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相手の居ないメッセージ

 朝、ギルド<旅人の仮宿>のギルドホールがにわかに騒がしくなっていた。

 寝ぼけながら起き出してきた男性メンバーの一人が近くにいた友人に尋ねた。

「なになに? どうしたん?」

 尋ねられた男は首を傾げながら答える。

「いや、俺もよくわかってないんだけどさ……。 サブマスにギルマスからメッセージが送られてきたらしい」

「は?」

 尋ねられた男は起き抜けの寝ぼけもあいまって機嫌悪そうに反応し、疑問を重ねる。

「セイヤさんはこの前盛大に引退宣言してっただろ? それにパッチ導入後にログインしてないこともみんな確認したはずだ」

 声はイライラとしたものだが、相手も尋ねた男の寝起きの悪さは承知しているようで、気にせず「そうなんだよなあ」と逆方向に首を傾げた。



 なんなのだ、これは。

 <旅人の仮宿>のサブマスター、ギリスはギルドホールのテーブルにつき、議論を戦わせるギルメンのなか頭を抱えていた。

 というのも今日の朝、ふと脳内メニューを確認するとメッセージが届いていたのだが、その内容が発端なのだ。

 ……<エルダーテイル>におけるメッセージは基本的に活動時間帯の合わない相手とのやりとりに使用される。 同時間にログインしているのならば、基本的に<念話>をかけたほうが速いからだ。

 例外として、特殊なアイテムを使用したメッセージでは画像データや座標データ等の添付を行うことが出来るため、外部のSNSを利用していないプレイヤーのやりとりや一部のクエストの攻略に用いられることがあった。

 今回は、その例外。

『差出人:セイヤ

 件名:無題

 本文:なし

 添付データ:位置情報

 送信日時:6/1 00:00』

 <旅人の仮宿>ギルドマスターにしてギリスの数年来の友人、セイヤからの不可解なメッセージ。

 特筆すべきはその添付データ、「位置情報」。

 この添付データを読み込むことにより、連続しているゾーンにいる限り目印アイテムを使用した方向とおおよその距離がわかるようになる。

 ……のだが、メッセージの仕様からすると明らかにおかしいことがある。

 そこでギリスは味のない朝食の付け合わせとして、ギルメンに相談を持ちかけたのだが……。

「メッセージに予約投稿機能ってなかったよな? ならセイヤさんはこの世界にいることにならないか?」

「それはデフォの話だろ? 位置情報が添付されてるんだから併用したアイテムにそういう効果があったんじゃねぇの?」

「いや、俺が覚えてる限りそんなアイテムはない。 位置情報添付と予約投稿は別アイテムで、二つのアイテムを同時使用はできないはずだ」

「でもそれ、前までの話だろ? 今の世界ならできるかもしれないぜ」

「そうだとしたらセイヤさんは今もログインしてることになるだろ? フレンドリストのログイン情報を隠す方法なんてあるのか?」

 ……このように議論が紛糾し、三人どころか二十人近いメンバーが居るにも関わらず文殊の知恵は出てこないのであった。

「とにかく!」

 どうにか場に決着をつけるのはマスターの仕事だ。

 ギリスは大きな声を出して注目を集める。

「この位置情報の場所に、セイヤゆかりの何かがあるのは確かなんだ。 行って、確かめてみないか?」

 <旅人の仮宿>、パッチ導入後一発目の遠征だ、とギリスは宣言した。



 <旅人の仮宿>は名前のその名前から推測できるように、旅を目的としたギルドである。

 MMORPGの中でも現実と同じ地理情報を持つ<ハーフガイアプロジェクト>という特徴を持つエルダーテイルでは一般的とはいかないもののそこそこメジャーな遊び方である。

「もし地元に建物がなかったら」

「友達の住んでいるところをみてみたい」

「あの観光名所にはいったいどんなクエストやダンジョンがあるのだろうか」

 理由こそ様々だが、このギルドに集まる者はみんなそうした旅を求めて集っている。

 気の合う仲間との旅行は実に楽しいものだ。

 ……が、こと今回の遠征に関しては別の要素も絡んでいる。

 街の居心地が良くないのだ。

 ギルド同士での縄張り争いが水面下で進行し、吸収合併や有力な無所属プレイヤーの囲い込みもそこかしこで起こっている。

 強い力をつけたギルドは狩り場や、果物をはじめとする貴重な味のある食べ物を独占する。

「ログインしていないはずのギルマスからのメッセージが気にかかる」という建前も理由ではあるのだが、「居心地の悪い町から抜け出して一息つきたい」という状況も遠征の決定を大きく後押ししたといえるだろう。

 図らずも「息の詰まる日常から息抜きの非日常」という、正しく「旅行」となった形だ。

 その結果<旅人の仮宿>メンバー総勢十四人はアキバの街から北北東方向に二日ほど(ハーフガイア・プロジェクトを計算に入れて)行った所へ向かうことと相成ったのであった。



 早朝六時、アキバの街北縁。

「それじゃ、出発しましょう! <旅人の仮宿>遠征、『セイヤさんのメッセージの謎を解け』!!」

 何にでもタイトルをつけたがる、ギルドのムードメーカーである<暗殺者>の女の子の声を合図に十四対の<冒険者>と馬が動き出す。

 街から離れられるからか、馬に乗るのが楽しいのか、旅路は楽しげな会話と共に進んでゆく。

 そんな中、ギリスはセイヤのことを思い返す。

 セイヤは現在二十三歳、大学生であるギリスと同い年で、出会いは高校生二年の時だ。

 クラス変えにより同じクラスになった二人はお互いに旅好きだったこともあり仲良くなった。

 高校生の身分ではあまりリアルでの旅行はすることができなかったが、代わりに<エルダーテイル>での疑似旅行をよくするようになる。

 ――派手な技が好きなセイヤは<武士>。

 ――その後ろでギリスは<神祇官>として弓を構えていた。

 二人にとって戦闘はおまけであったから、しばしば(主にセイヤが)ペース配分を誤り大神殿送りになったが、そのたび責任の押しつけあいをしながらめげずに何度も挑戦したものだ。

 大学は違う場所に進学したものの、エルダーテイル内では毎日のように顔を合わせていた。

 そんなセイヤが引退する、と言い出したのがアップデートの前日。

 家の事情で大学を中退して就職することになり、ゲームを続けることができそうにないのだという。

 説得もしようと思ったが、事情が事情だけに強く出ることができず、「キャラを消すのは思いとどまってくれ」と言うのが精一杯だった。

 それも「つい戻ってきてしまいそうだから」と言って全財産をギルドの共有金庫に預けた上でのことだ。

 引退のときは酒も入って宴会で盛大に見送った。

 だから、今や名誉職となったギルマスはログインなんてしていないはずなのだ。

 ギリスは考えれば考えるほどわからなくなってくる、と言わんばかりにふう、とため息をつくとふと前方を見やる。

 そこでは例の寝起きが悪い男が馬を下りて襲ってきたモンスターと相対しい、剣を大きく振りかぶっていた。

 モンスターは<スパイク・ヘッジホッグ>という巨大なヤマアラシで、体中の針を逆立てて威嚇していた。

「いくぜぇぇ……<クロススラッシュ>!」

 スキルを発動させて、男が威勢良くモンスターに切りかかるのを見てギリスは叫ぶ。

「このばっ……<禊ぎの障壁>!!」

「へ? ……うおあぁぁ!」

 剣がモンスターに当たった瞬間、ヤマアラシの針が爆発したかのように飛び出す。

 針は攻撃の出所である男に降り注ぐが、間一髪で発動したダメージ遮断呪文により弾かれる。

「ソイツは攻撃すると針でカウンターしてくるんだよ! 攻撃するなら遠距離からか相手が針を使い果たした後だ!!」

 ギリスは叫びながら弓に矢をつがえると引き絞って、放つ。

 ヤマアラシに矢が直撃し、怯んだ所に氷の攻撃魔法が着弾し、ヤマアラシは倒れた。

 その光景をヤマアラシのカウンターを受けた男はただ目をぱちくりとさせて眺めていた。

「はあー……。 間に合ったからよかったものの、後先考えずに突っ込みすぎだ。 お前も無駄に怪我したくはないだろ? いくら回復できるとはいえさ」

 ギリスは諭すように語りかける。

 実際の所、食らっていたとしても呪文一つでHP最大値まで回復できる程度のダメージしか食らわなかったとは思うが、現在の戦闘ではダメージを食らうごとに痛みも発生する。

 また、今の相手は稀に麻痺の追加効果を発動させる。

 万が一それを食らってしまえば、ダメージに付随する痛みどころではない代償を払うことになる。

 最悪の場合壁役が機能しなくなることによりパーティごと壊滅することさえありえるのだ。

「いやー、レベルがそう高くなかったンでいけると思ったんすけどね。

 ……それにしても、よくギリスさん知ってますね。 ここは狩り場からも遠いし、事実俺は今まで知らなかったっすよ」

「……ん、まあ俺はゲーム歴も長いしな」

 危機感なくにへらにへらと笑う男の言葉を聞いて、ギリスの頭をある思い出が過ぎり、返答が雑になる。


――えっ、ちょ麻痺! 麻痺した! 回復くれ!

――馬鹿! そんな余裕無いって! あ、やばい敵の増援きた死ぬ死ぬ死ぬ!!


 ……セイヤとの二人旅、大神殿送りの数十秒前の苦い思い出だ。

 男が、倒したヤマアラシが消えた後に残ったアイテムを拾い終えると、再び馬に跨がって一行は進み始めた。

 その後は現れるモンスターの傾向もだいたい把握し、パッチ導入後の戦闘における役割分担も固まり、余裕が出来始めた一行は、次に出てくるモンスターの数や種類を当てる賭けをしはじめた。

 賞品は道中手に入れた果物。

 出発から九時間。

 途中休憩もとったが、それを除いてもアキバから馬でもう八時間ほどは移動しただろうか。

 街から離れるほどに果物が多く見つかるようになってきており、賭け金は余るとはいえないまでも、足りなくなることはなかった。

「あーくっそ! なんでお前そんな強いんだよ!」

「なんでと言われても……勘? いやあ、こういうのって、勝てるときはほんとに連戦連勝できるものね」

 悔しそうに因縁を付ける大学新入生くらいの青年の声に、高校生くらいの女の子の嬉しそうな声が応える。

「次だ次! 俺ぁあの湿気た煎餅には飽き飽きしてるんだ! ……お?」

「……洞窟? 道が分かれてるわ」

 一行の前に立ちふさがったのは切り立った崖と二本に分かれた洞窟であった。

 もしかすると中で繋がっているのかもしれないが、かなり深く、入り口からは中の様子はわからない。

 が、ゲーム的な考え方をすれば、どちらかが正解で、どちらかがはずれであろう。

「迂回……はできそうにないかな」

 <暗殺者>の男がぐるりと見渡すが、どこか崖の上に上れそうな所はなく、あったとしても急な斜面を登ることになるだろう。

「洞窟のどっちかに行くしかねぇんだろ? じゃあ賭けよう! そして行こう!」

 先ほどまでの負けを取り返そうと、青年は声を張り上げて提案する。

「馬鹿ね、二つの洞窟が途中で合体したり、そうでなくともどちらも向こうに繋がってることもあり得るのよ」

「……いや、どちらかが正解で、もう片方は行き止まりのはず」

 静かな声でギリスが曖昧な記憶を口にする。

「なんでわかるんですか?」

「前に、ここを通ったから」

 そうなんですかあー、と感心したような声が返ってきた。


――俺は左だと思うね! 絶対そうだ!

――いや、右だろう。 左は目指す方向から逸れすぎてるし。


 ギリスはまたしてもセイヤとの旅を思い出していた。

 おそらく、あのときの旅の目的地が今回の旅の目的地でもあるのだと思う。

 けれどそれが何だったのかだけ、思い出せない。

「じゃあ、どっちが正解なんですか?」

 教えてください、と女の子は笑みを浮かべる。

「いや! 言わないでくれ! というか、賭けてからにしよう!」

 またしても賭けをしようと躍起になる青年を見て、ギリスは苦笑する。

「大丈夫、そこだけ思い出せないんだ」

 よっしゃーとい少年の声と、えーという女の子の声が重なる。

 本当は覚えていたのだが、間違えた道にもセイヤとの思い出が残っている気がして、そちらも見たいなとふと思ったのだ。

「じゃあ賭けよう! 俺は左だと思う!」

 聞き覚えのある言葉に、ギリスは口元に笑みを浮かべる。 青年の声と思い出のセイヤの声とがだぶって聞こえたのだ。



 洞窟を抜けた後、日が暮れてきたのでマジックアイテムのテントを五つほど並べて野営をした。

 ファンタジーものの作品による知識を元に交代で見張りを組んだが、メンバーの一人が持ち込んだトランプのせいで、メンバーのほとんどはそのまま徹夜をしたようだ。

「ギリスさーん、目的地まであとどのくらいっすかー?」

 そして今は二日目の昼過ぎ。

 今日はモンスターもほとんど現れず、順調に目的地に近づいていた。

 問題といえばメンバーの何人かが睡眠不足が祟って落馬したくらい。 今質問した男もそのクチだ。

「んー、そろそろ、のはず」

 メニューから確認すると、もう1kmも無い所まで来ている。

 目的地には少なくとも位置情報を送るためのアイテムがあるなので、近づけばそうとわかるはずだ。

 そっすかー、と気の抜けた返事とほぼ同時に、

「……あ、なんかあるよ」

 先頭を進んでいた<武闘家>の女が前方を指さす。

 その先には掘っ建て小屋とでも言うべき、小さな建物があった。

「よっしゃー、一番乗りっ!」

 先日賭けで連敗していた青年が叫びながら馬の速度を上げて突進してゆく。

 昨晩は負けを取り戻そうと躍起になっていたため、徹夜明けのハイテンションもあるのだろう。

「あ、まて、このっ」

 それにつられて、ほかのメンバーも続々と駆け出す。

「……馬でそういうことするのは、危ないよー」

 ギリスはそう声をかけるが、もはや聞こえていない。

 冒険者であるメンバーたちはともかく、乗っている馬は普通に怪我するのに、とギリスはため息をつく。

 案の定何人かが落馬した所にゆっくり追いつくと、改めて小屋を注視する。

 本当に何の変哲もない小屋だ。

 場所的に、<大地人>の狩人が使う小屋かと思ったが、ここからセイヤの残したアイテムの反応があるのだから、きっと何らかのクエストによって建てられたものなのだろう。

「はいれる?」

 この建物がセイヤの所有物であった場合、セイヤ以外入れない設定になっているかも、と思ってギリスは入り口の前にいる少年に声をかけた。

「はいってみます……」

 そういうと少年はドアのノブに手を回し、押す。

 ……どうやらそういった設定はされていないらしい。

 人数が多いため全員一度には入れないが、入り口から中の様子を伺う。

 ……中はまさしく物置のような有様だ。

 クエストで一度使ったきりのアイテムや、昔使っていた装備が無造作に散らばっている。

 その中に、位置情報を発信するフラグ型のアイテムも見つけた。

「ということは目的地はここで間違いない、んだな」

 小屋の様子から推測するに、どうやらセイヤがギリスに見せたいものがあるわけではなく、ゲーム時代物置として使っていた小屋の中に位置情報を発信するアイテムがあっただけのようだ。

 メンバー内からも「これだけ?」という声が上がり、困惑した空気が広がる。

 その空気をギリスの一つ年下の<妖術師>の男が破った。

「ギリスさん、俺思ったんすけど」

「思ったって、なにを?」

 セイヤがこんな所に小屋を建てた理由だろうか、と思いギリスが続きを促す。

 が、答えはその疑問に関するものではなかった。

「もしかしてこの小屋、維持費が足りなくて所有者登録が破棄されたんじゃないっすか?」

 聞いた瞬間、無意識にメニューを確認していた。

 ……ゾーンの所有者「なし」。

 これだけセイヤゆかりのものがあるのに。

 考えれば、点が次々とつながってゆく。

 メッセージの送信日時は「6/1 00:00」。

 それはゾーンの維持費の徴収がされる時間ではないのか。

 そしてセイヤは「つい戻ってきてしまいそうだから」と「全財産」をギルドに預けたのではなかったか。

 そもそも位置情報を読みとれたのは、ゾーンの所有者がいなくなったことによりゾーンの封鎖が解かれ、「連続したゾーン」になったからではないのか。

 考えれば考えるほどそうとしか思えなくなり、ひとつの明確な答えが示されたことで喉につかえたものが取れたような気分になる。

「でも、セイヤさんはなんでこんなとこに小屋を建てたんだろうな?」

 後ろからあがったその声に、当初の疑問が再び喉につかえた。

「……とりあえず、辺りを散策してみようか。 大したモンスターもいなさそうだし、自由行動で」

 ギリスが何か見つけたら念話で、と言うとメンバーは散り散りになっていった。



 ギリスは一人で歩きながらセイヤとの旅のことを必死に思い出そうとしていた。

 あの小屋に見覚えはないから、当時の目的地ではない。 なにか特別なクエストがあったわけでもなかったと思う。

 どちらかというと、セイヤのごく私的な旅に同行したのだった気がする。

 あーでもないこーでもないと一人唸りながら歩いていると開けた場所に出た。

 そこは黄色い花が咲き誇る花畑で、何かのクエストが起こる場所だろうかと連想した。

 しかしすぐに違和感を覚え、その正体を探る。

 既視感だろうか、いや既視感と言うよりは違うのだけどダブって見えるような……。


――ちょっとした花畑とかもあってな、まあ今も昔も花になんか興味はないんだけど、近くにちょっとした丘と小川があってさ。

――草そりやったり釣りしたりしてさ。 自分で釣った魚だとめっちゃうまく感じるのな。


 ……そうだ、セイヤが話していた生まれ故郷の話。

 エルダーテイルだとどうなっているのか見たい、と言い出したセイヤに同行したのだった。


――おおー、偶然かもしれんけどこの真っ黄色の花畑とか、そっくりだわ!

――エルダーテイルのマップ生成ルーチンがどうなってるのかは知らんけど、いい仕事するなあ。


 その通りなら、近くに丘があるはず。

 丘はすぐに見つかったが、ほんとにちょっとしたもので、坂と言った方が近いくらいだった。

 その丘に登り、花畑を見下ろす。


――まあ、もうなくなっちゃったんだけどな。 今はダムの底。

――当時カメラなんて持ってなかったし、検索サイトの航空写真もダムに置き換わっちゃってるしさ。

――ギリスとも会えたし、悪いことばかりじゃねぇけど、やっぱちょっとさみしくなるよな。


 ギリスはため息をつきながら草の上に寝ころぶと、メニューを開きメッセージを確認した。

『差出人:セイヤ

 件名:無題

 本文:なし

 添付データ:位置情報

 送信日時:6/1 00:00』

 返信ボタンを押してメッセージを作成する。

『差出人:ギリス

 件名:無題

 本文:お前の故郷は、いいとこだな。 こっちに帰ってきたら、改めて案内してくれよ』

 送信。

「巻き込まれなかった人」の話。

ギルド・キャラクター名とサブタイトル考えるの誰かに代わってほしい。

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