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甲斐、信濃の回復

信濃 滝川勢本陣



滝川一益は山々に翻る、上杉軍の旗印を見て顔色を変えた。


一益「上杉軍が動いたとなれば、どうにもならぬ。

早く上様の仇討ちに参戦せねば、あの猿めに

主導権を奪われかねぬ。

仕方ない、武田信勝に使者を送り、停戦する、信濃、甲斐の領有を諦める故、撤退中の攻撃を止めて欲しい。

もう一つは、武田を裏切った木曽義昌、小笠原信嶺などを引き渡し。

この二つを条件に、益氏、使者として立ってくれ。」


秀隆「一益殿、某は反対でござる」


一益「では、ここで、全滅するまで戦い、あの猿を助けるのか。」


秀隆は渋々、「それは御免被る、あのような百姓に使われるのは」


一益「ならば、我々と共に美濃に戻ろう」


滝川勢は信濃、甲斐からの撤退を始めた。

それを知った、木曽義昌は顔色を変えて、一益に「お待ち下され、我々だけでは武田を抑えられませぬ。何卒」


義昌は知らなかった、自身が武田に売られることになることに。


同上 武田本陣



信勝は滝川一益の使者である、滝川益氏から書状を読んでいた。


「武田の旧領を返すということで良いのかな、これは。」


益氏「はい、我々の撤退中の追撃は」


信勝「せぬ、それと、美濃には手を出さぬ、

我々はゆっくり、裏切者を始末するとしよう、二度と貴殿らにつけこまれぬようにな」


益氏は顔色を変えていた。



滝川勢は河尻、森勢と合流して美濃に戻って行った。

二度と信濃と甲斐を織田家が領有することはなかった。



信勝に引き渡された、裏切者の木曽義昌や小笠原信嶺らは弁解の余地すらなく、信勝「裏切者にふさわしい境遇だな、攻め潰して、血祭りにあげてやろうと思ったが。

まあ良い、あの世に行って、祖父信玄や父、勝頼に詫びてくるがよい。」


義昌は震え上がっていた。



信勝は保科正俊に命じて、木曽の領地を占領、義昌の妻で信勝にとって叔母の真里姫に面会した。

彼女は既に、義昌の無節操に呆れ、離縁していた。

息子の引き立てを信勝に要請して、木曽家は生き延びることになる。


甲斐、信濃が武田の手に戻ったのは、滅びてから3カ月後のことだった。






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