108話 頑張る日々 42「歴史と昔語り」
さて、何から語りましょうか。
まずはご存知のようにイネガル神が数多の生き物をこの世に作りだしました。
それぞれが種として存続していけるように、龍皇、フェンリル、青竜、朱雀、玄武、白虎、リヴァイアサンにその種が群れを成すようになるまで任せました。
ハーヴィから聞いた話が混じってしまうかもしれませんが、そうですね、確か私が聞いた時には、そもそも人間が群れを成すのは大変だったと聞いております。ある時に一人のまとめ役がジョブを授けることができることを知って、それからようやく、狩る狩られるの食物連鎖に入れたとかだったような。
え?その時のジョブですか?知りませんが、たぶん格闘家とか狂戦士とかではないでしょうか。武器がなくとも戦えますから。暗殺者?いたかもしれませんね。
そうして、群れができ始めて、採集と狩りで生活をしていた頃に、定住をしようとしたみたいですね。なんでも、洞窟とかで暮らしていた後があったらしいですが。今はどうでしょう、残っているでしょうか。
柵を作り、家を建て、そうして麦を育てる。いやはや、そもそも麦を育てようだなんて誰が思いついたのか、凄いですよね。
そうして、自分達の住むところを段々と開拓していき、幾つも村が生まれたようです。
やはり開拓は大事だったと誰かが言っていたのを覚えています。木々は燃料になるうえ、なくなればその分視界が開け、奇襲を避けれるようになると。
そうして、ある程度魔物と戦えるようになってきた時に、より効率良く作物や人間、家畜を魔物から守れるように村同士がくっついていき、小さいながらも長がいる群れ、いわゆる小国ができたようですね。
あぁ、イネガル神様がいらしたのもこの時期でしょうか。帝国で現れたとは聞いておりませんし。
そこから、今も使われている帝国暦、つまり帝国ができるまではそんなに時間が経ってないと習った覚えがあります。
え?帝国の名前ですか・・・。何でしたか・・・。もう覚えていませんね。教会で聞けば教えてくれるかもしれませんね。今は教会は何を教えているのです?計算?あぁ、もう知っているのですか。だから習いに行ってないのですね。
さて、帝国は結構長く存在していました。200年だか300年だか。今の4国よりも遥かに大きく、周りを石で囲い、商隊も空からの魔物以外には怯える必要がなかったくらいです。
そんな帝国も滅びました。
あ、聞いたことがありますか?そう、魔王のためです。
魔王はハーヴィによると虐げられた人間の召還士、サモナーだったようですね。悪魔しか呼べない代わりに幾らでも呼べたようです。たまにそういう一芸に秀でた者が出るから人間は面白いですよね。トールも然り。私ですか?・・・死後を含めれば私も確かにその部類でしょうねぇ。
さて、その魔王は国を乗っとりました。しかし、所詮は元は村人。政治など分かるはずもなく、国を乗っ取るために無理したが為に、碌に部下もおらず、信じることができるのは己と悪魔のみ。そして悪魔は対価を要求するので、その辺の村人を対価に差し出す。まぁ、悪政を敷いたわけです。そこである時、ジョブで勇者に選ばれた者が倒しに向かうと。結果的に言うと、勇者は王になります。魔王を倒して。ただ、魔王は置き土産をくれました。それは都市の破壊です。逃げるためにわざと壊させたのか、勇者がそちらに注意を向けばと。あるいはただ憎悪をぶつけたのか。どうだったかは今では分かりません。
分かるのは、帝国は見るも無残な形になったということです。
はい?えぇ、そうです。帝国は今の王国よりも断然進んでおりました。
汚物の処理や、街の賑わい、魔法文化、芸術・・・はその時々のものですか。
はい、トールの言うとおり。服従の首輪はこの時代にできた物です。
他にも探せばこの時代にできた物、古代物、アーティファクトと呼ぶのですか?えぇ、あるでしょう。
今の首輪は・・・たぶん現物を持っている者が真似しているのでしょう。
えぇ、文様を刻むことで効果を得るという手法がありました。
魔力を込めながら、文様を刻めば同じ様な効果は得られるでしょう。
それで、どこまで話しましたか。そうそう。帝国は壊滅的に壊れました。しかし、帝国は四角い大きな国で中心に王城がありました。そのため、中心が一番被害が大きかったのです。
えぇ、今中心が栄えておらず、四方に国があるのはそういう理由でしょう。
その四方の国も、一度は国とすら呼べないくらいに破壊され、村がまた集まって国になりました。王都の岩壁は帝国時代のを流用しているのでしょうかね。
実は勇者はその4つの国のどこを治めたかは分かりません。
あるいは兼任して放浪していたのかもしれませんね。
どこの国でも勇者の子孫であると王は自称しております。分からないですがね。
だから、あの物語の王国は平和になりましたはどこの王国かは分かりません。
あまり余所では言わない方が良いでしょうがね、結構熱心に信じている人もいますから。
ただ、確実に言えることがあります。
それは文化は一度ここで断絶しているということです。
勿論、幾つかは残っておりますよ?鍛冶や建築、料理、ガラス、生きる知恵など。
ただ、汚物の処理をどうしていたのか、魔法文化、特に刻み込むという手法はどうなったのか。
この辺はもう分からないですね。他にも多くの物が失われたことでしょう。
さて、それから1000年近く経ちますか。そうして今に至ります。
はい、そうですね。ここまで時間が経つと、帝国の跡は木々が侵食していることでしょう。
あるいはスライムが食べてしまっているかもしれませんね。
・・・いえ、食べているでしょう。
王家にはアーティファクト?が幾つか残っているかもしれませんがね。
はい?私ですか?
はい、そうです。別に隠しているわけでもありませんでしたが、貴族でした。
帝国が滅んだ後の王国の、ですから教師をつけてもらっておりました。
えぇ、帝国が滅んで間もない位だったのでしょう。口伝などでよく聞きました。
ハーヴィとの出会いですか?
妻が妊娠しましてね、えぇ、そうです。龍の血が万能薬であるというのは有名でしたから。
それをもらいに、幸い行けない距離ではなかったので。
ハーヴィは・・・優しい?・・・理知的?・・・話の分かる龍でした。
武器を持たずに頼み込めば、面倒くさがりながらも血をくれました。
えぇ、当時はどれ位が良いのか分からず結構な量の血をもらってしまいました。
そうです、龍の血がどれ位で良いのかなどはその時に色々試したのです。
無事妻は出産しましたし、寿命で亡くなりましたよ。
息子も無事育ちました。え?私は妻を看取ってから病気で。
ただ、何の因果か、こうなりましたけどね。
妻はならなかったのに・・・なってないはずです。息子達も・・・。えっ、あれっ?何か心配になってきました!なってませんよね!?
確かにリッチになった時に墓を見に行きましたが、墓は草に侵食されておりましたが、綺麗でしたし。
私のところ?ぐちゃぐちゃでした。骨を得る際に、土から這い出たからでしょう。
それから?
人間のところに行っても退治されそうですし、ハーヴィのところにお邪魔させてもらっておりました。
魔法のコツとか教えてもらいつつ、研鑽していたら、この通り、リッチロードになりました。
眷属とか別にどうでも良いですけどね。
肉とか食わないですし、食えないですし。あんまり纏める必要はないです。
天に召されるならば召されるが良いですし、残りたいなら残れば良いという感じですか。
私が話せるのはここまでですかね。
近代史になると、引きこもっていたので、とてもとても。
よくあの4つの国が国として成立しているなと。
間に村などよく作れたなという位のものです。
・・・いや、実際に凄いと思いますよ。村から税収を得るわけでしょう?麦を運ぶわけですよね?馬車?途中で襲われませんか?魔物に。ワイバーン?何往復させるんですか?
馬車に護衛をつけたんですかねぇ。あぁ、でも領主のところに一度収めますか。領主のところから王のところまで・・・やっぱり馬車ですかね。
ダンジョン?そういえばいつ位からできたんですかね。これも近代ですかね?
ところで、トール?痛さは大丈夫ですか?
痛いけど、耐えている?
なるほど、じゃあ、今日は夕食まで続けますか。
タイトルを変更しての初めての投稿です。
うん、話が特に進んでいないというね!
これからも検索の時には
とりあえず、『もっふもふ』を検索キーワードにいれとけばOKです☆
そして!!
祝ブックマーク800件突破!
皆様本当にありがとうございます♪
凄い嬉しいです!
評価も68人と前から比べて増えています!・・・あと2人で70人
皆さんのこういうリアクションが本当に嬉しいです、読んでくれていて、作品に出会ってくれてありがとうございます!
以下いつもの!
皆さんからの後書き上の「勝手にランキング」の1日1回ぽちっと、感想、評価、ブックマーク、いずれも楽しみにしております!読者の皆様からの反響はとてもモチべUP要因です☆
是非ご贔屓に♪
ちなみに今回のお話で矛盾が出たらどうしようとドキドキしているのは内緒。
全話見直し中。ついでにサブタイもつけてます。こまかい句読点とかはとりあえず無視で。
・・・実は今までの話で一つ見つけてしまったのがあります。ぐはっ(吐血。
気づかれない内に直さないと。。(こそこそ)