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成田への調略

上野 岩櫃城



臣下になった、由良、長尾の兄弟に、信勝にとってどうしても帷幕に欲しかった彼らの母、妙印尼の姿があった。


信勝「よく来てくれた。

武田家で御主らの力を振るって欲しい。

妙印尼殿、貴女からも教えを乞いたい。

よろしく頼む」


頭を下げていた。



妙印尼は北條が武田に破れたことを知ってから思案にくれる毎日だった。

息子らは北條が勝つから勝ち馬に乗ろうとしたが、妙印尼は何か違和感を感じ、それをさせなかった。

その違和感を後になって知った。

目の前の存在が生きており、武田家を復活させた。

武田信勝殿、興亡をその目で見たことで、何かしら能力を開花させつつある。

私に、力になって欲しいという、教えることは何もないと思う。

真田安房守という存在があるというのに。

待て、我々が武田に降れば、私の娘婿の成田に調略を仕掛ける態勢が整ってしまった。

力になって欲しいは調略を仕掛ける一助になって欲しいということ。


「こちらこそ、息子の引き立て、よろしくお願いします。

婆は孫娘に会いに行って参りますので、信勝様、よろしく」


信勝は頷いていた。


武蔵 忍城



成田氏長は弟の長親に娘の甲斐を交えて、相談していた。


「上野が武田家の手に落ちつつある。

我が家は最前線となった。

氏邦様の軍も再編成に時間がかかっている。

武田が攻めてきたら、まず援軍はない、忍城は要害、まず落ちまい」


長親「そうだな。ところで兄者、上野に人をやったが、変な噂を聞いた。

由良と長尾が、武田に降ったと言う噂らしい。

厄介なことになるかもしれん。」


氏長「幻庵老に報告してあるが、我が家は疑われるか。主君である氏政殿に。

真田安房守か、それとも信勝殿は、儂らを相手にしているのではなく、氏政殿の器量を相手に調略を仕掛けている。

周りが我々の排斥に動くように仕向けてる。

厄介な相手だ。」


長親「兄者、もし、排斥となったら、どう対応するのだ。

濡れ衣を着せられて始末されるのは、御免被る。」


氏長は答えられなかった。


甲斐姫は祖母の妙印尼がいずれ、忍城に訪ねてくるだろうと悟り、「父上、武田に降ることを考えた方が良いかもしれませぬ。

北條につき続けるのは難しい。」


氏長は決断を出せなかった。


既に武田の調略の糸が絡み始めていた、

妙印尼が訪ねてきて、説得され、成田氏長は武田に降ることになる。


甲斐姫が信勝に嫁ぐのは少し先の話である。









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