2026年 4月 ――書店小説大賞 受賞作発表会【34】
『この度、書店小説大賞をいただき、大変光栄です。まだ、私は高校生であり、右も左もわかりません。正直、つい最近まで、書店小説大賞にノミネートされることがどのようなことなのかを、完全にわかっていなかったと思います。そういった意味でも、自分は本来、このような賞を受賞するのにふさわしい人間ではありません。
この本が刊行されてから一年ほど経ちました。
今でも、この作品が自分にとっては小説家として、スタートするきっかけになった本ですし、学校に行きながら、自分のもののように文章にすることができた経験はよかったのかなと考えています。
デビューしてからの、この一年は一生、忘れることがないくらい非常に多くの感情を味わった一年でした。
中学3年生の夏休み、大切な友人に誘われて、本格的に小説を書き始めました。友人にこう言われて小説を書きました。
「夏休み、お互いに応募する作品、読みあおうよ。そして、それぞれ別の賞に応募しよう。ふたりだけの、今年の夏休みの宿題にしよ?」
その夏休みの宿題が、まさか1年後にこのような結果になっているとは、そのとき、思いもしませんでした。この夏休みの宿題で、ときに友人を傷つけたこともありました。
しかし、今の私にとって、欠かせない大切な友人です。友人には大変感謝をしています。
そんな友人に向けて、一言お伝えして、このスピーチを締めたいと思います。
『書くきっかけを与えてくれてどうもありがとうございました』
この度は、大変感謝申し上げます。ご清聴いただきありがとうございました』
俺のスピーチが終わり、ホールの会場中に拍手が鳴り響く。
自分の文章だと偽り、頂きに立った、俺にとって、その拍手は虚しく、苦しいものだった。
読んでいただきありがとうございます。
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