2話 ここは何処?(それにしてもお茶が美味い)
話の半分がお茶を褒め称えている気が
「まぁ、とりあえずこちらに来て座りなさいな」
せっかく座布団やお茶を用意してくれているようなのだからと、光の中を歩き出す。
・・・上下の光と前後の光の差ってなんだろうな。
無重力状態ではなく歩けているのだから、何かしら差はあるのだろう。
夢だからそんなに真剣に考えていなくても良いのだろうけど。
「失礼します」
そう言って、座布団に正座する。
目上の方に違いないのだから礼儀正しくしたい。
「呼んだのはこちらじゃからなぁ、遠慮せんでも良いよ。まずは茶でも飲みなさい」
明らかに気になることが台詞の中にあったがとりあえず、お茶を勧められるがままに飲んだ。
何これうめぇ!!
やっばい!語彙があったとしても、やばい美味い位しか皆言えない位。
これがお茶なら、現実のは何だったのか。
お茶の定義がひっくり返るくらいにやばい。
お茶欲しさの戦争を笑えなくなるくらいに美味しかった。
あまりのことに、お茶と老人とを3度は繰り返し見た。
「ほっほっ、お気に召したようで何よりじゃ」
「いや、このお茶凄い美味しいですよ、香りも味も。こんなに美味しいのはもしかしたら、母には悪いですが料理を含めても初めてかもしれません」
「そう言われると、それに慣れた身としてはそんなに凄かったかと改めて思えるのぅ。初めて飲んだ時はわしもそうだったのかもしれんなぁ。もう忘れたが」
お互い、お茶をずずっと飲み、和んだ空間ができた。
「ご馳走様でした」
「お粗末さまじゃ」
なんとなく笑いあう。
さて、気になる話題がいくつか出てきた。
「そうじゃろうのう、お主としては気にならざるを得んよなぁ」
・・・言い方が。心を読まれたのか?
「ん?失敬失敬。心を読むはあまり行儀が良くなかったの、人間社会のマナーなど既に忘れてきておってなぁ。こちらの方々は皆そういうことに無関心じゃしな。
さてさて、実は呼んだのはこちらではあるが、間違いを起こしたが故のこと、謝罪前にあまりこういう問答をするのは良くないのじゃが」
彼(年齢不詳故、そう呼ぼう)は照れくさそうに笑うとこう言った
「お主とは昔から少し話してみたくての、少し老いぼれにお話する時間をおくれ。」
「昔からですか」
「お主にとっては昔からじゃ、お主が中学生位の時かの」
?覚えがまったくない。持論だが中学生時分の男子はほとんどが猿だと思っている。
猿だった時分に何かしでかしてしまったのだろうか。
「これからの話にも関係するからの、まずは認識を正すとしようかの。」
彼の雰囲気が少し張り詰めたものに変わる。
「お主はここを何処だと考えておる?」
次話から説明回スタート