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風林火山の復活

武蔵 鉢形城



小田原での軍議から三週間後、北條氏邦が守る城に、氏直、板部岡江雪斎らが率いる1万の兵力が合流し、2万の兵力が、集結した。


氏邦「氏直殿、よく参られた。

上州攻めの兄上の命、確かに承った。」


その後、溜息をついた。


氏直「伯父上?」


氏邦「急な命だったのでな、上州攻めを見送ることは出来ぬか。

全くと言っていいほど、上州の情報が入らぬのだ。

本来なら風魔がやってくれていたのに、判断がつかぬのだ」


氏政の言葉が、周りに悪い影響を及ぼしたことに氏直は愕然とし、「父上が風魔を追い出してしまいました。

まさか、一切他国の情報が」


氏邦「何と愚かなことをしてくれたのだ、兄上は。

上州攻めはやはり、とりやめだ。

兄に書状を送る」


書状を書き、小田原に送った。


しかし、氏政はこれを握りつぶし、改めて攻めるように命じた。



氏直らは攻めざるを得ず、不安の中、上州攻めを開始した。



上野 岩櫃城



北條勢 動くの報告が、入ったのは北條勢が鉢形城を発った時だった。


信勝「動いたか。」


昌幸「はい、細工は流々、準備は万端でございます、後は忍城に北條勢が入ってから」


信勝は頷き、「勝てば、上州の北條に付く勢力は我々に付くだろう。

ただ、あの妙印尼が如何に動くかだ。

由良、長尾といった彼女の息子達も。

とりあえず、彼らの動きは監視して北條勢と矛を交えよう。

兵力はこちらは五千、真田、内藤、安中、鈴木、安房守や昌月らが鍛えている。

後は、あの細工次第」


昌幸「内藤殿らと後は」


信勝は頷き、「上手く兵を伏せ、北條勢の先陣を叩き潰せ。

それと旗を三つ用意するのも忘れるな。」


昌幸は敬服してその場を去っていった。



それから五日後、北條勢は忍城に入った。



武蔵と上野の境



北條勢は上州勢と激突したが、上州勢は上手く、引き上げ、利根川に北條勢を、引き込もうとしている。

北條勢の先陣を承った猪俣邦憲は追い縋ろうとしていた。

邦憲「奴らを追え、背後は氏直様や氏邦様が固める。

上州を我が手に」


足軽達を鼓舞して利根川を渡った。

後続の足軽達も追いかけ渡ろうとした時、真田の細工が作動した。



利根川が、氾濫し、北條勢を呑み込んだ。


氏直と氏邦は愕然とし、兵士達約1万が呑み込まれた。

それを確認し、残った兵を安全なところに集結、兵力は1万もなかった。


利根川を渡った猪俣邦憲は背後の惨憺たる状況を見て蒼くなっていた。


あれほど氏直や氏邦が反対した理由を軽く見た結果だった。


後悔する時間はなく、左右から真田、内藤勢が襲いかかってきた。


北條勢は三千はいたが、既に逃げ場所は利根川の方向しかなく、川に飛び込み溺れ死ぬ足軽は後をたたなかった。


その時、上州勢のある旗印が一斉に上がった。

邦憲は愕然とした。


一つは多くの武田菱、更に諏訪大明神

最後は武田法性院信玄が好んだあの旗だった。


【其疾如風 其徐如林

侵掠如火 不動如山】




邦憲「あれは、あの旗は甲斐武田の旗印、まさか・・・。何とか包囲網を突破して氏邦、氏直様に知らせねば、グッ」


若い武将に槍で貫かれ、馬から落ち、武将にとどめを刺された。



武蔵 忍城近く



北條氏邦、氏直は退却していた。

上野の方向に上がる旗印を見た。

板部岡江雪斎「氏邦様、氏直様、あれを」


氏邦「武田の旗印」


氏直「やはり生きていたのか」


北條勢の足軽達も顔色を変えていた。


成田氏長、長親兄弟の軍に守られながら、忍城に撤退した。



この戦いの一部始終を確認したもの達に、武田の復活を印象づけ、他国に知れ渡ることをなった。














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