第21章
私はレジで男子高生と見つめ合っていた。
「これ、ください」
男子高生が18禁のエロ雑誌を私の目の前に差し出したのだ。私はそれを受け取ると表紙に書かれているエロ全開の女をじーっと見つめた。
本の片隅に『18禁』と赤い字で書いてある。
「…これ、18禁ですけど。」
私はうろたえもせずにそう言うと本を突き返した。
「知ってます。」
男子高生は笑顔でまた本を私に差し出した。
こいつ…18禁の意味知ってんのか?ってか、どう見てもコイツの着てる服は制服だよね?
制服で、しかも堂々と18禁のエロ本を買いに来るなんて、ある意味なんて度胸のあるアホだ。
っていうか、もしかしてパシリさせられてるとか?
「…誰かに指示されてるの?まさかイジメ?」
私は心配になって小声で言った。
「は?」
男の子はキョトンとした顔をして私を見た。
違うのか?だとしたらやはり自分の意思で?
「…ですから、これは18禁の本ですので、18歳未満の人にはお売りできないんですけど」
私は冷静に言い放った。すると、男の子は自分の制服の内ポケットに手を入れた。
ま、まさか…売ってくれないからってナイフで一刺しとかする気じゃ?
私はレジ内で2歩後ずさりした。
すると、ポケットから出したのはナイフではなく生徒手帳で、男の子はそれを印篭のように私の目の前に差し出した。
「俺、昨日で18歳になりました!!だから、18禁も買えるようになったんで~す!!」
生徒手帳を開いて、生年月日の欄を指さした。
「…いくら18歳になったとしても、学生には売れない規則になっております」
私は呆れた顔で言った。
「う、嘘だろ…。嘘だと言ってくれお姉さん!!」
「来年、お買い上げください。」
打ちひしがれている男の子に追い打ちをかける言葉を浴びせ掛けた。
「この日を…この日を俺はどんな思いで待ち焦がれてきたか…」
男の子はレジ前に膝まずいた。
まるで、高校野球でホームランを打たれたピッチャーのようだ。
ショックを受けるにも程がある。
私は呆れて見つめていた。
「ホラホラ、元気だせって」
青登さんが、男の子の腕を引っ張って立ちあがらせる。
「お前の気持ち、俺はよく分かるぞ。俺も昔はなぁ、中学生ぐらいでトライして何回追い返された事か。しかも親父の服を着てったのも関わらずバレバレでさ。お前のように真っ直ぐな人間は、俺は嫌いじゃないぞ」
青登さんが男の子の肩をポンポンと叩く。
どんな慰め方してんの?
中学の時に変装してまでエロ本を買いたいという欲望を持ってた事にドン引きするわ。
「ただ、制服はマズイ。制服で来られたら間違いなくどこの店も売ってはくれねーぞ?服を着替えてもう一度再チャレンジだ!!」
青登さんは親指を立てる。
再チャレンジさせてどうする!!アホか!!
「ありがとうございます!!俺…頑張ってもう一度トライしてみます!!勇気出ました!!お兄さんの事、俺一生忘れません…命の恩人です!!」
男の子は感激した様子で青登さんの手を握った。
命の恩人って…。いやいや、誰も命なんか助けてないからね?そこ間違わないで?
「おうよ、少年!!大志を抱くがいい!!」
青登さんはかっこつけながら、男の子の肩を組むとエロ本コーナーを指さした。
「はい!!先輩!!」
2人でなぜかエロ本コーナーを見つめている。
私はその様子を冷ややかな目で見ていた。
「あの。そこ凄く邪魔なんですけど」
私は冷たく言い放った。
男って…アホな生き物だ。私はつくづくそう思った。
青登さんは学生もそうだが、店に来る子供達にも凄く優しい。いいお兄さんって雰囲気だ。
子供目線というか…本人自身子供じみてるんだとは思うが。
児童書コーナーは、やはり子供が集まるせいか本が乱れやすい。
音の鳴る絵本の見本が置いてあるのだが、子供達はそれを楽しそうに鳴らして遊んでるので、いつも本があっちこっちに散らかってる事が多いのだ。
私は暇があると、いつも児童書コーナーを整理したりしている。
「沙和っち、いつも悪いな」
私が丁度整理している時、青登さんがやって来て言った。
「ううん、大丈夫。目についたからやってるだけ」
私は言った。
「でもさ、こう散らかってると、あぁ…いっぱい本を見て触ってくれたんだな~って、逆に嬉しくなるんだよな~。整然としたまんまだとなんか寂しくなっちまうもん。俺」
青登さんが音の鳴る絵本を鳴らしながら言った。
「それもそうだねぇ」
私は納得した。
ふとどこからか喚き声が聞こえてきて、そっちの方を見てみると、向こうの棚の方に一人のお婆ちゃんが孫らしき子供を連れてやってきていた。
その小さな幼稚園ぐらいの男の子が何やら喚き散らしている。
「どうしたんだろ、ねえ?青登さ…」
私が話しかけ終わらないうちに青登さんはスタスタとその子供の所に歩いて行った。
「どうした~?欲しい本が見つからなかったのかぁ?」
青登さんは男の子の頭を撫でる。
「僕、こんな本欲しくない!!僕、仮面ライダーの本が欲しいの、こんな本面白くない!!」
男の子は絵本を床に放り投げた。
「すいません。ホラ、ダメでしょう翔太。」
お婆ちゃんが、投げた本を拾ってゴミを払い落しながら謝った。
「本当にすいません。私の選ぶ絵本は孫には気に入らないみたいで、テレビマンガの本ばっかりに興味があるみたいでねぇ。私はこういったキチンとした絵本を読んであげたいんだけどねぇ」
お婆ちゃんは手に持っていた絵本を見つめながら悲しそうに言った。
青登さんは、膨れている男の子の目線まで腰を下ろすとニッコリと笑った。
「翔太って言うのか?カッコイイ名前だな。
兄ちゃんは、青登って言うんだ。翔太は仮面ライダーが好きか?」
「うん。」
翔太君が頷いた。
「この店に、シンカンジャーっていうヒーローがいるの知ってる?悪者やっつけたりするんだぜ?」
「うん、知ってる!!うちのママが好き!!シンカンレッドがいいんだって」
翔太君は元気に答えた。
「レッドかよ。ま、いいや。いいか?翔太。仮面ライダーも、シンカンジャーも小さい頃は絵本をいっぱい読んでたんだぞ?こういうマンガじゃないヤツな?」
青登さんは、テレビマンガの本を持ち上げる。
「え?じゃあどういうのを読んでたの?」
翔太君が興味深々に食い付いた。
「それは、お婆ちゃんが選んでくれたようなこういう絵本なんだよ。」
青登さんはお婆ちゃんの持っている本を指さした。
「実はな?こういう本に、悪者の弱点とか敵との戦い方のヒントが書いてあるんだよ。しかも、必殺技も思いついたりするんだぜ、こういう本を読んでるとさ?いいか?翔太。ヒーローになりたいヤツは一生懸命こういう本を読んでいっぱい勉強してんだ。こういうマンガみたいな本も面白いけどな?
ちゃーんとした絵本を読んで勉強しなきゃ…仮面ライダーみたいに強くはなれねーぞ、翔太。」
青登さんは翔太君の頭をグリグリと撫でて言った。
「うん、分かった!!僕、ちゃんと本読む!!
それでヒーローになるんだ。お婆ちゃんの事も僕が守るんだ!!」
翔太君はお婆ちゃんの方を見ながら言った。
「翔太…ありがとう」
おばあちゃんは嬉しそうに言った。
「お婆ちゃん、おうちに帰ったら絵本読んで!!僕、いっぱい勉強して必殺技考えなきゃいけないから!!」
翔太君がイキイキとしながら言った。
「はいはい。お婆ちゃん、いっぱい読んであげるからねぇ。」
お婆ちゃんは翔太君の頭を撫でながら微笑んだ。
翔太君は笑顔で手を振りながら帰って行った。
お婆ちゃんは何回も何回もお辞儀をしていた。
青登さんは、
「また来いよ、翔太~!!」
と、言いながらずっと手を振っていた。
青登さんて、本当に子供が好きなんだな。外見とのギャップに戸惑うけども。
「良かったですね。お婆ちゃんも翔太君も喜んでくれて」
私はそう言いながら青登さんの方を向くと、青登さんは翔太君が出て行った方向を少し寂しそうな目で見つめていた。
「…青登さん?どうかした?」
私は、その表情が気になって聞いてみた。
「あ、イヤ…。俺さ、弟が居たんだ。」
「へ~そうなんですか」
私はそう言いながら、青登さんの言葉が過去形な事に気がついた。
…弟が、居た?
「4歳の時に死んじまったけどな。丁度翔太ぐらいの背丈だったな~って思いだしちまってな」
青登さんは言った。
4歳の時に死んだ…。メチャクチャ切ない話じゃないか。
私は黙って聞いていた。
「俺とは結構歳が離れててさ?兄ちゃん兄ちゃんって俺の後をいつも追いかけてくるんだ。
あの日…俺は友達と遊ぶ約束しててさ、急いで家を飛び出してったんだ。
その後をあいつ…追いかけて行ったらしくてな。で車に撥ねられて死んじまった。
ある意味俺のせいかも知れねーよな」
青登さんは悲しそうに笑った。
「違うよ!!青登さんのせいなんかじゃないじゃん!!
後を追いかけて行きたくなるぐらい、弟さんは青登さんの事が好きだったんだよ?きっと優しくて楽しいお兄ちゃんだったからじゃん!!
普段から意地悪してたら後も追いかけてこなくて済んだのかも知れないけど、それで弟さんが幸せだとは思わない。弟さんは短くても青登さんと過ごせて楽しかったんだと思う。だから青登さんのせいなんかじゃない、絶対に!!」
私は叫んだ。
普段おちゃらけてアホ全開の青登さんに、こんな切ない過去があったなんて知らなかった。
だから子供に優しかったんだ。小さい子に死んだ弟を重ね合わせていたに違いない。
あーヤバイ。泣けてきた。私、子供と動物の話には弱いんだから…。
私は手で涙をグイッと拭った。
「沙和!!お前…良い奴だな!!」
イキナリ青登さんがガバッと私に抱きついた。
「んなっ!!青登さん、何やってんすか!!」
偶然そこを通りかかった太郎が慌てて私達の間に割って入る。
「こ、こんな店の中でハレンチな!!妙な事すると今度こそ警察に突き出すっすよ!!」
太郎がムキになって叫んだ。
「また嫉妬か?いつまでも小さい男だな、お前は。ラストサムライが聞いて呆れるわ!!この腑抜けが!!」
実凛さんがコミックを店出ししながら叫んでいる。
「しっ嫉妬っ??誰が何の為に嫉妬っ??俺は全く動じてないから!!動かざる事山の如し!!」
太郎が赤くなりながら意味不明の言葉を発する。
「じゃあ、貴様。青登が沙和の乳を揉んだとしても文句はあるまいな?」
実凛さんはニヤリと笑うととんでもない事を言い出した。
私はあまりの衝撃に思わずブッと噴き出してしまった。
「ち、ち、乳を揉む…?あぁ…」
太郎はショックのあまりその場に崩れ落ちた。
「実凛さん!!太郎はこの手の下ネタには、ホント弱いからやめてくださいよぉ!!こう見えて奥手というか硬派なんだから!!…太郎、大丈夫?生きてる?」
私は太郎を支えながら立ちあがらせた。
「恐ろしいぐらいのチェリーボーイだな。日本が少子化なのは貴様のせいだ!!このピー(放送禁止用語)野郎が!!」
実凛さんは太郎に恐ろしい言葉を投げつけてスタスタと歩いて行ってしまった。
太郎はノックアウト寸前の廃人になっていた。
「少子化は…俺のせい…俺が日本を…高齢化社会で年金問題も全部この俺のせい…」
フラフラしながらブツブツと何かつぶやいている。
「太郎!!太郎しっかり!!太郎のせいで少子化なんじゃないから!!
高齢化社会も年金も、太郎は全くこれっぽっちも関係ないよっ?
太郎はこれから結婚して子供をガンガン作れば問題ないんだから!!
まだ若いんだし、これからだよこれから!!ガンガンだよ、ガンガン!!ねっ?」
私は自分自身、妙な慰め方をしている事に気がついてはいたが、そんな事この際どうでもよかった。
「そうか…そうだな。俺はこれから結婚して
野球チームが出来るぐらい子供を作ればいいんだ。まだ間に合う…俺が日本を救うにはまだ間に合う!!」
太郎がシャキーンと立ち直った。
物凄く単純バカで助かった…。
私は、内心そう思いながらウンウンと頷いた。
「子供とか結婚以前の問題に、まずは彼女作らないとな」
青登さんが太郎の肩をポンと叩いた。
「彼女…か、彼女…」
太郎がまたクラッと立ちくらみした。
「青登さん!!余計な事言わない!!太郎、ホラ実凛さん全部シュリンク終わっちゃうよ?
男の威厳はどうしたのっ!!あんたもさっさと仕事終わらせなさい、さっさと!!」
私は叫んだ。
太郎はまたシャキーンとして
「だな!!あのクソ女に負けてなるものか…ギャフンと言わせてやる!!
ラストサムライの名にかけて!!」
ダッシュで仕事へと戻って行った。
やっぱり単純バカで助かった。
私は深い1つため息をつきながら太郎の後ろ姿を見つめていた。
その日の午後、青登さんがいつになく真剣な顔をして児童書の棚を見つめていた。
私はなんとなく気になって
「青登さん、発注してるんですか?」
青登さんに声をかけた。
「イヤ、そうじゃないけどな~」
青登さんは私の方を振り向いて一言そう言うと、また棚の方を向いた。
真剣に何かを考えてる顔をしている。そういう顔をしてる時は普通にカッコイイんだけどなぁ。
私は青登さんを見ながらそう思った。
「今時の子供ってさ?あんまり絵本って読まねーのかな、って思ってさ。
親が選んで子供に読み聞かせるってのが多いんだろうけど、
今の子供って、普通の絵本なんかに興味示さないような気がするんだ」
青登さんはそう言いながら、棚から一冊の絵本を取り出した。
「沙和っち、これ何の本か知ってる?」
表紙に描かれているウサギの絵を指さしながら言った。
「え?普通に知ってますよ。ウンタンでしょ?ウサギのウンタンの本ですよね?」
私は普通に答えた。
ウンタンは、私が小さい頃から馴染みのある絵本のキャラクターだ。
何十年経ってもみんなに愛されているウンタンシリーズの絵本。
誰しも一度は絶対に読んだ事があるはずだ。
「今の子供達の中にはウンタンの事を知らない子も多いみたいなんだよな」
青登さんが溜息をつきながら言った。
「えっ?マジで??」
私はビックリした。
ウンタンを知らない子がいるなんて…驚きの事実だ。絶対に一度は読んでもらう本だと思うのに。
「長く売れる絵本には、売れるだけの理由がある。でも、今の親の中には子供が読みたがる本しか買わない親もいるもんだから、結局アニメ絵本ばかりになっちまうんだよな。
だから結局…本当の意味での良い絵本ってのがどんどん読まれなくなっちまうのかも知れないな。読めばすげぇ面白いんだけどな~絵本って。
色んな教訓も含まれてたりするしな」
青登さんはウンタンの絵本を棚に戻しながら切なげに言った。
「そうですよねぇ…。私なんて、いつもお母さんから絵本とか読んでもらってた記憶ありますよ。昔話とかも沢山して貰ってましたしね。
でも、うちのお父さんなんか酷いんですよ?勝手に物語のエンディングを変えたりしちゃってさ。シンデレラはやけ食いして太ってしまいガラスの靴を壊してしまって履けませんでした、おしまい。とか。
子供心に意味が分からなくて傷付きましたもん。今でもずっと心に残っててある意味トラウマですよ」
私は苦笑いしながら言った。
すると、青登さんはハッと何かを思いついた顔をして
「そうだ!!俺が読んで聞かせればいいんだ!!」
大きな声で叫んだ。
「親が読んでくれなくなったのなら、俺がここで読んであげればいいんだよ!!ここで読み聞かせ会を開くんだ!!」
青登さんは凄く嬉しそうな顔をして言った。
「読み聞かせ会?」
「そう!!誰かが読んであげたら、きっと子供達の心に残る。そして絵本が楽しいものだって事に気がついてくれて、お父さんやお母さんに絵本読んでって自分から言うようになると思うんだ!!
よーし!!稀一さんに提案してみるよ!!沙和っち、サンキュー!!」
青登さんは私の肩をポンと叩くと、事務所に走って行ってしまった。
「いって…らっしゃい」
私は手を振って青登さんを見送った。
読み聞かせ会かぁ…。それこそ子供達が興味を示すのだろうか?そんな会に。
私は不安に思った。
私の不安は的中し、一応稀一さんの了承を得て、店の片隅にゴザを敷いて読み聞かせ会を実地したものの誰も興味を示さず、絵本片手に椅子に座って、参加してくれる親子を待っていた青登さんだったが、結局最後まで誰も来てはくれなかった。
その時の青登さんの落ち込みっぷりと言ったら言葉では言い表せないぐらいのものだった。
張り切ってたからなぁ…青登さん。
このイベントは、売上云々ではなく…青登さんの子供達への想いというか、単に子供達のワクワクしたようなキラキラした目が見たいという気持ちが強かっただけに余計に成功してもらいたかったが、元々絵本離れの進んだ子供達に興味を持たせるという事がいかに難しい事なのかという事を実感させられた。
それからの青登さんは、色んな店に『読み聞かせ会のお知らせ』というポスターを貼らせてもらったり、店内のお客様に声を掛けたり
色んな工夫をしてみたものの、やはり読み聞かせには誰も集まらなかった。
その度に青登さんは落ち込み、深いため息を付いている姿を見てるこっちも切なくなってきた。
見兼ねた私は、稀一さんに言った。
「稀一さん、何とかなりませんかね?青登さんが不憫で見てられない…」
すると、稀一さんは腕組みして少し考えると
何かを思いついたようでどこかに電話を掛けていた。
電話が終わると、私は待ってたかのように声を掛ける。
「なになに!?稀一さん、どこに電話してたのっ??」
「わっ!!お前…まだ居たのか?ビックリした。」
稀一さんは焦りながら言った。
「今な?本社に電話したんだ。昔さぁ…本社の倉庫でアレを見かけた記憶があってなぁ~
今確認したらやっぱあったみたいだから、送ってもらう事にしたんだ~♪」
何やらニヤニヤしながら勿体ぶった言い方をした。
「アレってなんですか?アレって??」
私は食いついて聞いてみた。
「それはぁ…来てのお楽しみ~♪」
稀一さんは更にニヤニヤしながら事務所を出て行ってしまった。
「ちょっと稀一さん~!!教えてくださいよぉ」
私は稀一さんを追いかけて行った。
でも、それ以上は教えてはくれなかった。到着を待つしかない。
一体何が送られてくるんだろう。うーん…分からん。
私は考えても何も思いつかなかった。