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1.邂逅〈前編〉

処女作です。未熟な文なので読んでいて不快になるようなミスが多々あります。

読者が胸躍るような物語を書けるよう努力します。

感想等是非ともお願いいたします!


人類という種は一度絶滅の危機に瀕した。ある日ある時に世界各国の主要都市や街が1日で壊滅した。その日を後の世では『厄災日』それを行ったのは、あらゆることが未知の生物、自然発生なのかそれとも人為的になのか、それとも宇宙から来たのか、はたまた神が作ったのか、全てが謎だがそれは一貫して過去人類が伝承してきた『魔獣』と同一の特徴を持つことからそのまま『魔獣』と呼称された。『魔獣』は破壊の限りを尽くし、その日が終わる頃に忽然と消えた。そして、人類の大多数は死んだ。そんな中、ある五人の博士とそれぞれの研究所から『魔獣』に対抗するための武器とその基礎技術、素材のデータが世界各地に広がった。その後彼ら博士たちは『5賢人』とよばれ、彼らがもたらした武器は彼らの残したデータから『礼装』と呼ばれた。そして人類は復興を始めた。『厄災日』から5年のことである。



『厄災日』以前の高層ビル群やオフィス街にはすでに草が生い茂り所々にツタが巻きついていた。5年という歳月があればすでに過去の遺物となってしまった。それも、あの時以来『魔獣』を恐れ都市、と呼ばれるところに手を出さなかった我々の管理不届きもあるのだが。

そんな過去のスクランブル交差点を歩きながら依頼の目的地へ向かう。

「しかし、5年前にはここは人でいっぱいだったなんて、今じゃ考えられないな」

灰色のズボンに灰色のコートを着て、腰には彼の愛剣を提げ、手には通信用のモバイルフォンを持ち、クセが少しある黒髪をもう片方の手でかきながら、汐留ソオキは歩いている。彼は3年ほど前に設立された『解放機構』のひとつ『フラグメント』に所属する17歳だ。『解放機構』とは国が機能しなくなった現在、民間が『魔獣』根絶、都市奪還を掲げ、人々から依頼という形で活動している民間や大企業の組織である。そして彼が受けている依頼は元東京渋谷区で人影の目撃情報、また生体反応があったのでそれの確認対処であった。

「ボスからの話じゃここら辺なんだけど、」

人影なんて見当たらない。だがそのかわり巨大なビル群の間から這い出るまた大きな影があった。古文書などで描かれる姿と同じ正に『魔獣』。6mほどの獅子の体躯に相当の獣の頭部。紫色の毛を逆立てこちらを射る四つの目。そしてもう一体、人間のように二足で地面にたつている。しかしその巨躯は毛で覆われ牛のような蹄や頭部に角がある。そして手には電柱を持ちこちらを睨みつけている。

「ケルベロス型とミノタウルス型、ランクはd+くらいか」

ソオキは臨戦態勢になる。右腰に提げている愛剣の柄を握る。ここでもし達人同士ならば数秒の静寂とともに斬り合いが始まるのだが相手は獣すでに突進を開始している。ケルベロス型は狂ったように、ミノタウルス型は電柱を振り上げ、襲いかかる。避ける動作はしない。ただ剣を横薙ぎに振るう。その刀身には包帯が巻かれ隙間から見える刃は欠け錆びていて赤茶色になっている。柄にも同様に包帯が巻かれ見た目は使えない骨董品の剣といったところだ。しかし、剣から薄紫色の霞が出て、次第に剣のような形をなしていく。丁度剣自体が伸張されたようだ。そのはっきりとした霞はことごとくケルベロス型とミノタウルス型を両断した。

「はぁー、処理終了っと」

剣を腰に戻し、報告を行う。

「こちらソオキ、捜索中に『魔獣』と交戦、ミノタウルス型とケルベロス型二体、どちらもd+と推定。これを駆逐、これより依頼を継続する」

「こちらホーム、報告どうも、相変わらず律儀だね」

通信オペレーターのレイの声だ。

「逆にお前はだるそうだな」

「ここんとこでかい仕事がないから退屈〜」

おちゃらけてはいるが優秀なオペレーターだ。

「それより、生体反応は出てるか?」

話題を今回の依頼の件に戻す。

「うーむ、あ!あったよそこから南西に1キロ地点」

彼女に取っても仕事だ。真剣に答える。

「そっか、サンキュー」

通信を切って少し足を速め目的地へ向かう。

ほんの5年前、ここは大勢の人で栄えていた大都市だった。しかし5年のときが経てば大通りは草が生え、ビルは蔦や木の枝がまとわりついている。

「えーっと、ここは確か109だっけ」

俺は今生体反応が出てるかつての大ショッピングモールに足を踏み入れた。ボロボロのマネキンにガラスの割れたショーケース、埃っぽい道を歩いて階段を上り捜索する。そして階段を登り上のフロアに出ようとしたとき、それは前触れもなく現れた。

階段の先、同世代の少女だった長い茶色の髪の毛、ホットパンツに、白のノースリーブコートをはためかせ、端正な顔には明らかに何かから逃げている特有の怯えがみえる。そして、

「え?」「は?」

すごい音を立てて、階段に転落する2人。走ってきた勢いは止まることなくソオキを襲った。女の子が俺の上に覆いかぶさる形に階下に落ちた。

「いてててっ、大丈夫?」

頭をさすりながら俺は少女に尋ねる。

「うーん、あ、大丈夫です、」

「それならよかった。ごめんなさい。立ってもいい?」

「あ、ごめんなさい!」

少女は慌ててどける。

「えーっと、おそらく生体反応の主は君だろうから保護されてくれないかな?」

「わ、私どこに行かされるのですか?」

「いや、拉致とかじゃなくて、俺は汐留ソオキ、解放機構の『フラグメント』の者で、このエリアの生体反応を追っていたんだ」

I.D.証でもあるモバイルフォンを見せる。

「そう、でも私はここにいます。私に関わると不幸になります」

少女は少し周りを気にして言う。

「うーん、」

「あの、申し訳ないですけどあなた達の保護は受けません」

「いやー、今時「自分に関わると不幸になる」宣言する人っているだね」

「え?」

ぽかんとした表情の少女。そして次第に顔を赤らめて、

「だ、だって、どうしようもないでしょ!?こんな、こんな魔獣を引き寄せる体質だったら!」

涙を浮かべキッと俺を睨む。ああ、そうか。きっと苦労したんだろう。

「そんな体質の人は初めて見たな」

「疑ってるんですか?」

怒り気味に言う。

「そんなことない。こんな世の中だ。色々抱えている人は多い」

目を伏せる。そう、それぞれが背負っているんだ。この荒廃した世界ではね。

「だったら、「だけど!」俺は彼女の言葉に重ねる形で言った。

「この世界の全てに手を差し伸べる。それが俺たち『フラグメント』の役目だ。だから、1人で抱え込まないで、俺たちが、俺が君の背負ってる物を背負うきみをまもる」

差し伸べられた手は、決して大きいわけではなかった。だけど、少女にはとても大きく暖かいものに見えた。その手を掴んでもいいのだろうか、不幸を振りまいた私は救われていいのだろうか?

「私が、こんな私が救われてもいいの?」

「ああ、いいんだ」

差し伸べられた手を掴む。闇から這い上がるために、

ズドオン!!その時、闇の根源が現れた。




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