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探偵 春風美也子参上!

カラカラカラと氷の音がしていた。心地よい響きだった。

そよそよと揺れるカーテンに、眠気を誘われどれくらい寝ていたのだろうか、誰かに起こされて気がつく。

カーテンの向こう側は、すでに真っ暗であった。

おかしい!そんなに寝た記憶は無いのだが…。

しかし、時は無情にもたっていた。

閉店しますので、と、申し訳なさそうに言う人の良さそうな店員に、慌ててお金を払い急いで外へ飛び出す。

そこへ、一台の車が走ってきていた。

ぶつかる!!と、思い一瞬目をつむるも、ぶつかる気配がない。ゆっくりと目をあけると、車は目の前で止まり、人が車から降りるところだった。降りてきた人は何だか変な感じがした。

長い髪をかきむしり、がに股で歩いている。それだけなら良い。

私より10センチくらい背が高いうえに、長い丈の白っぽいドレスを着ていた。まるでウェディングドレスだ。

そいつが、段々と私に近づいてくる。

どうやら女のようだ。私自身、男性平均身長より低い方なので私より大柄な女性がいるのは不思議ではない。

しかし、初対面で目の前に顔を近づけてくるような女は初めてだった。しかも、顔立ちは整っていてとても美しく、私は動く事もできずただみとれていた。

そんな私にむかって女は、目の前で言い放った。

「ここは、何処なの?!」

これが、私と春風美也子との初めての出会いである。




春風美也子という人物は何もしなければ、顔立ちがハッキリしている美人だ。絶世の美女とはこの人をいうのではないかと思うほど。しかし、そんな容姿とは裏腹に、行動、言動すべてにおいて残念過ぎる人である。

私は、彼女との出会いを思い出し、自然と苦笑いをしていた。

「何を笑っているの?なんだか気持ち悪いわよ」

そう言って目の前で本を読んでいた彼女は怪訝そうな顔で私を見る。声が出ていたようだ。私は、ペコリと頭を下げると彼女こと春風美也子は、テーブルにあったコーヒーをゆっくりと飲み、髪をかきながらまた、本に目を戻す。出会った頃と同じような服を着て、長い髪を後ろで結び、赤い眼鏡をかけている。

ここは、喫茶シーパーラ。通称、喫茶海と呼ばれている知る人だけが知る喫茶店である。

春風美也子と初めて会ったのもこの喫茶店の目の前である。

私の名は手塚冬彦。春風美也子と出会ったその日、私は面接にいくまでの暇潰しをしていたのだが、先にも言ったと思うが、暇潰ししすぎて、大幅に寝すぎ、いつも着ないスーツをぐしゃぐしゃにし、面接に行けなくなった。

今日も似たようなスーツを着ているが、ぐしゃぐしゃではない。あの日は、ほんとに散々な日だった。あれ、目から汗が出てくる気がする。まあ、思い出したくないので置いておく。

春風美也子と私は、現在、パートナーである。

パートナーと言っても夫婦とか恋人という間柄ではなく、強いていうなら、ホームズやワトソンのような…。

ハァー、そんな間柄だったらどんなに良かったか。

実際は、飼い主とペットみたいな関係で、今度こそ説明したら、本気で泣きそうだ。しかし、これを語るには、今は、時間がない。気持ちが落ち込むからじゃない。確かに半分以上あるけども、

それよりも、私達の依頼人がやってきたからである。

私は席をたち、春風の座る隣に立つ。キョロキョロしていた依頼人も気づいたのかこちらの方にやってくる。そして、依頼人が目の前に立った。初めましてと挨拶もそこそこに席をすすめると、依頼人はゆっくりと座った。私もほぼ同じくらいに座る。

春風美也子は、本を読んだまま座っている。

彼女にとってはいつもの事だ。まずは、緊張している依頼人に喫茶店のメニューを渡し注文をするように私はうながす。

支払いは春風持ち。というか、春風の設立した探偵事務所もちである。依頼人は、アイスティーを頼むと大きなため息をついた。

「どうかされましたか?」

春風がおもむろに話かける。本に目を置いたまま。

これもいつもの事。

依頼人には「いえ、別に」と小さな声で答える。

無言があたりを包む。この店は人が少ない。だからこそ、

ここで、依頼人と待ち合わせ可能なのだが。

伏せ目がちの依頼人。何を食べたらそんなに大きくなれるかわからない体をしているを。しかし、居場所がなさそうで身を縮めている。ベージュのサマーセーターを着てふりふりのピンクのスカート。今は、座っているからわかりにくいが、その色合いは、さらに体を大きく見せているようだった。

そんな中、店員がやってきた。

「お待たせしましたー。アイスティーとコーヒーです!ご注文は以上でよろしかったですか?」

そう聞いてきた店員に

「コーヒーのおかわりを」

春風はカップを店員にさしだす。いつの間にか空にしたようだ。

「かしこまりました」

カップを受け取り店員が席を離れる。先に注文してたのは、春風だけで私は、いつも依頼人と一緒に注文していた。

これもいつもの事。

私は、目の前に置かれたコーヒーを飲み、依頼人がアイスティーで一息ついたところで私は依頼人に話かける。

「依頼内容を詳しく話して下さい」

私が今、わかってる事はあるものを「探す」という事くらいだ。

依頼人は、アイスティーをもう一度飲み、話、始めた。

「私が探して欲しいのは、キャンディちゃんですわ!お願いです!私のキャンディちゃんを探して下さい!!」

私は、依頼人を見てゆっくりと聞いた。

「それは、電話でも聞いておりますので、詳しくお話下さい!まず、キャンディちゃんというのは、何ですか?」

「キャンディちゃんは、キャンディちゃんですわ。」

太った身体をゆさゆさゆすりながら、鼻息荒く興奮している

依頼人の名は、三井峰子。話が通じないちょっと?太めなおばちゃんである。失礼かもしれないが、キャンディ連呼は、電話で聞き飽きてて三井峰子に対して優しくなれない自分がいる。

普段なら私が全ての依頼内容を聞くのだが、うんざりしていたのを知ってか知らずか、隣で本を読んでいた春風が、本を閉じて

三井峰子に向きなおった。

「えっと、依頼人のあなたについて勝手ですが調べさせて頂きました。キャンディちゃんがなんだかわからなかったので。

調べた結果、おそらく、丸山京子の事ですよね。あなたと仲が良いとされていた…」

私の知らない間に春風は、調査をしていたようだ。その報告を三井がぶったぎる。

「そうよ!キャンディちゃんよ!見つかったの??」

春風は、イノシシのような三井を憐れむように見ている。

「丸山さんは、みつかりましたよ。元気でしたよ。」

春風はどこか目線を外し遠くを見た。イノシシは嬉しそうに身体をゆすっている。

「キャンディちゃんに会いたいわ!会わせて下さる?」

春風は、目線をイノシシに戻し答えた。

「無理です」

イノシシは目を丸くした。

「なんでよ!!!あんたたち探偵でしょ!!」

春風は、はっきり答える。

「会いたくない!見たくもない!聞きたくもない!教えたら訴えるわよ!!と、丸山様に言われましたので。無理です」

イノシシは、いや、三井はよほどショックだったのだろうか涙を浮かべながら体を小さくし小刻みに震えていた。

春風は、淡々と続ける。

「ご依頼の通り探しはしましたので依頼料は頂きますね。

おまけして、8割でいいですわ。請求書をお送りしますので後日、期限までにお支払い下さいませ!あ、飲み物代はこちらで払いますので結構ですよ。それでは。手塚行くよ」

突然立ちあがり、私に声をかけると、颯爽と喫茶店を出て行った。正確には、がに股なんだが、私のイメージの中だけは美しくしておきたくて。

私は、支払いを済ませ後を追う。ちらりと後ろを振り返ると三井峰子がテーブルにふさぎこんでいた。肩を震わせながら。

少し可哀想になりながら表にでた。


そして、5日後、三井峰子を事務所のテレビで見ていた。

それを見た春風美也子が怒りに震えていた。

「私に金払う前に殺されるなんて!!絶対、殺した犯人を捕まえて彼女の分の金払ってもらうから!!」

髪を、ふりみだし美しい顔を誇張させながら、

ゴリラみたいな格好で吠えていた。

三井峰子は殺されていた。自殺ではなく、誰が見てもわかるような他殺だった。三井峰子を殺した容疑者として、春風も私も警察に疑われたのだが、汚名よりも、春風にとっては、お金の方が大切なのだった。しかし、いったい誰が。三井さんを。

「手塚!ぼさぼさしない!!準備して!」

思考をかきけす声が聞こえる。嫌です。今日はもう帰りたいです。って言いたくなる気持ちを押さえて聞く。

「何処にですか?」

「何処にって、事件現場に決まってるでしょ!!」

春風美也子は、ぼさぼさになった髪を、かきながら車の鍵を私に渡し先に出ていこうとする。

「ちょっと!待って下さいよ!!髪くらい整えてからにしてください!」女性とは思えないジャージを着たまま、がに股で歩きだす春風美也子を全力で止める。力では負けない!!!多分。

美也子は自分の格好を見、別室に入る。5分もしないうちに出てくると、いつもの白いドレスを着て、いや、今日はワンピースだな。白いけど。髪を後ろに束ね、赤い眼鏡をしていた。

「行くわよ!手塚!」

ゴリラが吠えるような声にしたがいつつ、初夏の風が気持ちよく白いワンピースをはためかせている姿に目を細めた。

しゃべらなければほんとに綺麗なのにな。心残りを胸にしまい事務所を後にした。

初めまして、お初です。どうぞ皆さま。

よろしくお願いします!

一話かいてみて思った事は、書くのはやはりとっても難しい!ということ。物語もそうですが、それよりも改行が変になります。

読みにくいかもしれませんが、私が慣れるまですみません!

よろしくお願いします!

異世界ものが多い中、現代よりで書いてます。時代背景が古くなる場合もあります。初の作品です。暖かい目で見守っていただけると嬉しいです。美也子より先に迷子にならないように。まずは、次回に向けて不定期更新ですが、頑張りたいと思います!

どうぞこれから、よろしくお願いいたします!

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