表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/44

信勝の天下取り構想

遠江 浜松城



信勝は信繁からの書状を受け取って読んでいた。

信勝「どうやら飛騨は我々の手に落ちた。

後は、美濃中部への乱入だが、そろそろ保科正直や正俊に美濃東部へ動いてもらうかな」


昌幸「よろしいかと」


信勝は頷き、南信濃の保科勢に美濃東部への侵攻を命じた。

そんな中、風魔小太郎が帰ってきた。

神妙な様子で。


小太郎「申し訳ございませぬ。

安藤守就殿との接触しようとする前に、何者かの手にかかり」


信勝「そうか、小太郎、御主のせいではあるまい。」


小太郎を慰めた後、「それにしても流石は黒田官兵衛、私の策を見抜きおったか。

まあ、よい。恐らく、羽柴筑前の荒小姓の誰かであろう」


次に志摩から岡部正綱が戻って報告を受けた。

正綱「九鬼嘉隆殿と会い、上手く説得しました。

近く、駿府に、水軍を集結させるようです。

殿からの用件を聞いて、喜んで配下にとのことで」


信勝「利益を得れるようにすればこちらにつく、織田家の先行きが不安だったのもあった筈だからな、正綱、もう一つ頼まれて欲しいのだが」


正綱「頼みとは」

信勝「四国に行って貰いたい、長宗我部元親殿にこの書状を渡して欲しい。

羽柴の後背を脅かして欲しい、淡路を襲うように動かして欲しい」


正綱「成る程、羽柴筑前の播磨、備前などにも圧力がかかりますし、長宗我部が四国を抑えれば、毛利にも」


信勝「そういうことだ、その間に私は内政を行ないながら、伊豆、武蔵を得る、北條を小田原に抑え込む。

まだ、地黄八幡と幻庵宗哲が生きている以上、北條は強いがな。

あの二人は老齢、そう長くはない。

これは、相手も自覚している。

時間をかけて行こうか。」


正綱「承知しました、ところで、長宗我部を動かすのは良いとして、京を追われた足利将軍家が接触してくる可能性がありますが、如何なされますか。」


信勝は思案してから、「接触してきてから考える、まあ、放っておけ。」

正綱は頷き、「命令、承りました」

信勝の前から下がって行った。


昌幸は信勝の言葉の中に将軍家に良い感情を抱いていないように見えた。

昌幸「信勝様」


信勝「どうした、安房守、将軍家についてどう思っているか知りたいのかな。

顔に出たから分かるだろうけど、良い感情を抱いていない。

そもそも、この戦国の世にしたのは、足利将軍家に責任がある。

将軍家に力がないからこのようになった。

古い秩序を立て直すのは不可能だ。

新しい秩序を作り、新しい時代を作ること、これが天下を取る指標となろう。

これに気づいたのが、信長殿、だからこそ、あれ程の犠牲を出したと言える。」


昌幸「あえて、無視すると」


信勝は頷き、「私が作る新しい秩序には必要がない。」


信勝は古い秩序を立て直すのではなく、新しい秩序を作ることを選んだ。

これが織田家との戦闘が激化させる要因となった。









評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ