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16話 世界震撼前(ドラゴンは頑張っているのです)

龍皇がリッチロードと日が昇るまで見回りを続けて、出した結論は眷属までは無理ということだ。


どいつもこいつも、祝福と加護を与えられる族長どもはデカイ。

大きさが強さに通じることもあり、巨大だ。


大体が他の眷属の2~3倍近い。

スライムが収納しても、眷属までは村的に収まりきらないだろう。


というか、流石に眷属まで入れていたらスライムの容量に、仮に、収まったとして、入れるのと出すのにどれだけ時間がかかろうか。


そういうことで、龍皇は滅多に使わないドラゴンネットワークで大きいサイズから順に8匹に思念をつないだ。



(珍しいの、貴方様から連絡が来るなど)


(一体どうしたことか、愛し子は貴方様まで狂わせたか)


(まず起きれたことに驚いておるよ)


皆から言われたい放題である。


(喧しいわ!龍皇として、そして調停者としてお主等に勅命を下す)


これには思念上でも緊張感が走ったのが伝わった。


調停者としての勅命、神から与えられた使命に関わるものであるからだ。


(愛し子が生まれ、世界の魔物が騒いでおる。祝福と加護を与えたいと。しかし、眷属全員を連れて行こうとする馬鹿も多い。また、ばらばらと日を分けて行くも先方に申し訳ない。更に言えば、遠くの場所の者は来るのも大変である。)


そう言って、しばらく目を瞑ったあと、鋭き眼光で


(故にお主等は、眷属全員を連れて行こうとする馬鹿を止め、代表者1匹のみ連れて来い。それぞれの方角でできる限り遠くまでの魔物も、向こうが望むなら代表者1匹を連れてきてやること。まずは集合場所と時間は明日の夜明けまでにこの我のいる洞窟だ。)


(希望する代表者を全部乗せろって?重さは大丈夫でも乗り切れねぇ、流石に無理っすよ)


(スライムになんと収納機能があっての。本来は保存食用のようだが、魔物のサイズを小さくし保管できるのよ。特に副作用もなさそうだ、嫌がる者には愛し子のもとへ連れて行かんと言えばよい。土産物など持って来たがる者はスライムに入れさせてやると良い。明日そのスライムの所まで連れて行ってやる、そこから5日間で任務を遂行し、5日目の昼には愛し子の村に到着すること)


(おぉ、立派に調停者をやっている)


(あのぐーたらがまともな指示を出している)


ぴきっと青筋を立てると龍皇は


(なお、お主等は愛し子の村に迷惑をかけないようスライムを置いたら、近くの森で自分の担当する魔物が祝福と加護を与え終えるまで待機だ。龍族からの祝福と加護は龍皇たる我が授ける。お主等は遠くから羨ましげに見ているが良い、祝福と加護に関係のないお主等は近づくのも迷惑になるからの。近づくこともまかりならん)


ネットワーク上の、怒りと怨嗟に満ちた声を強制的にシャットダウンした。


「さて、リッチロードよ、また人間の言葉を教えておくれ」


「大分、話せていますがね。少し、私、我、余、俺などが混ざったり、丁寧語なのかフランクに話しているのか混乱するくらいで。」


「そこを治したいのだ。村人に事情を説明すべき時に恥をかきたくない」


「私が話せばいいでしょう」


「最初のインパクトが大事だ。上から龍が数匹来る、皆が思わず見上げる。そこでわしが一言」


「わしではなく、我でいきましょう」


「我が一言の方が伝わりやすかろう」


確かに恐怖もするだろうが、一発で伝わるのは間違いない。

先触れを出すべきだろうか?

しかし、そいつも魔物である。

先触れを出すなら怖くないほうがいいが、怖くない魔物などホーンラビットとかで話せないし、意思を伝えることもできない。

ホーンラビットの主ならできようが、牙が生えており、通常の4倍近い大きさで、片目に切り傷がある。

アウトだ。


自分が先触れでいくべきか?

骸骨が?

アウトか。

これなら変化の魔法を研究するべきだった。


と、考えたところで、友人の龍を見る。

村に降りたところで立派過ぎるその体格。

縮小の魔法でも考えてやるのが先決か。


友人の言う案でいくしかあるまいか、そう結論づけた。



あくる日の朝には9匹のドラゴンが集まっていた。


「愛し子と母堂と尊父のためだ。しっかりと成し遂げよ。上手くいったなら愛し子の顔くらいなら近くで見せてやれるかもしれん。そのためには、他の魔物の長が大人しくしており、村人をいたずらに怖がらせないことが肝要よ。その説得も忘れるでないぞ。」


愛し子に会わせないというネットワーク上の一言からぶちのめして、龍皇になってやろうかという殺気だっていた数名から殺気が消えた。


「全ては我らの頑張りにかかっておる、行くぞ!!」


次話から世界が震撼します(裏ではもうしているけど、魔物の雄たけびがずっと鳴り響く一日とか恐怖以外のなにものでもない)

でも、上には上があるのです。

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