二十三話
ローナの様子がおかしい…
と、ムスクは考える。
毎日毎日夕飯の時には
「えぇ。」「はい。」「そうですね。」
しか返さないし、歌だって忘れることが出てきた。
おかしい…おかしすぎる…
そんなことを考えながら歩いていると、マリシナが前方にいた。
が、二人とも気づかずぶつかってしまった。
「あぁ…すまない…お前か…」
「こちらこそ…ってムッスンか…」
コイツなら何か知ってるかもな…
「「(おい)(ねぇ)」」
「「…」」
ムスクが話さないのでマリシナが喋り始めた。
「ムッスンさ、ローナの誕生日…何かあげた?」
「誕生日?何時なんだ?」
「そっからかよ!!…前の王子様の誕生パーティーの日よ…」
「!!そうだったのか…」
「いや、好都合だわ…」
「?」
「ここに、ローナがど~しても行きたかった幻の劇のチケットがあります。私はこの日エリオットと約束を入れてしまっていたと、言うことにしといて…このチケットをムッスンに売ってあげるわ」
「…は?」
「鈍いわね~誕生日プレゼントにしなさいっていってんのー…ローナ最近元気ないし…元気付けられたら良いなと思って買ったんだけど…相手がムッスンならもっと喜ぶかなぁ~って思って。」
「…お前が行った方がいいだろ…」
「いやぁ~最近しつこく聞きすぎて警戒されてんだよね…」
「やはり…原因は…お前でも分からないのか…?」
「うん…『気にしないで』の一点張り…あんなローナ初めてだよ…」
「…そうか…」
「……もぅ!!湿っぽいのは終わり!!早くこれに誘ってきて元気づけてあげて!!あ、これチケット代ね!!明日までに支払って☆じゃあね!」
いつものように嵐のごとく通り過ぎた彼女が残したメモの金額を見てムスクは心の中で「たっけぇええええ!!!」と叫んだのは言うまでもない…
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「…ローナ。ちょっといいか?」
「はい。」
「この前誕生日だったんだな。ルームメイトから聞いた。」
「はい。」
「…そこで、だ。歌好きの君の為に、この劇のチケットを買ったのだが…よかったら一緒にどうだ?」
胸ポケットからチケットを取り出し、見せた。
「は…え?」
チケットを見せた瞬間ローナの目が輝き、チケットをふんだくった。
「こ、…ここ…これは!!ま、幻の『下町から一転姫までのシンデレラストーリー~この時悪女ならどうする?~』じゃないですか!!ど、どこでこれを!?」
「あぁ…知り合いから格安で貰い受けたんだ」
実際相場を知り合い(王子)に聞いたらあれでも格安だった。
「いつ?いつですか?どこ?どこですか?何時ですか?うわぁ~オシャレしないと―♪」
とても嬉しそうなローナを見て、つい顔が緩んでしまう。
「明後日の18時公演だ。ただ…場所が遠くでな…遅くなってしまう可能性がある。」
「大丈夫です!!行きましょう!!遅くなっても仕方がないですよ!!次の日まで休みを取ればいいんです!!大丈夫!!私、休みいっぱいまだとれますから!!」
相当興奮しているローナ。血色がよく、さっきとはまるで別人だった。
「では!私は休みをとってきます!!明後日…何時に?」
「明後日の12時に迎えに行こう。」
「分かりました!!楽しみにしています♪では!!」
あんなに笑顔のローナを見るのは久しぶりだな…
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「あー楽しみー♪今日から寝られないかもー♪」
「あぁ~楽しみ~私も寝られないかもぉ~♪」
「えーマリシナなんかいいことあったの?」
「よくぞ聞いてくれました!!実は明後日、エリオットと一緒に買い物に行くのよ
~楽しみ~♥」
「デートらしいデート初めてだもんねー私はね、えっとね、ムスク様と一緒にね、劇をね、見に行くの☆」
「へぇ~(知ってるけどw)ムッスンやっぱいい人だねぇ~」
「うん。…どんな格好したほうがいいかなぁ?」
「私に任せなさーい★」
「…え?どんなのになるの…」
「そ・れ・は~当日のお楽しみ♥」
…コワいなぁ…




