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八陣図の思い

遠江 浜松城



信勝は多くの書類に目を通し、その中に長安が提出した物を見ていた。


『やはり、伊豆を得る必要がある。

長安は密かに伊豆に入ったようだ、かつての甲斐に劣らぬ鉱物資源がある。

韮山、箱根、山中と難攻不落の要害の城だ。

攻めるのは難しい。

攻めれば、北條は兵力を集中させるだろう、

うん、待てよ。

下田や他はガラ空きになるな。

九鬼に、伊豆の港を手に入れて、そこから上陸して蹂躙する。

それと並行して三つの城は包囲して、周りの麦を刈り、兵糧攻めを考えるか。』


この時、信勝の謀略が、生きていたことに気づかなかった。


三つの城を守る城将達が武田に降ることに。


しばらくして、三河、遠江の内政を司る、天野景長を呼んだ。


「お呼びでしょうか?」


「呼んだ、 御主に三河を任せようと思う。

島左近を美濃に入れているためだ。

三河や遠江、南信濃は比較的安穏だ。

国力を上げるのには十分。

御主なら、どうする。

儂なら産業を振興させ、街道を整える。

民百姓達の暮らしを良くする。

考えたらキリがないが」


景長は思案しながら「確かに」


信勝は「御主にそれをして貰いたい、長安にもして貰いたいが、なかなかあれも忙しい」


「長安殿は伊豆にいるとか」


「あれは内政、経理も出来るが、もう一つ特異な才能がある、鉱山開発というな。

近いウチに伊豆に侵攻する予定だ。

伊豆には良質な鉱山が多数あるという話だ。」


景長は合点した。


「発掘すれば、火の車からは脱却できよう」

信勝は呟いた。


「三河の件、承りました。

期待に沿うようにしましょう」


信勝は景長を下がらせた。


しばらくして、昌幸がやってきた。


「殿、柴田が、越中へ、佐々の援護へ向かったとのこと」


信勝は「動かず、関ヶ原の松尾、南宮山に砦を作り、近江の様子を探らせる。」


信勝は密かに作っていた書類を昌幸に見せた。

昌幸は「これは、関ヶ原の地図」

信勝の顔を見た。


「ここに織田勢を誘引するようにしたい。」


昌幸は信勝が密かに考えていた陣形を見て、顔色を変えた。


「殿、これは、方形の八陣図」


「儂が思うに、八陣とは大江維時が考えた魚鱗、鶴翼、雁行、偃月、蜂矢、衝軛、長蛇、方円を指す。

だが、方形の八陣図はこれらの長所を生かしたものではないかと思う。

陣形は状況において変わる、器水、水の流れの変化と同じ。

川中島、三方ヶ原での法性院を見たら分かる、とりとめのない形なのだろう」


昌幸は信勝の話を聞いて、「その陣形は大陸の古来の陣形、八卦を用いておりますから、

信勝様がそう思われても仕方ありますまい。

再現は難しいのでは」


信勝は「そうだな、狭い所では不向きだろうし、これを覚えるのは将兵に負担を強いるだけよ。

とりあえず、関ヶ原に砦と関所を作るように。

あそこは街亭だからな」


それだけ言って、昌幸を下がらせた。



昌幸『あの陣形を再現は無理だろう。

時代も変化しているし』

と呟き、関ヶ原での作事に思いを巡らせていた。













八陣図について調べて見た。

奥深い

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