11話 れっつごー、異世界
「待ってたよ、松田君」
「お待たせして申し訳ありません」
「良いよ、人間とかには死って大事なんでしょ?星を見てれば分かるから」
その台詞にやっぱり神なんだなと思う
「さて、幾つか伝えておくよ」
「はい」
「まず、ジョブはテイマー最上級職一択のみ。流石にあそこまで言ったからには他の職の余地はあげません、やっぱり暗殺者が良かったとかはなし」
目を見て頷く。
「次に君の記憶をどうするか、記憶をもって転生か、記憶がなく転生か。どっちがいい?」
「記憶があってでお願いします」
「そうすると生まれたばかりの赤ん坊には厳しいから、7歳くらいで戻そうか。仕事のこととか大事な人間関係以外は消去するよ、メモリーの都合上。」
ITに関する知識は必要ないだろうし、上司とか覚えてるのも嫌だから、ありがたく頷く。
「もしできるなら転生チートとかしても良いよ、活版印刷とか羅針盤とかで無双とか」
「良いんですか!?」
「良いよ、それも自然のなりゆきだから。それも含めて見学させてもらうよ」
ちなみに羅針盤の作り方は知っている?と笑っている。
なるほど、無理だ。
「あと、あの世界にはダンジョンが幾つもある。たぶん300は余裕で超えるくらいに」
「へ?なんでそんなに??」
「実は地球から来たのは君だけじゃないんだ。あの世界では随分昔にね、一人いたんだよ。引きこもりでね、ダンジョンマスターをやってみたいって。んで色んなダンジョン作り放題、財宝も作り放題、ダンジョンモンスターも作り放題」
なるほど?
「彼の時はなんだったかなぁ、女神様が死後に修行を与えようとしたらセクハラして、殴り飛ばされてきたんだったけなぁ。なんでも好きなキャラに似ていてとか言ってたし、確かそう。殴られて世界を超えたのは彼が初だと思うね。よく形を保ってこっちにこれたよ。大体ならその場で消滅しそうだけど」
うっわぁ(どん引き)
「まぁ、オタクだし確かにダンジョンとかなかったからね、良い視点を持っていると採用したんだよね」
「はぁ」
「ダンジョンは基本まじめに作られているよ、彼が元いたダンジョンではいかに好きなキャラに似たモンスターを作り出すかに人生を捧げていたから、そこだけはクリアしても虚しいと思うけど。他のところは息抜き代わりにちゃんと作ってあるよ。気をつけて行ってね。」
ダンジョン行ってみてねってことかな
「違うよ、ダンジョンモンスターは彼が作ったプログラムみたいなもので、倒しても経験値が手に入るし、素材も落とすけど、生命が宿っていないと伝えたかったのさ」
心読まれた!(2回目
「え、あ、うん。ごめん?話が早くない?そっちの方が。さっきは読まないようにしてくれていたねぇ。なるほどマナーなんだそれ、知らなくてごめんね」
「え、いえびっくりしただけなので」
「そう?まぁ、じゃ続きね。レベルやステータスももちろんありますし。仲間がいたら経験値をシェアできます。仲間は基本何人でもOK。リーダーが割り振りすることができる。テイマー用の仕様だね。でも君は動物を、魔物をむやむに傷つけることはできないでしょ?だからダンジョンの話をしたの。ちなみに人間を倒しても経験値は手に入るよ。倒すだけでOK。殺したらもっと手に入る。」
「殺すのって信仰心とか罪とかに響きませんか?一応信仰心の高さが評価されていたみたいなんですけど」
「この世界ではOKだよ、努力して強くなって殺して食べる。これも修行と思うし、仲間を統率して同じことをしてもOK。悪党は殺してもOK。自分や周りの環境を守るということでもあるから。ただ、争う気がない悪いこともしてない人をむやみに殺すのはダメ。道徳に響く。信仰心には響かないけどね。道徳が低いのも辛い地獄行きだよ、地球では。ここではあまり気にしなくていいけど。基本弱肉強食だし。信仰心は僕を信じていても、何を信じていても信じていればOK」
元の神社の方々とか?
「うん信じていれば、信仰になるね。けど神として顕現するには一人では人生をかけても難しいね」
「では、あなたも含めて神々に祈ります。」
「ははっ、それで良いんじゃない?信じられる立場になるっていうのも手だよ。さっきの彼みたいに」
祀られた原因を知っているだけに何もいえない。
「彼の場合は凄いよね、祀れば大丈夫って日本人も凄いけど。祀られたから許す彼もね。いや、怒りが発散できたのかね」
何もいえない
「そんじゃ、そろそろ良いかな。基本好きに生きて良いよ。世界壊したくなったらできるなら壊しても良い。君っていう不確定要素を入れた反応が見たいっていうのもあるからね」
あぁ、引き受けてくれたのはそういうところもあったのか。
「そうそう、地球じゃ神託とかあるけど、こっちじゃやっている暇ないし。したいこともないし。でも世界は動かしたいし、みたいなね」
「何であれ、色々とありがとうございます」
「じゃあ、行こうか。目を閉じて、ゆっくり深呼吸をして。」
目を閉じて、まるでクリスマスのプレゼントを開ける時みたいにどきどきしているのを感じる。
ゆっくり深呼吸をする。
「次に目を覚ます時は君がこの世界で生まれてきた時だ、記憶はもうちょっとしてからだね。
君に幸あれ、世界に幸あれ」
次回からようやく異世界へ!
長かった!!




