでレベルが分からない、ステータスが分からない、スキルと言われるものはどうしたら得られるかが分からないというのは当然なのだが。
「トール、学校はどうだった?」
「面白そう?」
「さっそくやらかしやがって、村だけでなく公爵の名誉にも関わるんだぞ」
とゴーム、ルリ、ダイスに捕まった。
しかもダイスに正論を言われるとは、世も末だ。
「学校は~、あ~、うん、流石お貴族様が通うだけあって食事が豪華だね。並んでいる料理から好きな物を好きなだけとって食べる形式。ただ、食材からしてやっぱり種類が多いし、良い油も豊富に使われているんだろうね。たぶん。その辺は皆に聞いてくれ。授業についてはまだ授業が無いからなんとも言えないよ。あ、嘘、やっぱり、授業があろうが無かろうが僕はハーティ達に埋もれて生きていければそれが最高、最良、至上。だもんで学校とか面倒以外の何物でも無い。そしてダイスは黙っとけ」
あんだとゴラァと実に良い反応をするダイス君。う~ん、そろそろいなされる頃かと思ったがまだ精神年齢が熟していないらしい。え?僕はどうだって?若いって素晴らしいと思うのよ。
そんなくだらない話をしながら村の周りを皆と共に散策する。
散策しながらここに居てもらっている魔物の子達について訊いてみる。特段問題を起こしたりはしていないし、問題もほとんど起きていないようだ。村の銭湯も無事に機能している。問題が無いのはあまり絡みが無いからというのもあるだろうが、そこはおいおいだろう。2代程後でも構わない。
村に残した奴隷達や村の農地を見てみると、以前よりも耕作地が増えた気がする。その辺も尋ねてみると地主やその関係者だけでなく、各家庭からも労力を供出したりしているらしい。地球で言う所のアルバイトに感覚は近いのだろうか。街というには色々欠けている村だから、専門職系は暇があったりする。幼子達は老人達が見て、少年少女達は各農地を手伝ったり、教会で勉強をしたり、スケルトン先生から剣術などを習ったりしている。意外と父母達も子供達から目を離せるから副業に手を出せるらしい。ふむ、良い感じだ。無論、ここでも魔物達が役に立っているらしい。木々の伐採なり、木の根の掘り起こしなりは彼らの独壇場だろう。しかも家もどんどん建ててくれているらしい。・・・本当に良い子達だな。
そんなこんなをしていると昼から始まった宴も日が落ちて来て、篝火が目に入るようになってきた。
・・・むぅ、遅い。彼は一体何をしているのか。
っと考えていると、目の前の空間から梟頭がヌヌヌっと出てきた。
「久し・・・くもないか、愛し子よ」
「アモン!」
ばっと抱き着く。
「遅いじゃないか!皆飲んだくれちゃったよ!君の紹介もしたかったの、痛痛痛ッッイッタイ!何何何!??」
急にこめかみをグリグリされて目の前が白黒にチカチカする。
「時間もろくに告げずに何を言うのか、この愚か者め!」
「えっ、イッタイ!えっ!?言ってなかった???」
「言われてはないな、樹木の長に感謝しておくが良い。どうもおかしいと我輩を呼んだみたいだからな、全く」
呆れたように盛大な溜息と共に肩を竦められた。
「あ~、ごめんごめんなんか君だったらそれもすぐにわかるじゃないかと思ってた・・・うそ、ごめんって、もう痛いのは嫌だ、勘弁しておくれ」
周りにいた人たちは目を白黒させている。悪魔と気づいたのか、それとも魔物の一種だと思っているのか。悪魔と気づきつつも目を背けているのかもしれないが。
「それで?今回の1番の目玉はこれなのだろう?それも無しにどう盛り上がるつもりだったのだ?」
と宝箱を二つくるくると器用にも指先で回している。・・・いや、本当に器用だな。
「そうそれ!よく持ってきてくれた、というかよく作れたね。僕はそれの作り方を知らなかったけれども、どんな風に作ったの?それとももうこっちにもあった?」
「むぅ・・・似た・・・似た?物もあったが、これは我輩の力作だな。風味が違う。なに、多少なりともの知識はあれば後はもう実験だ。時間の早回しができるというのは料理にはとても有用だからな」
あ、梟の顔だけどドヤっているのが分かる。
まぁ、何はともあれ準備は整った。
ここからが宴の本番だ!!
皆様・・・大っっっ変っっっに!!お久しぶりです☆
うなぎうなぎです!
もう1年と半年ですか・・・うぐぅ。
い・・・言い訳をさせてください!!
実は数年前から難病奇病の一種にかかってしまっており、
この数年でようやく病名の診断がついたは良いのですが、
痛いわ苦しいわ、なのに働かないといけないわで正直に生きるので精一杯でしてorz
ず~~~~~~~~~っと頭の中では登場人物達が動いているのにそれを著すこともできず、
ここ数年は歯がゆい思いをしておりまして、風呂の時とか寝る前はずっとこの子達のことで頭がいっぱいでした。
まぁ、ちょっと書きづらいところで中断していたのも、筆が空いた理由の一つなのですが。。
ちょっと時間がとれ、体調が良くなってきたので久しぶりの更新となります。
皆様が以前の更新内容を忘れていても仕方がありません。
なんせ筆者もどこのどのシーンで何を書いていたかも忘れてしまい(笑
もし、以前からの読者様で待っていてくださった方がいらっしゃれば本当に何よりの幸いです。
勿論、新規の方も大歓迎。・・・長いですが、追っていただければ何よりの幸い。
さて、話は変わり、皆さまの方は体調は如何でしょうか。
こんな世の中で、皆さまも鬱屈としていらっしゃるでしょうが、
私の物語(=妄想)が皆様に少しでも安らぎを届けられたらと思います。
まだまだ体調にはお気をつけてくださいね。
・・・・・・・・・・あと花粉も注意を。
以下いつもの!
皆さんからの後書き上の「勝手にランキング」の1日1回ぽちっと、ブックマーク、感想、評価、いずれも楽しみにしております!読者の皆様からの反響はとってもモチべのアップ要因です!
是非ご贔屓に!




